2 (Orijinal Dizi Müzikleri) - Amazon.co.jp, Fülane Hatun Osmanoğlu (1496 - 1550) - Genealogy, Gülfem - Gûlfâm Sultan (Hātun binti Abdllah) (c.1497 - c.1562) - Genealogy, en:List of consorts of the Ottoman sultans#Consorts of the Ottoman sultans, Mahidevran Gülbahar Osmanoğlu, Sultan (c.1500 - 1581) - Genealogy, Aleksandra Roxelana Sultan (Lisowska), Hürrem Haseki Sultan (1506 - 1558) - Genealogy, Şehzade Mahmud Osmanoğlu (1512 - 1521) - Genealogy, Şehzade Mustafa Muhlisi Osmanoğlu, Şehzade (1515 - 1553) - Genealogy, Fatma Nur Osmanoğlu (c.1516 - 1545) - Genealogy, el:Φατμά Σουλτάνα (κόρη του Σουλεϊμάν Α'), Şehzade Ahmed Osmanoğlu (1517 - 1517) - Genealogy, Şehzade Murad Osmanoğlu (1519 - 1521) - Genealogy, Şehzade Mehmed Osmanoğlu (1521 - 1543) - Genealogy, Mihrimah Sultan Osmanoğlu (Sultan) (1522 - 1578) - Genealogy, Sehzade Abdullah Abdullah Osmanoğlu (1523 - 1526) - Genealogy, Selim Osmanoğlu, Sultan of the Ottoman Empire (1524 - 1574) - Genealogy, Şehzade Bayezid Osmanoğlu (1525 - 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マヒデブランがヒュッレムに暴行した現場をニギャール女官長が通りがかり、ダイェ女官長、スンビュル宦官長と3人で個室に運び込み、この恥ずべき暴行事件を表沙汰にしてはまずいと忖度して、秘かに看病する。マヒデブランは、流産したため皇帝から見舞いを受けるが、暴行を知らされた母后から厳しく叱られる。スレイマンのマニサでの恩師カスム師が宮殿に呼ばれ、御前会議が催される。ハンガリーとの開戦について全会一致で、帝国の命運を分かつ決断が下される。開戦準備が着々と進められる。意識を取り戻したヒュッレムは、鏡で自分の無残な顔を見て泣き叫ぶ。皇帝が夜伽にヒュッレムを召すとイブラヒムが宦官長に伝えるが、スンビュルは何とか拒もうとする。ヒュッレムが夜伽を拒んでいると聞かされたスレイマンは、無礼だと怒り、後宮の個室へ押しかけると、ヒュッレムが待っていた。, ヒュッレムの傷だらけの顔に驚いたスレイマンは、マヒデブランの仕業と知ると、マヒデブランに我々の関係は終わりだと告げる。マヒデブランを旧宮殿(エスキ・サライ)に追放しようとするが、母后の取りなしにより追放は免れる。スレイマンは、ヒュッレムを自分の寝所に移させて、自ら看病する。やがて、ヒュッレムは全快し、皇帝から豪華な品々を贈られる。有頂天のヒュッレムはマリアに「私は宮殿を支配する。…あんたは私のダイェね」などと放言して、立ち聞きしているダイェを敵に回す。ダイェは、ヒュッレムが図に乗っていると母后に報告し、母后は策を練る。イブラヒムのせいで皇帝を独占できないと感じたヒュッレムは、イブラヒムともぶつかる。スレイマン、イブラヒム、マトラークチュらは、大砲の開発など開戦準備に余念がない。さらに、御前会議で作戦が取り決められ、カスム師が遠征で留守中の宰相に任命される。1521年5月18日、ついに皇帝スレイマンは軍を率いて、ハンガリー遠征に出陣する。, 母后は、スレイマンの遠征中にヒュッレムを宮殿から追い出すために、カスム師の子息バトゥルに嫁がせようと企てる。1521年6月17日、, 宰相カスム師と子息バトゥルは、ヒュッレムの降嫁準備を今か今かと待ちわびている。スンビュル宦官長とニギャール女官長は、妊娠してると言いだして部屋に謹慎中のヒュッレムの口を割らせようとするが、うまくいかない。カスム師の催促に、母后は日延べを伝える。ハンガリーの, ヒュッレムは、皇帝の寝所に運ばれた毒入りデザートを食べてしまい、意識を失う。急いで呼ばれた医女が食べたものを吐かせるが、なお高熱が続く。ハティジェと密会していたイブラヒムは、皇帝のもとへ呼び出され、料理に毒を盛って暗殺を企てた者を捕らえよ、と命じられる。後宮は大騒ぎになり、イブラヒムは腹立ちのあまり、ニギャール女官長の首を激しく絞め上げる。思わぬ大事に、毒を盛った側女ハシベが一人で泣きじゃくっていると、ギュルシャーに見つかり、その後、首吊り死体で発見される。ハシベを殺害したギュルシャーは、マヒデブランの前で泣きじゃくるが、妃から「お前一人の罪よ」と冷酷にも突き放される。現場近くにいたギュルシャーは、イブラヒムに呼び出され、泣きながら、マヒデブランの意を受けて毒を盛らせたこと、ハシベを殺害したことを自供する。皇帝に訊かれたイブラヒムは妃の名を伏せるが、ギュルシャーを見かけたスレイマンは毒を盛らせた張本人がマヒデブランだと確信するが、本人にではなく、母后に対して「あの女を制御できないなら、私が(処罰を)やる」と警告する。スレイマンは、ムスタファ皇子のことを思い、母親であるマヒデブランの処罰を思いとどまったのだ。翌朝、マヒデブランはイブラヒムに呼ばれて、ヒュッレムと関わらず、皇子の養育に専念するように忠告される。ヒュッレムの快復に安心したスレイマンは政務に向かうが、ヒュッレムはまたもやイブラヒムと対立する。, ヒュッレムは、臨月が近いため、母后の計らいで世話係が付き、ニギャール女官長の指揮のもとで角部屋へ引っ越すことになった。御前会議の場では、ベネチア大使モチェニーゴが皇帝に戦勝の祝辞を述べるが、スレイマンはハンガリー王ラヨシュ2世に対して「臣従しなければ、, ヒュッレムが陣痛のため叫び声を上げ続ける難産となり、医女やニギャール女官長たちがお産の世話をする。ヒュッレムと反目する小姓頭イブラヒムは、ヒュッレムの世話係になっていた側女ギュルニハルを皇帝の夜伽に差し向ける。やがて、玉のような皇子が無事に産声を上げ、ヒュッレムはやっと安堵する。が、駆け付けた母后は、ヒュッレムが赤子を抱こうとするのを妨げ、皇子にお清めをせよと命じる。出産の報告を受けた皇帝スレイマンは、息子を抱いて, ロードス島侵攻の事前準備として、イブラヒムは宮廷史家マトラークチュに潜入調査を命じる。砦を視察して細密画を描かせるのだ。ロードス島騎士団長リラダンから援護を求められたバチカンの枢機卿は、オスマン帝国が地中海の制海権を得てしまう重要な地を易々と明け渡せないとはいえ、帝国との貿易協定も捨てがたい様子。一方で窮地に陥ったギュルニハルはニギャール女官長に相談する。ヒュッレムは皇子を抱き皇族の毛皮を得意げに身に付け、母后ハフサの許を訪れる。母后とマヒデブランからはメフメト皇子と引き離すため乳母に託すよう勧められるが毒殺を恐れて断る。