大塚家具、苦境の要因は戦略不在が原因か?〜他店と比較した強みを検討する. ニトリはターゲットを広くして、店舗も郊外に出店を展開している。一方で、大塚家具は、高級志向で会員制にして出店も都心の真ん中にすることでブランドを構築していった。景気のいい時は、大塚家具の戦略は良かった。 大塚家具の差別化戦略 元々は「会員制」の高級路線. 大塚家具は、高級家具店から中級家具店へ、顧客一人ひとりに手厚い接客を行う会員制を廃止し、誰もが気軽に入れるカジュアルな店舗へと急激に舵を取ったわけですが、マーケティングから考えると、ターゲット層を広げること、特に高級志向の購買層からより中級志向の購買層へ拡大して増収を目指すのは、言うのは簡単ですが、非常に難しい選択にチャレンジしていると思います。 株式会社大塚家具は1969年(昭和44年)に大塚勝久氏が代表取締役として、桐箪笥販売店「大塚家具センター」を創業しました。 1993年(平成5年)には、入店時に顧客名簿を作成し(=会員制の導入)、店員が顧客について回るという接客により“結婚後のまとめ買い”需要を取り込むことで成長しました。 大塚家具は、現経営陣になってから、3年連続の最終赤字を計上しており、運転資金が枯渇。打開策として複数の企業との業務提携を模索し、資金調達を図ったものの、市場の見る目は厳しく、苦しい経営が続いています。 大塚家具の殿様戦略. 日経新聞に大塚家具が予想と反して営業赤字見込みと発表されました。お家騒動のイメージダウンもあるでしょうが、それよりも戦略不在が原因ではないかと考えています。 大塚家具は、1969年に現社長の大塚久美子氏の父親である大塚勝久氏によって創業されました。