産後40日経過しないと夜伽に上がれない産褥中の慣習にも焦りを抱えている。ハティジェは服従と慣習としきたりに従うようヒュッレムに諭すが、自らも強いられた婚約に従えず内に秘めたイブラヒムへの思いを断ち切れない。イブラヒムは来たる遠征での別離を思い、ギュルフェムの助けでハティジェに蝶のブローチと恋文を贈る。明け方の寒冷の中、ご寝所から忍び足で戻ったギュルニハルが皇帝スレイマンの温情で毛皮をまとっているのを見て逆上したヒュッレムは騒動を起こしてしまう。母后はこれを機に皇子を奪う罰を与えようとしたが思いとどまる。ギュルニハルは側女アイシェとの相部屋の個室に一時退避された。本意ではなく命令に服従しただけの者や傍観者を含め周囲が皆で親友の夜伽に共謀したことに感付いたヒュッレムは、指輪の盗難、毒殺未遂、牢屋行きの経験を経て、秘密裏に計略を謀ることを覚えてしまい、皮膚に炎症を起こす毒を手に取ってしまう。, ハティジェは母后から大宰相ピリーメフメトの息子でムスタファ皇子の教師としても博識を誇る人物チェレビーとの縁組みを知らされ、思い悩んだテラスで雪が降りしきる中倒れて高熱を出す。縁談に浮かない様子に母后は首を傾げる。産褥が開けたヒュッレムはスレイマンに螺鈿鏡の贈り物をして愛を伝える。一方でニギャール女官長に命じてギュルニハルには忘れ物の毛皮を届けさせる。実は毒が塗られていた毛皮を夜中巻いて寝たギュルニハルは顔の皮膚がただれて溶けてしまう。調査に当たったダイェはヒュッレムの関与を知り、ニギャールに口止めして母后に報告する。ヒュッレムは夢で亡き母と再会するが、仇を討って欲しいとはいえ一度悪事に染めた手は止まらなくなると責められる。ニギャールは知らずに共犯の運び役とされたことをヒュッレムに詰め寄るがしらを切られ、ダイェからの口止めにも関わらずスンビュル宦官長を含め側女たち後宮中がヒュッレムの犯行を知るよう仕向ける。通路で母后とダイェに出くわしたヒュッレムは、自分の関与はニギャールの嘘でニギャールを罰するよう示唆するが、母后は顔をそむけ、メフメト皇子を乳母に託すよう命じる。最初に毒を盛ったマヒデブランは皆に庇われるが、自分は罰としてついに皇子と引き離され、ヒュッレムは待遇の差に慟哭する。, ヒュッレムはスレイマンに直談判を試みるがイブラヒムに阻止され、マヒデブラン側に付く者と確信する。ハティジェの看病中に胸中を知ったマヒデブランはイブラヒムとの逢瀬に進んで加担する。その頃ハンガリーのブダ王宮ではラヨシュ2世がスレイマン暗殺の企てを図っていた。婚礼の夜にゼムン城で新郎を殺されたビクトリアを帝国の後宮に送る算段だった。後宮ではギュルニハルがヒュッレム付きに復帰する。ヒュッレムは祈祷師を呼び、スレイマンが他の女によそ見をせず、次期皇帝にはメフメト皇子を、自分は母后になれるよう祈りのお守りを作るよう命じる。御前会議でアフメト宰相はフェルハト宰相を謗ることに余念がない。ベネチア大使からラヨシュ2世の報復の可能性を指摘されたスレイマンだが一笑に付した。ビクトリアは宮殿の内通者の斧槍持ち(衛兵の一種)ボンジュクとの港での待ち合わせに失敗したが、ロードス島の視察から戻ったばかりの宮廷史家マトラークチュに保護され、イブラヒムの推薦でニギャール監督のもとに側女アイシェ付きの女官として後宮に上がった。マトラークチュは持ち帰った細密画を手に、スレイマンにロードス島の城塞は強固なため坑道を掘り内部の協力者を得て城内に到達する策を提案する。, 皇帝スレイマンは病気から快復した妹ハティジェにロードス島遠征後の婚儀の挙行を通告した。正式に婚約中となったハティジェは毒薬を飲んでしまう。知らせを受けて駆け付けたダイェによってハティジェは食あたりとされ母后には自害を伏せられる。ビクトリアは奴隷ではないという出身についての嘘を側女アイシェに怪しまれる。完成したお守りを持って参上した祈祷師から第ニ子懐妊を予見されたヒュッレムは喜びに沸く。婚約勅状を自らの手で筆したイブラヒムは愛用のバイオリンを叩き壊す。マヒデブランの差し金で毒を盛ったギュルシャーは追放を解かれ後宮に戻る。ハティジェの婚約式で大宰相の息子チェレビーは咳が出ている。婚約式でスレイマンの近くに控えたビクトリアはゼムン城の落城を回想し、皇子たちの別部屋にわざと放火する。, 火災騒ぎの中、第一皇子ムスタファと第二皇子メフメトを抱えて煙立つ中現れたビクトリアは偽りの手柄を立て母后付き女官となる。気が動転したヒュッレムはムスタファが火事を起こしたと言い放ちスレイマンの不興を買う。疑心暗鬼になったヒュッレムはギュルニハルにメフメト皇子の小守を厳命し、ニギャールに祈祷師を呼ぶよう命じる。ロードス島の遠征中は頼るべきスレイマンも不在となり何が起こるか分からない。スレイマンに許しを懇願する恋文を書くが、メフメト皇子のみ呼ばれ、ヒュッレムは自室に取り残される。スレイマンは島民の命と財産を保証する降伏勧告を書くが、ロードス島騎士団長リラダンは破り捨て、バチカン枢機卿に救援を要請する。1522年6月18日出陣前の別れの挨拶時、スレイマンはマヒデブランに手を差し伸べ、ヒュッレムを無視する。地中海を航海中、追憶に囚われたイブラヒムは思わず故郷の話をして遠征後の帰郷を許可される。ヒュッレムは自室から出られない幽閉状態で遠征中を過ごす。スレイマンとイブラヒムは真夜中の海上で砲撃に遭う。, 母后ハフサは皇帝スレイマンの乗った船が沈んだとフェルハト宰相から報告を受ける。後宮は悲しみに包まれ、スンビュルから知らされた懐妊中のヒュッレムは姿見を割り気絶してしまう。スレイマンはオスマン帝国の前線基地に戻り、船や人員など数か月の準備を水泡に帰した大宰相ピリーメフメトの失策を詰る。ピリーは国璽を返上して辞職を願い出るが戦時中のため保留となる。アフメト宰相はチョバンの発案であり、ピリーの戦略の失敗ではないと擁護する。スレイマンはチョバンのロードス島遠征の総司令官の職を解任し、アフメト宰相に兼任させる。皇帝の代が変わると側女は全員追放になる習わしから側女たちは口さがない。スレイマン生存の追報を受け後宮中が安堵する中、見せかけの改宗を行ってイスラム名でサドゥカ(貞淑)と名付けられたビクトリアだけが顔を曇らせている。様子がおかしいと訝しむ同室の側女アイシェ。ロードス島では騎士団長リラダンが皇帝スレイマンの大おじジェムの息子ムラトと親しく言葉を交わしている。ヒュッレムはニギャールに手紙の代筆を頼む。ギュルシャーを使い、ニギャールを呼び出したマヒデブランはヒュッレムと親しくし過ぎていることを叱責する。ヒュッレムとマヒデブランの板挟みに悩むニギャールは、告げ口したギュルシャーを責め、スンビュルに助言を求める。ロードス島騎士団長リラダンは再三要請したバチカンからの援軍が来ないことに諦念を固め、ムラトに降伏の意を伝える。ムラトはスレイマンを害しようと使いを出す。, ロードス島の教会で最初のイスラム礼拝を行う中、ムラトから差し向けられた刺客がスレイマンを狙うが、イブラヒムが命を賭して助ける。ヒュッレムは皇女を出産する。母后は, チェレビーが倒れた報告を受けたスンビュルは母后に報告する。母后は教師の任を解き人を手配する。第ニ子として皇女を産むも側女たちからも敬意を払われず状況の変わらないヒュッレムはニギャールに助言を求める。マトラークチュはサドゥカ(ビクトリア)を忘れられない。サドゥカと斧槍持ちホンジュクが言葉を交わしているところを目撃したスンビュルとニギャールは訝しむ。スレイマンは遠征から帰還してヒュッレムと再会し、父帝セリムが母后ハフサに贈った詩を詠む。ニギャールは帰還したイブラヒムに後宮の様子を報告する。イブラヒムはチェレビーを見舞い、吐血を見てしまう。ギュルフェムに頼み、ハティジェに会うため危険を冒して夜のイチジク園に誘う。ダンテの神曲を読みながら、天国と地獄の間の煉獄の住人であることを思う。スレイマンは改めて大宰相ピリーメフメトを解任し、イブラヒムの姿を探すが、小姓頭の居室で天国と地獄について書かれた文を発見する。ヒュッレムが宴を開いているところにマヒデブランが現れる。, マヒデブランは誰の許可で宴を開いたかとヒュッレムを叱責する。ヒュッレム・スルタン(Hürrem Sultan)である自分の命だと返答する。マヒデブランは皇帝妃を自称するとは厚かましいと一蹴するが、皇女ハティジェ・スルタンが割って入り威厳をもって双方ともにきつく注意する。皇帝スレイマンは短刀(地獄)を片手に国璽(天国)とどちらを選ぶか、どちらを選んでも命に関わるとイブラヒムに覚悟を迫り、ピリーメフメトに代わりイブラヒムが大宰相となるよう言い渡す。ピリーメフメトは息子の病気を知らない。ニギャールは一朝一夕では皇帝妃になれないと言い、ヒュッレムに少し慎むよう諭す。御前会議でイブラヒムの就任が正式に発表されると、昇進を期待していたフェルハト宰相、アフメト宰相、元宰相チョバン、イスラムの長老ゼンビリ一同が驚愕する。赤い礼服(ヒラット)を賜ったイブラヒムはアフメト宰相と対立する。ヒュッレムはスルタン(皇帝妃)と呼ぶ手本を示すようニギャールに言いつける。チェレビーが結核を患っていることをイブラヒムから知らされたマヒデブランは血相を変え母后に相談する。母后はハティジェには秘密にするよう言い渡す。, イブラヒムは約束された故郷パルガへの帰郷をスレイマンに嘆願する。ムスタファ皇子が高熱を出し、勉強中にチェレビーと長く過ごした息子が結核に感染した可能性に思い当たりマヒデブランは心を痛める。前夫を亡くした寡婦ハティジェを思い、スレイマンに縁組みを考え直させるため、母后はチェレビーを診察した医師の診断結果を奏上する。だがスレイマンはチェレビーが快復するまで婚儀は延期するとしただけだった。ロードス島からの凱旋後に夜伽のお召しがないため、スレイマンがムスタファの容態を心配して一晩中マヒデブランの部屋で過ごしたことを伝え聞くと、ヒュッレムは心穏やかでいられない。スレイマンは前大宰相ピリーメフメトが息子チェレビーの病気を知らせなかったと指摘する。サドゥカは母后に呼ばれて来たスレイマンと部屋で二人きりの状況になったが、短刀を所持しておらず手が出せない。母后はスレイマンに家族と過ごす慣習の神聖な木曜日はマヒデブランを夜伽に呼ぶよう諭す。ハティジェはチェレビーが結核であっても結婚が撤回されないことを嘆く。イブラヒムは故郷へ旅立つ前にスレイマンの部屋に手紙を残し、スンビュルにマヒデブランを最優先に考えるよう命じる。ヒュッレムは久々にご寝所に召されたのはマヒデブランと知る。, 皇帝の寝所から戻ったマヒデブランの機嫌が悪く、ギュルシャーは冷たくあしらわれる。実態は手も触れられず皇帝スレイマンから一晩無視されていた。スレイマンはイブラヒムの手紙を発見し、イブラヒムがパルガから戻らない決意であることを知る。ハティジェへの愛のためイブラヒムは己の将来を投げ打ったのだった。母后の計らいで木曜の夜をマヒデブランに渡した経緯を知ったヒュッレムは、ハティジェがイブラヒムに恋煩いしていることを母后に密告する。長く思い悩んでいた理由をよりによってヒュッレムから聞かされた母后はハティジェを詰問し、ハティジェはイブラヒムの命乞いのためスレイマンに目通りを願い出るが叶わず憔悴する。次第に対立していた側女アイシェさえもヒュッレム・スルタン(皇帝妃)と呼ぶようになるが、母后の影響力は大きく、スレイマンは次の木曜もマヒデブランを寝所に召す。第三宰相アフメトは第二宰相フェルハトが不正をしているとスレイマンに奏上する。, イブラヒムはパルガで父マノリスと双子の兄ニコと再会する。ニコは亡き母のバイオリンをイブラヒム(クリスチャン・ネームはテオ)に贈る。ヒュッレムはアイシェと側女たちの大部屋で激しく言い合うところを皆に目撃される。ギュルニハルはアイシェにヒュッレムと対立しないよう諫言する。夜中に起き出した同室のサドゥカを怪しみ尾行したアイシェは、サドゥカが斧槍持ちボンジュクに文を渡すところを目撃する。サドゥカは発覚を恐れ、以前から脅迫を受けていたこともあり、アイシェを殺してしまう。アイシェの擁護を叱責されたために昨夜はヒュッレムと部屋を共にしていなかったギュルニハルを始めとして、後宮中がアイシェを殺したのはヒュッレムと思い込む。調査が行われる中、アイシェとの犬猿の仲を知られていたサドゥカも犯人候補となるが言い逃れる。イスラムの長老ゼンビリの許にフェルハト宰相の傍若無人な振る舞いを訴え出る投書が舞い込む。フェルハトはアフメトが指摘したようにハティジェの姉皇女ベイハンを娶っており皇帝家の婿だった。母后は皇子皇女をヒュッレムから取り上げて軟禁状態とする。イブラヒムの許へスレイマンから拝謁するよう手紙が届く。スレイマンは母后から犯人としてヒュッレムの名を挙げられる。, イブラヒムの家族はイブラヒムがオスマン帝国に戻る付き添う決意をする。スレイマンはヒュッレムを旧宮殿(エスキ・サライ)に追放するよう母后に言い渡す。スレイマンの許に参内したイブラヒムとハティジェはついに結婚の許可を得る。ヒュッレムは無実を訴えるが母后の冷淡な応対を浴び、スンビュル、ニギャール、ギュルニハルに全財産を差し出して助けを求める。子供たちとも引き離され泣きじゃくるヒュッレムを、さすがに側女たちも同情する。ハティジェからイブラヒムとの結婚を知らされた母后は最愛の娘ハティジェに秘密を打ち明けられずに疎まれていた心の距離を感じる。息子スレイマンともハティジェの婿選びのことで判断を誤った謗りを感じ受けている。母后の判断に全面的な信頼を置けなくなったスレイマンは逡巡してヒュッレムの件も思い直し、イブラヒムにアイシェ殺人の調査を担当させる。, ヒュッレムはハティジェに無実を訴える。マヒデブランはヒュッレムを信じるなと言うが、皇女ハティジェたる私に命令するつもりかと逆に叱責を受ける。ヒュッレムはルテニア時代の恋人, イブラヒムの交換条件はヒュッレムがマヒデブランに服従することだった。スレイマンは第一皇妃となりながら御子を得て失い、スレイマンの寵愛も失ったギュルフェムを呼び出し語り合う。ギュルフェムのお召しを知ったマヒデブランはスレイマンとの距離が自分よりも近いことに心中葛藤する。メフメト皇子が母を恋しがって泣き通しであることに心を痛めたハティジェは、夜中にお忍びで旧宮殿(エスキ・サライ)を訪れる。アイシェの死後、夜伽を務めてもいないサドゥカが個室を占有していることに側女たちが憤り、大部屋に入ることを余儀なくされる。行動に周囲の目の制限がつくことを恐れたサドゥカは黄金の道を通り夜伽を望むようになる。皇位継承権を持つ孫を伴った夜の外出を知った母后はハティジェを咎める。ハティジェの婚約発表の宴の招待がないヒュッレムは、決意を固め馬車に乗り込む。皇帝家の婿となることが発表されたイブラヒムは、エジプトに左遷されたアフメトの恨みを買う。, イブラヒムの交換条件を飲んだヒュッレムは後宮に戻る。母后はまたしても自分の許可なく決定が下されたと知る。ヒュッレムはマヒデブランの服の裾に接吻をして敬意を見せスレイマンを喜ばせる。後宮の闘争に終わりを告げるかのように見え、安堵を覚える一同だったが、ヒュッレムは秘めた決意を抱えて後宮に戻って来たのだった。ヒュッレムの改悛を快く受け止めたスレイマンは帰還したヒュッレムと一夜を過ごし木曜の約束を反故とした。ヒュッレムの天下にさせないため母后は新しく対抗馬となりうる側女としてサドゥカを用意する。アヤスが第二宰相となったため空席中のルメリ(ヨーロッパ)軍政官の任命について、イブラヒムはスレイマンの沙汰を仰ぐが、スレイマンはベネチア(現在のイタリア)のパルガ出身のイブラヒムの兼担が適任だと言う。ハティジェとの新居の下見に訪れたイブラヒムはマトラークチュに天使の壁画制作の手配を依頼して推挙されたレオと会う。ヒュッレム不在中にサドゥカの夜伽を敢行するべく、母后はヒュッレムを連れて大宰相邸に赴く。自分が呼ばれなかったことを知ったマヒデブランは失意に陥る。壁画制作のためハティジェの屋敷に訪れていたレオはヒュッレムとすれ違う。, レオは大宰相邸で忘れもしないアレクサンドラことヒュッレム(「朗らかな声」の意味)の声を聞く。後宮ではサドゥカがご寝所で復讐を実行に移す寸前のところで、メフメト皇子が庭園の池に落ち、血相を変えメフメトの許に向かったスレイマンの背中を見送る。ヒュッレムは不在中のメフメト皇子の不慮の事故にマヒデブランの関与を疑わず完璧な服従の態度をスレイマンを含め、改めて皆に見せてスレイマンの寵愛が深まる。実は本心を隠し通すことを学んだだけなのだが、成長を素直に喜んだニギャールはサドゥカが不在中にご寝所に上がった情報を提供してしまう。ベネチア大使モチェニーゴはヨーロッパ情勢に明るいイブラヒムの就任を祝福する。ハティジェがイブラヒムとの結婚により後宮を去る際ギュルフェムも伴えないことをこぼす中、ヒュッレムは皇子たちを火難から救ったサドゥカを大宰相邸に連れて行くよう示唆する。大使から情報を得たイブラヒムとスレイマンはバチカンが目下躍起になっているプロテスタント系ルターに密かに肩入れし、キリスト教世界の対抗構造を生み出すよう策案する。またイブラヒムはアフメトのエジプト赴任にあたり、自らの息がかかった補佐を密使とする。ヒュッレムの後宮復帰、ギュルフェムの召喚、ハティジェの新居下見に母后が自分を伴わなかったこと、木曜夜伽でスレイマンに無視され続けた等々の心痛が重なりマヒデブランは体調を崩す。マヒデブラン付き女官ギュルシャーはもしや懐妊ではないかと言う。, ハティジェは母后に新居に伴う側女としてサドゥカを賜る。大宰相邸に送られる決定を聞いたサドゥカは焦燥し、内通者の斧槍持ちボンジュクと相談するが、ボンジュクは後宮を去る運命と分かった美しいサドゥカに乱暴する。ギュルシャーはマヒデブランの体調不調について懐妊だと側女たちに先走って話してしまう。懐妊の噂を聞きつけた母后の祝福を受けるが、木曜の夜は触れられることもなく同室しているだけの真実を打ち明けられないマヒデブランはギュルシャーを叱責する。辱められたサドゥカの悲鳴にスンビュルが駆けつけ、ボンジュクは斬首刑となる。イブラヒムは大宰相邸に飾る絵画にスレイマンの肖像画を願い出る。イスラム教徒にとって偶像崇拝につながる禁忌(ハラム)に近いものであったが、他ならぬイブラヒムの頼みであり、メフメト2世もベリーニに肖像画を描かせたと言ってスレイマンは快諾する。イブラヒムはレオに肖像画を描くことを命じる。大好物のウズラのピラフを際限なく食べたがるヒュッレムにニギャールは妊娠中みたいと言い、ヒュッレムは医女を呼んで確認させる。結果は第三子懐妊だった。マヒデブランの涙を見たギュルシャーはヒュッレムの命を奪うことを誓う。, マヒデブランはギュルシャーに思い留まるよう命令する。サドゥカは寵臣イブラヒムの大宰相邸であれば皇帝自らの訪問もあると納得する。ハティジェとの婚礼の前夜、庭園で会えるよう手引きをしたニギャールはイブラヒムに頬をなでられ動揺する。祝典は9日間続く壮麗なもので国の威信をかけて行われるが、先のロードス遠征で得た国費を費やしたと言って一般庶民と歩兵常備軍(イェニチェリ)は反感を持つ。ベネチア大使は親欧派のイブラヒムに取り入り、婚礼祝いとして欧州風テーブルを贈る。祝宴に馳せ参じる馬車の中、ヒュッレムは産気づき、三度目の出産も皇帝スレイマン不在の中で行わねばならなかった我が身と、壮麗な祝宴を挙げてもらっている皇女ハティジェとの身分の違いを痛感する。第三子は第三皇子の誕生でマヒデブランが産んだ皇子の数をついに超す運びとなった。, 皇子誕生の命名式への参加に気が乗らないマヒデブランだが皇妃の矜持をかけて出席する。第三皇子は父帝に倣って, ヒュッレムは大宰相邸の別室で昏倒してしまう。ハティジェはサドゥカを呼び介抱させる。イブラヒムとの結婚を当初から良く思わない母后は欧州風の暮らしに疑念を持つ。夕食会の席でスレイマンはヒュッレムとの肖像画を描くようレオに命じる。マトラークチュはサドゥカに得意げに連絡手段が整ったと伝える。エジプト州軍政官として赴任したアフメトは皇帝を自称して独自に新たな金貨の鋳造と人事を命じる。肖像画の制作時にレオと顔を合わせることを懸念したヒュッレムだが、レオを目前にして思わず母国語ロシア語で密かに会話を交わす。実はロシア語を解するニギャールは訝しむ。マヒデブランはハティジェが後宮を去ったことで空室となったテラス付きの部屋を母后に請う。イブラヒムは自ら後見役を務めるマヒデブランの産んだ第一皇子ムスタファを歩兵常備軍(イェニチェリ)の訪問に伴う。マヒデブランがテラス付きの部屋を母后に請願していることを知ったヒュッレムは、母后に先んじて皇帝スレイマンに直訴して部屋を賜る。, エジプトの密使からアフメトの謀反を知らされたイブラヒムはスレイマンに伝達する。スレイマンはイブラヒムに反逆者(ハーイン)アフメトの討伐を命ずる。母后の命で元ハティジェの部屋を新しく整えるよう命じられていたスンビュルは、スレイマン直々の命令との板挟みに陥るが、マヒデブランの前で覚悟を決め皇帝の命を明白に優先させる。スレイマンとイブラヒムとムスタファ皇子は連れ立って歩兵常備軍(イェニチェリ)の棒給の儀に出席する。イブラヒムはエジプトへアフメトの討伐に向かうことをハティジェに告げ、万が一の安全のため父マノリスと双子の兄ニコをミストラ県に送る手配を第二宰相アヤスに命じる。ヒュッレムは肖像画やイブラヒム邸の壁画制作にかこつけてレオと個人的な言葉を交わす。ハティジェはイブラヒムとの別離を嘆くがイブラヒムとの子を身籠り幸福の絶頂を味わう。, ヒュッレム有利と見て次第に肩入れを深めるニギャールだったが、マヒデブラン付き女官ギュルシャーに見咎められ袋を頭に被せられ暴行を受け、マヒデブランに自分の側に付くよう二重間諜(スパイ)を命じられる。反逆者(ハーイン)アフメトを手際よく斬首の後晒し首の刑に葬ったイブラヒムはスレイマンに朗報を伝え、遠く離れたハティジェへの思いを霊鳥(シームルグ)になぞらえて恋文をしたためる。皇帝スレイマンが第一皇子ムスタファとエディルネ宮へ狩りに赴くことを知ったヒュッレムは、マヒデブランに代わり第二皇子メフメトとともに相伴に与るよう画策する。エディルネ宮にて皇帝のエメラルドの指輪がないことに気付いたヒュッレムは必死に探し、小守の側女エスマにも問うが見つからない。後宮に残ったマヒデブランはテラス付きの元ハティジェの部屋で指輪を発見する。, 帝都イスタンブルでは、異教徒からの改宗者イブラヒムが最高要職に就き良い暮らしをしていること、皇帝スレイマンが遊びの狩りに出て不在であることに、歩兵常備軍(イェニチェリ)が不満を溜めていた。ニギャールはイブラヒムとの情事を夢見るようになる。イブラヒムは一人エジプトで法整備を進めている。エディルネ宮では可愛がっていた小鳥が死んだことと指輪の紛失に不吉の兆しを見たヒュッレムがスレイマンに先んじてムスタファ皇子とメフメト皇子と共に後宮へ戻ることにする。だが既に皇帝不在を機と見た歩兵常備軍(イェニチェリ)の暴動が始まっており市場が略奪され今にも後宮に押し入らんとしていた。後宮では第二宰相アヤスから報告を受けた母后がハティジェを心配して気を失いかける。ハティジェは歩兵常備軍(イェニチェリ)が憎悪を向ける大宰相邸にギュルフェムと取り残されているのだ。マヒデブランは緊急事態で失念しておりエメラルドの指輪を嵌めたまま避難していたところをニギャールに目撃される。後宮への道が封鎖されたヒュッレムは大宰相邸に向かう。サドゥカを思うマトラークチュ、ヒュッレムを思うレオも合流するが、ハティジェは気が動転して足を滑らせ階段から落ちてしまう。, 第二宰相アヤスの使者から報告を受けたスレイマンは迅速に行動を起こす。海路を取り帝都イスタンブル入りを果たし、歩兵常備軍(イェニチェリ)の要求を聞き暴動を抑えつける。後宮に戻ったスレイマンは母后と再会するが、自分に先立って出発したヒュッレムの姿がないため、二人の皇位継承権を持つ皇子たちの行方不明を伝える。母后から第一皇子ムスタファの消息を聞かされたマヒデブランは卒倒してしまう。20万金貨(ドゥカ)の臨時金を勝ち取った歩兵常備軍(イェニチェリ)だったが、暴動を先導した長官はスレイマン自らの手で斬首される。手引きをした書記官長も処される。ハティジェの腹の子は流れてしまっていた。大宰相邸にハティジェを迎えに行ったスレイマンは、ヒュッレムと皇子たちと再会する。無事に戻ったムスタファから、ヒュッレムが自分を守ってくれたことを聞いたマヒデブランは、エメラルドの指輪を返そうとヒュッレムの部屋を訪れるが決心をつけられない。ギュルシャーとニギャールが対立する。イブラヒムが宮殿へと戻る。, イブラヒムと再会したハティジェは流産を伝える。スレイマンは再びヒュッレムに籠の小鳥を贈る。ヒュッレムはエメラルドの指輪を探すため大部屋の側女たちに情報提供を呼びかけ、ニギャールにも問うがニギャールは知らないふりをする。マヒデブランに呼び出されたニギャールは指輪の返却を言いつけられる。ヒュッレムはレオへの手紙を報奨金に紛れ込ませニギャールに届けさせるが、感付いたニギャールは手紙をこっそりと読んでしまう。ヒュッレムの秘密の過去の恋を知ったニギャールはギュルシャーを浴場の桶に沈めてやり返す。イブラヒムは新しい書記官長にジェラールザーデを任命する。ハティジェを心配したスレイマンは大宰相邸に外泊するが、見覚えのあるサドゥカを見つけ果たせずにいた夜伽を迫る。, 突然のことでサドゥカは武器を所持しておらず意のままになってしまう。新郎を殺した憎き皇帝に抱かれてしまった無力さに一人むせび泣く。イブラヒムはレオを帝国に留めおくため宮廷工房に送る。マヒデブランに呼び出されたニギャールは情報を持ち込めば役職の昇格を約束される。一度は母后からの懇願により左遷のみで済まされたフェルハトの税金の不正徴収と賄賂の横行が、再び取り沙汰され御前会議の議題に上がる。ニギャールは報奨金を返却するという名目で忍ばされたレオの手紙を今回も読んでしまう。フェルハトと皇女ベイハンが勝手に任地スメデレボを離れ母后を訪れる。依頼された母后はスレイマンに再度命乞いをするが跳ね除けられる。, アッケルマン(現在のウクライナ)軍政官が送って来た特別扱いの2人の側女ニーナとターニャが到着する。自分の出身に近いロシア方面ウクライナ出身であり明るい色の髪と肌を持つことにヒュッレム(史実では「ロシア女」を意味するロクセラーナという通り名が欧州では有名)は憂慮する。徐々にイブラヒムへの懸想を深めるニギャールは、ヒュッレムとマヒデブランとイブラヒムの三者に挟まれ困惑する。誰の奴隷でもなく自分自身であれと言われたニギャールは思わずイブラヒムに迫ってしまうが突き放される。もはやスレイマンの意思が揺るがぬことを確信した母后は、フェルハトの処刑予定時間にベイハンをハティジェと共に大宰相邸へ誘い出す。後宮に戻ったベイハンはフェルハトの処刑をスレイマンから伝えられる。ベイハンは悲しみの余り錯乱し、兄としての温情を持たないとスレイマンに避難の言葉を、処刑時間に連れ出した母后への不信を、慰めの言葉をかけたハティジェには「いつか皇帝である兄が夫を処刑したときに初めて私の気持ちが分かる」と言い放ち、後宮を後にする。ダイェがターニャの夜伽の準備をニギャールに命じ、ニギャールは即ヒュッレムに情報提供する。心痛のヒュッレムは籠の鳥をテラスから空に放ち、スレイマンの寝所に乗り込み、他の女と寝るなら私を先に殺してと嘆願する。, 私の忍耐と良心を試すなとスレイマンは言うが、愛と貞節ゆえに懇願するのだとヒュッレムは言い募る。もし明日中に自分とは別のロシア女を追放しなければ後宮を出て行くと主張する。立派な皇帝ではあるが近辺の者への感情が無いと他ならぬ妹皇女ベイハンに言われたばかりのスレイマンは葛藤を抱える。親兄弟を皆殺しにされ投獄され殺人の濡れ衣を着せられ親友が夜伽に差し出され私物が盗難されても服従の態度を見せ、素行が落ち着いていたヒュッレムを思い、奴隷はどこへも行けぬ子供たちにも合わせぬと迫るが、ヒュッレムは死体になってでも後宮を出て行くという。ロシアの側女たちが出て行くか、自分が死ぬかの二者択一を曲げない。後宮中がヒュッレムの敗北を確信するが、スレイマンは大方の予想に反しロシアの側女を送り返すよう命じ、後宮中がついにヒュッレムの愛の勝利を知る。母后は愛など存在せぬと自室で息巻く一方、スレイマンもまた自室でイブラヒムを相手に命懸けの愛を平定するための妥協に不満はないと宣っていた。ギュルシャーは再度ヒュッレムを廃することをマヒデブランに誓う。ベネチア大使は元首の私生児アルヴィーゼ・グリッティを擁立する。, ムスタファ皇子とメフメト皇子を教室から連れ帰ったギュルシャーは「ムスタファ皇子のついで」「私はムスタファ皇子に使える者」との差別発言をする。無礼を聞き咎めたヒュッレムは叱責する。ヒュッレム以上に嫌われ者のギュルシャーを大部屋の側女たちも笑う。グリッティを気に入ったスレイマンは礼服(ヒラット)を贈る。ギュルシャーはマヒデブランにヒュッレム殺害許可を請う。サドゥカは近々欧州への遠征があることを立ち聞きし本国ハンガリーとの連絡手段を模索する。ムスタファ皇子は皇位継承権を持つ皇子らしからぬ振る舞いでスレイマンに叱られる。ヒュッレムはスレイマンから贈られた、本来であれば皇族にしか許されないモチーフである帝国国花チューリップのブローチを付けて母后の茶会(サロン)に出席する。得意気なヒュッレムが憎くてならないギュルシャーはその夜、闇に紛れてヒュッレムとセリム皇子が就寝する寝台(ベッド)のふくらみに向け憎悪を込めて何度も短刀を振り下ろして突き立てた。, ヒュッレム付きの小守エスマがセリム皇子の泣き声を聞きつけ寝台を確認すると血が流れている。仰天したエスマが大声で人を呼び騒ぎとなる。スンビュルとニギャールが見るとふくらみの中に横たわる姿はヒュッレムではなくギュルニハルだった。刺されて重体となったギュルニハルはすぐさま治療院へ送られる。人違いで殺人を犯し呆然自失の体で部屋に戻ったギュルシャーは、刺客がギュルシャー本人だとマヒデブランに見破られてしまう。命令を下してもいないのに殺人を疑われる立場となり激怒し血がのぼったマヒデブランはギュルシャーを折檻する。アイシェ殺害に続き皇帝妃を狙った殺人鬼が後宮に潜んでいる状況に母后もダイェも戦慄する。ギュルニハルの隣に臥せっており明らかに人為的な重傷を負っている不審に気付いたニギャールは、ギュルシャーの凶行を聞き出す。, ムスタファ皇子からマヒデブランが自室で泣いて暴れたと聞かされたスレイマンは顔を曇らせる。マヒデブランはニギャールに弱みを握られた形となり、ヒュッレムの過失を情報提供すれば昇格させると約束していた役職を母后に請願せざるを得なくなる。両皇妃の部屋への出入りや恋心のため身綺麗に小まめに浴場に通うなど、仕事を疎かにしていたにも関わらず昇格したニギャールをスンビュルは訝しむ。ハティジェはマトラークチュがサドゥカに懸想していることを確信する。サドゥカから報告を受けたハンガリー王ラヨシュ2世はバチカンへ近々遠征があることを伝えるが、敗者に肩入れしない方針のバチカンは神聖ローマ皇帝カール5世のほうに保護を懇願するよう突き放し、ベネチア元首の息子グリッティは庶子に過ぎず教会の祝福を受けていないと言い放つ。ギュルニハルは一命を取り止めた。マヒデブランに疑念を抱いたスレイマンは自室を訪れる。グリッティに満足したスレイマンはカール5世の宿敵フランス王フランソワ1世に関する書簡を託す。フランソワはカールへの対抗心からプロテスタント派のルターを庇護していた。ニギャールの後を尾行したスンビュルはレオから手紙を受け取っているところを目撃してしまう。後宮の恋愛禁止の規則に則りスンビュルはイブラヒムに報告し、イブラヒムはレオの手紙を取り上げることに成功し、ヒュッレムの過去の恋愛を知ってしまう。, 思いを寄せるイブラヒムから詰問されるがニギャールはヒュッレムを可能な限り庇う。明日庭園で待ち合わせる手紙を何事もなかったかのようにヒュッレムへ届けるようイブラヒムは命令する。密会に来たところを検挙するための罠だった。当日ニギャールはヒュッレムが庭へ向かわないよう邪魔をする。それでも庭へ向かうヒュッレムだったが、母后とマヒデブランの前に現れたのみでレオは待ちぼうけとなる。痺れを切らしたイブラヒムは更に強硬手段を取り、レオを拘束して監禁脅迫する。, グリッティは妹モ二カを伴って大宰相邸の夕食会に参加する。スレイマンの肖像画の完成披露もされたが、イブラヒムはレオがすでに帝国を去ったと嘘をつく。モニカはイスラム世界の女性の地位について意見を述べるが、キリスト教世界も同じだとヒュッレムにそつなくやり返される。ヒュッレムは第四子を懐妊していた。翌日ヒュッレムは大宰相邸でレオと引き合わされイブラヒムから脅迫を受け毒入りロクム(菓子)を手渡される。サドゥカはヒュッレムを追って来たスレイマンの首に短刀を押し当て復讐を遂げようとしていた。, 「アレクサンドラ、君は生きて」と言い残してレオは自ら命を絶った。皇帝スレイマンはサドゥカを投げ飛ばし危機を脱する。大宰相邸の侍女の突然の凶行に責任を追及されたイブラヒムだったが、後から遅れて来たニギャールが密かにレオの死体の始末を付けていた。マトラークチュの手引きでハンガリーと連絡を取っていたとのサドゥカの自白をスレイマンは立ち聞きする。アイシェ殺害もサドゥカの犯行と判明する。イブラヒムはアイシェの件で一度ヒュッレムを追放処分にしていた。ヒュッレムは喪失に我を失う。ニギャールを詰問するが一部は隠蔽しながら一部は事実を語り、どの妃どの臣官に対しても最後の一手の決定的な処分は手の及ぶ限り避け続ける態度に苛立ちを募らせる。「私のお妃はあなただけ」と懇願するが、ヒュッレムはニギャールを見限る。スレイマンに疑われたイブラヒムは焦燥で怒鳴り散らす様子が目立つ。ヒュッレムはスレイマンから贈られた見事な黒いアラブ馬に「愛(アシュク)」と名付ける。快復したギュルシャーはマヒデブランに懇願して許される。一方、捕虜となっていたフランソワ1世をカール5世が解放したとの報告がなされる。, ヒュッレム付き側女ナズルを連れて母后たちと昼食を取るヒュッレムは馬を贈られた話をする。御前会議ではスレイマンが報復のためハンガリー侵攻を決する。1526年5月イブラヒムの率いる先陣はプロヴディフ(現在のブルガリア)で断食月(夜明けから日没まで水一滴も飲まずに新月から新月への一ヶ月を過ごすイスラム教の慣習、ただし戦争中の男子や妊婦や子供は免除される)を終えようとしていた。家族と過ごす神聖な断食月を優先させたスレイマンは、後から陣に発ちやすいよう帝国領のうち戦地にいちばん近い北方のエディルネ宮に妃たちと来ていた。最後の日没後の食事(イフタール)は断食を無事に終えた感謝を込めて盛大に祝われる。不興を買ったマトラークチュはイブラヒムの日没後の食事に呼ばれない。エディルネ宮の, ニギャールを失ったヒュッレムは、エスマとナズルに加え新しく身辺に置く側女として後宮に来たばかりのニリュフェル(蓮花の意)を、スンビュルにもギュルにも助けを借りず自ら選んだ。母后は犠牲祭(イスラム教の祝日の1つで神に生贄として捧げた羊やヤギなどの家畜を肉として後ほど貧民に配布するお祭り)の準備を進め、祭典の儀式を皇帝代理としてムスタファ皇子に務めさせた。知っていればメフメト皇子を始めとして他皇子たちを連れて行けたのに、と自分の陣営側の手薄さを痛感するヒュッレム。しかも懐妊を黙っているハティジェの姿勢を知らず、ヒュッレムはスレイマンに私信で伝えてしまっており秘密にしていたイブラヒムにも懐妊が伝わってしまっていた。「勝手なことをするな。私はオスマン帝国のハティジェ皇女。奴隷のお前とは違う。イブラヒムが浮気をしたら離婚して破滅させる」と息巻くハティジェ。モハーチではトランシルヴァニア領主サポヤイが援軍を送らなかったため、イブラヒムの軍略が成功を修めて開戦から2時間程度でハンガリー国王軍2万を沈める。, キリスト教世界の玄関口にたどり着いたスレイマンは、援軍を送らなかったサポヤイを好都合な傀儡としてハンガリー新国王に据える。イブラヒムは戦略が成功した褒美にハンガリーで惚れこんだギリシャ神話の彫像を帝都イスタンブルに持ち替える許可をもらう。ヒュッレムは激昂したハティジェの言葉を忘れられず、娘ミフリマーフ皇女に「いつか私より強くなる。誰も命令できず誰もがひれ伏す」と言い聞かせる。スレイマンは反乱防止のためべフラム宰相をアナトリア軍政官としてへ派遣する。化膿した胸の軽傷が痛んだため従軍医師ヤセフに治療を命じる。ニギャールはイブラヒムにヒュッレムに見限られた窮状を訴えるが冷たく応対される。一方、地中海では海賊がスペイン船を捉え、, イザベラ王女はハプスブルグ家(神聖ローマ帝国皇帝カール5世の家柄)のオーストリア大公フェルディナントの従弟フリードリヒの婚約者で、国家紛争の火種となりかねない。グリッティはイザベラを言い値で買うと交渉を持ちかけたが、海賊は帝国のトプカプ宮殿に売るという。目下、地中海に名を馳せているバルバロス(赤ひげ)傘下だけに抜け目がない。グリッティはイブラヒムに相談するが、イブラヒムは秘密裏にイザベラを買い受けて匿ってしまう。グリッティは祖国ベネチアにも使いを出す。懐妊中のハティジェが心配でたまらない母后はダイェの助言を受けてニギャールを大宰相邸付きにする。イスラムの長老ゼンビリが死亡したため新たに軍法官イブニ・ケマリを任じる。ヒュッレムは占星術師ヤクップに誰にも原因も治療法も分からない、ゆっくりと死に至らしめる毒の手配を依頼する。, ヤクップは対象者が片時も手離さない物を持ってくるようヒュッレムに言う。スレイマンはイブラヒムから報告を受け、狩りの館に幽閉されたイザベラを訪問する。王女の世話は後宮からスンビュルだけがたまの外出を許され内密にされていた。ハンガリー遠征から持ち帰ったギリシャ神話の彫像が大宰相邸に到着する。唯一神を信望するイスラム教にとって神ならざる偶像を崇拝すること、また完全な裸の形態を人の目に触れる状態で庭に置くことは卑猥物陳列の禁忌(ハラム)であり、庭を見下ろすバルコニーから勤め始めたばかりのニギャールもハティジェと共に仰天する。ハティジェは神罰を恐れ不吉だと言う。マヒデブランはムスタファ皇子の教育を褒められスレイマンから特別予算を贈られる。マトラークチュとマルコチョールは連れ立って酒場に出かける。マルコチョールは街角で男に襲われていた娘を救助して一目惚れする。大宰相邸を訪れたヒュッレムはイブラヒムの筆記帳に目を留める。, ハティジェの絶叫に同情したヒュッレムは機転を利かせて赤子を救う。確執があるイブラヒムからも礼を言われるが、イブラヒムはヒュッレム・ハートゥン(夫人)と呼び、ヒュッレム・スルタン(皇帝妃)とは呼ばない態度は変えない。ヒュッレムは「もう1つ無垢な命の貸しがある」とレオを思い出させる。呵責に耐えかね庭に出てヘラクレス、アポロン、ダイアナの彫像を眺めながら「帝都の海を抱く7つの丘、3つの国で、臣民はいつか我が彫像の前にひざまずく」と思わず独り言をしたところを皇帝スレイマンに目撃される。「ヘラクレスの父親は神々の王ゼウス。アポロンはディアナと双子。ではお前は?」とイブラヒム自身も双子であることを暗喩しながらスレイマンは問う。ハティジェの出産で大宰相邸を訪れた母后は彫像から目をそむけながら、苦難の出産は彫像の呪いだと呟く。そばにいたマヒデブランはムスタファ皇子の後見役であるイブラヒムの絶対の信望者らしく母后をなだめる。グリッティとマルコチョールは酒場で偶然の鉢合わせをする。ギュルは後宮を抜け出して怪しい行動を取っているスンビュルの行動を疑う。第二宰相アヤスからアナトリアの反乱が広まっていると報告を受けたイブラヒムはベフラムを罷免し、そのままアヤスに平定するよう命じる。, 思いが募るニギャールはイブラヒムの風呂をのぞき見る。イブラヒムはアヤスに命じたことをスレイマンに報告するが、産褥中ハティジェが心配で一人で残したくなかった心を見透かされるように、お前自身が行けと言われてしまう。スンビュルの痕跡を追ったギュルは狩りの館に辿りつき、美しく高貴な佇まいの女人であるイザベラを目撃する。グリッティはイブラヒムにイザベラの件で使節が来たと報告するが取り合われない。やむなく伝書鳩を使って王女に直接連絡を取る。ギュルから報告を受けたヒュッレムは狩りの館に女人がいてイブラヒムがたびたび訪問しているとハティジェに伝える。困惑に陥ったハティジェはニギャールを怒鳴りつけ、イブラヒムに「お前の職務は我が家族への奉仕。私こそ至高の帝国。私を失うときお前は高官の地位も失う」と言い放つ。喧嘩を立ち聞きするニギャール。ムスタファ皇子は癇癪を起こし、スレイマンから激を飛ばされる。焦りを抱えるフリードリヒは自ら極秘でグリッティに会い、金貨でも通商協定でも何でも与えるから王女を解放するよう伝えよ、とグリッティに命じるがグリッティも無力さを感じている。母后はアナトリア平定にイブラヒム以外の高官を遣るようスレイマンに願い出るが許可されない。落胆した母后は「そなたの顔は一方には明るい光、他方には冷たく濃い影。激高したときは自分が育てた子にも思えぬ。不気味で恐ろしい。父帝セリムを思い出させる。行く末が恐ろしい」と言ってしまう。大宰相邸では侍女を介して筆記帳の皮に丹念に仕込まれた経皮毒が赤子の肌に触れ、一瞬で紫に変色していた。, ハティジェに讒言を吹き込んだとしてイブラヒムはやり返す。狩りの館では思い詰めてイザベラ奪還を果たそうとしたフリードリヒが拘束されていた。ハティジェの子は野生梨を煮出した湯での沐浴で一命を取りとめる(実は経皮毒であるため)。狩りの館に囲った女人は皇帝陛下のとても大切な客人と聞かされたヒュッレムはハティジェに尋ねるが意地の悪い回答をされる。本性を現し始めたイブラヒムは神聖ローマ帝国の血筋(皇帝カール5世の従弟)であるフリードリヒにも尋問中に行き過ぎた暴行をふるう。愛人を疑うヒュッレムはスンビュルを詰問するが口を割らないことからスレイマン直々の命令と察しを付ける。イブラヒムに留守中を任されたニギャールは笑顔を見せてハティジェと赤子を守ることを約束する。, アナトリアの反乱は3万の規模に拡大していた。イスラム教の一派の長でトルクメン(現在のイランの北東部)人でありカリスマ性の高い人物が率いているからだった。べフラムの他にカラマンとアレッポ(現在のシリア北部)の軍政官も参戦したが敵わなかったとのことで尊師と呼ばれ大変に慕われている様子。勢力は熱心なイスラム教信者のみで構成されている。更にかつて皇帝家の婿フェルハト宰相が赴任して搾取の限りを尽くしたこともあり同じ皇帝家の婿かつ改宗者でもあるイブラヒムに不信感を抱いている。対するイブラヒムは強制徴用(デブシルメ)でイスラム教に改宗した奴隷兵士で構成される歩兵常備軍(イェニチェリ)五千で多勢に無勢。その上いずれにしてもイスラム同胞同士の戦いとなるので血を流すのは最小限にしなければならない。イブラヒムは対抗勢力を内部から崩そうと部族ごとに話を持ち掛けてまわる。マルコチョールはアルミンの父の両替商の店でアルミンへの贈り物を購入し、アルミンが贈り物を身に付けたところを父に見られるよう策をこらす。贈り物を見た父は激怒し、アルミンを家から出さないと言う。我慢が効かなくなったヒュッレムは密かに狩りの館に足を運び、スレイマンとイザベラの様子を観察する。, アルミンが待ち合わせに来なかったためマトラークチュが内密で両替商を訪ね、マルコチョールの身分はスメデレボ軍政官バリ・ベイの息子で将来を約束された高官だと明かす(なお史実では第8代皇帝バヤジト2世の娘ヒューマ皇女との子で、ヒューマ皇女は第10代皇帝スレイマン1世の叔母であることから従弟にあたる)。イスラム教では利息を取る高利貸しは禁忌(ハラム)であるためユダヤ教の者が営むのだがアルミンの家もユダヤ教だった(イスラム教はキリスト、ユダヤ、イスラムのいずれかの信仰者であれば結婚可能だが、ユダヤ教は異教徒との結婚を禁じている)。イザベラの美しさを目の当たりにしたヒュッレムはスンビュルを再度尋問してカスティーリャ王女であると突き止める。イザベラのほうでは囚われた婚約者を案ずるあまり自棄になっていた。狩りの館に火を放ち自殺を謀る。スレイマンは王女を大宰相邸に送り欧州には火事で死んだと連絡が行くよう指示する。反乱勢力の縮小化に成功したイブラヒムは3日以内にペルシャ方面に立ち去るよう尊師に求めるが、命だけは許すという言葉に宗教的な傲慢さを感じ取った尊師は最後まで抵抗する。内情を知るハティジェはわざとヒュッレムとイザベラが遭遇するよう手配する。, ハティジェさえついに共謀に加わったとヒュッレムはミフリマーフにこぼす。なりふり構わなくなったヒュッレムはニギャールに大宰相邸の情報提供を命じる。反乱勢力の各部族長を懐柔で説得してまわり五百勢力まで減らしたイブラヒムは制圧に成功し、帝都イスタンブルに戻る。従弟フリードリヒを投獄されたオーストリア大公フェルディナントはバチカンへ開戦を奏上する。バチカンは大公の兄、神聖ローマ帝国カール5世の支持を取り付けられるのであれば開戦理由になるが、重ねてルターのプロテスタント派であるハンガリーの傀儡王サポヤイが変わらない限り厳しいという。アナトリアから戻ったイブラヒムはギリシャ彫像を不吉として覆いをかけていたハティジェに詰め寄る。目前では初めての喧嘩でニギャールは心中をひた隠しにする。イブラヒムが無事に戻ったことで母后とスレイマンは和解する。母后はオスマン帝国の皇位継承者の兄弟殺しの慣習を心配していた。アナトリア制圧の褒美にイブラヒムの棒旧年額は120万銀貨(アクチェ)から200万銀貨に引き上げられた。慢心したイブラヒムは詩人フィガーニーを告発する。イザベラは修復の済んだ狩りの館に連れ戻されるが、スレイマンは火事で死亡を伝え広めたことと開戦理由にもならなかったことからとうとう王女に手を出す。, スンビュルに頼まれて王女の狩りの館への護送を手伝ったニギャールは、スレイマンが王女に口づけしたことをヒュッレムに報告すべきか思案する。いまは帝都にいるマルコチョールがいずれ高官として地方赴任するまで消息不明にするため、アルミンの父の両替商は家に軟禁していた娘を身内の家に移送するために連れ出したところをふいをつかれて娘を奪われてしまう。マルコチョールはマトラークチュの家にアルミンを匿ってくれるよう頼みこむ。ヒュッレムはイブラヒムが隠蔽しているレオの件を探し出すよう命じるが、ニギャールは狩りの館でのスレイマンの振る舞いを、王女がスレイマンに口づけをしたと事実とは逆のあべこべにして伝える。逆上したヒュッレムはイザベラに宣戦布告する。気の強いイザベラはヒュッレムの挑発に乗ってスレイマンが私に興味を持っているのだと言い返す。スレイマンは大宰相邸の夕食会でレオの名を持ち出す。, 欧州風の暮らしのイブラヒムを高く評価するイザベラが馴れ馴れしくて不愉快だとハティジェはこぼす。一方でイブラヒムは教会で告解をしたいという王女の頼みを聞いて教会へ連れて行く。スレイマンに口づけされたことから(婚約中のイザベラは婚前交渉、婚外恋愛ともに罪になる)悩みを抱えているのも本当のことではあるが、牧師に2人きりの告解室で身分を明かし密かに助けを求める意図を持っていた。またイブラヒムは思いがけず教会で磔の十字架を見かけて己の宗教を鑑み直す。教会の神父はグリッティを呼び出してイザベラの生存を聞く。マトラークチュの家に匿われているアルミンはマルコチョールへの恋心を自覚し始め、結婚するための改宗をも視野に入れ始める。ヒュッレムは散策に出かけた庭園で蛇を見かける。イブラヒムと2人で内密に町へ出たことを知ったハティジェは気持ちに整頓が付かない。イブラヒムが告解へ連れて行ったことを知ったスレイマンは王女を狩りの館に戻し、自ら制作したルビーとエメラルドのネックレスを贈る。アルミンの行方を捜して半狂乱になる両替商はマトラークチュを問いただし、マトラークチュから知ったイブラヒムはマルコチョールを尋問する。製作中だったはずのネックレスが消えたことに気付いたヒュッレムはイザベラの首を飾っているのに気づき不敵な笑みを浮かべる。大宰相邸ではイブラヒムが高熱を出し、ニギャールが甲斐甲斐しく介抱する。ニギャールはヒュッレムがレオの秘密の捜索願いをしてきたと報告をする。, 民間療法を知るニギャールはイブラヒムに吸い玉を施す。親密な行為を見たハティジェはニギャールを宮殿付きに戻す。快復したイブラヒムはマルコチョールに両替商ジョシュアの娘アルミンをいちど父のもとに帰して懐柔するよう命令する。解放されたフリードリヒは神聖ローマ帝国のウィーン宮殿に戻りグリッティと連絡を取る。狩りの館では、神父からの報告を受け生存を知ったグリッティが伝書鳩を使って届けた手紙を侍女カルミナが見つけて喜ぶ。決意を固めたヒュッレムは王女に贈る衣装の製作を早め、庭で見た蛇を贈り物の箱に密かに入れさせる。マヒデブランからカスティーリャ王女の話を聞いた母后はイザベラに興味を持ち、ひとめ見るため宴を開くが狩りの館から断りもなく連れ出したことをスレイマンに知られる。スレイマンとイザベラがテラスに出ている姿を見たヒュッレムはイブラヒムにさえも助けを求める。, スレイマンは母后に「私の判断は帝国のため。王女を後宮の駆け引きに使うな」というが、母后は「国の問題が女人への関心や贈り物で解決するはずはない」と言い返す。両替商の家を訪ねたマルコチョールは、一家がすでに家を引き払っていたことを知る。母后とハティジェに再びイザベラと引き合わされた怒り心頭で、ヒュッレムは母后とハティジェとマヒデブランとギュルフェムの集う茶会(サロン)に勢いに任せ参上し、「ご皇孫を4人も産んで差し上げました。私の誇りを踏みにじって面白いですか?私は不敬者ではありません。私の罪は何ですか?母后の御子スレイマン様を愛したことですか?あとどのくらい罰を受ければいいのでしょう」「私は母后さまも皇女さまも敬愛していました。でもお2人は私を愛してはくれなかった。嫌がらせばかりなさった。マヒデブランの肩を持ってばかりでも敬意を払いました。でも無駄でした。いまだに私は邪魔者のようです」と言い放つ。母后は「千年の伝統の後宮では、いかなる女人も皇帝の支配者や絶対的な伴侶にはなれぬ。さもなくば秩序が崩れ、後宮は保てぬ」と言い返すが、ヒュッレムは「このままのご対応を続けるのでしたら、私は自分と皇子たちを守らねばなりません」とついに宣戦布告をする。翌日、母后はスンビュル、ギュル、ニギャールを呼びつけ職務を再確認させ、ヒュッレムからテラス付きの部屋を取り上げる。ヒュッレムは4人の子供と再び側室の個室に戻る。体調を崩していたイブラヒムは再び高熱に浮かされ、スレイマンはハンガリー遠征から連れ帰ったユダヤ人の侍医ヤセフを呼び寄せる。イザベラはヒュッレムが贈り物の箱に仕込んだ蛇に噛まれる。, スレイマンはイザベラに応急措置をする。ヤセフ師はイブラヒムの容態を見抜いてレスボス島でだけ取れる土を処方し、毒を吸着させ助けた。毒と知ったイブラヒムはヤセフ師に口止めする。母后はヒュッレムから取り上げた部屋をムスタファ皇子に与える。イブラヒムの看病に疲れて授乳したまま寝入ってしまったハティジェは翌朝、冷たくなった我が子を発見する。窒息死させてしまったのだった。ハティジェの絶叫を聞いたニギャールは駆けつけて状況を知り、医女とイブラヒムを呼ぶ。イブラヒムは「私に毒を盛り、息子を殺したのはお前だな」と言うが、ヒュッレムは「自分が命を救った子を殺すわけがない」と言う。血が上ったイブラヒムはレオの日記を持ち出して脅迫する。目を覚ましたハティジェは窒息させてしまったのは自分だと告白する。, ハティジェは夢と現実の間をさまよいながら、夢でニギャールが赤子を抱いているところを見て「もしやイブラヒムに懸想を抱いているから殺したのか」と、ニギャールを責める。イブラヒムを殺しそこねたヒュッレムは占星術師ヤクップを呼び出して叱責する。イザベラは脱出の手引きを密かに整え、スレイマンに「心に決めたことがあって許可をもらいに教会に行きたい」と頼む。スレイマンは今回はイブラヒムではなくマルコチョールに命じて教会に付き添わせる。イザベラは告解室で神父に扮した男から船の用意があると算段を説明されるが、逃亡後に責任を取らされるマルコチョールの身を案じ、決行を思いとどまる。後宮でニギャールに遭遇したヒュッレムは、レオの日記を真剣に探しているのか、と改めて聞き直す。だがイブラヒムに毒が原因だったと知らされたニギャールは筆記帳に思い当たり、ヒュッレムが復讐に燃えているから気を付けるよう警告する。決心したイブラヒムはレオの日記帳を持ってスレイマンの前に奏上しに来る。, ロシア語の日記を読むようスレイマンに命じられたヒュッレムはなるべく当たり障りのない箇所を選んでのろのろと読み上げる。時間稼ぎをしているうちにハティジェが浴場で自殺未遂を起こした知らせがもたらされる。駆けつけるスレイマンとイブラヒム。日記と取り残されたヒュッレムは皇帝の自室から物を持ち出せして小姓たちの前を通れるはずもなく、テラスから中庭に向かって日記を投げる。自室に戻る途中、ニリュフェルに中庭の日記を回収するよう命じるが、すでに日記は誰かに持ち去られた後だった。血眼になって辺りを探しているニリュフェルを見かけたギュルシャーは問いただすが、ニリュフェルは口を割らない。実は日記はギュルシャーが拾っていたが、ロシア語で書かれているため読めないでいた。ハティジェを案じたスレイマンは母后とエディルネ宮へ行って気晴らしをしてくるよう提案する。ヒュッレムはハティジェのもとに現れたイザベラに国外逃亡の手引きを申し出るが、イザベラは迷う。部下にアルミン捜索をさせていたマルコチョールは両替商の家を訪れ、意外にも家に通された。中には寝台に臥せったアルミンの姿があり、娘は悲しみに沈んで病気になってしまった、マルコチョールが最後の頼みの綱だと言われる。マヒデブランはロシア語のできるニギャールを呼び出し、レオの日記を翻訳させようとするが、ニギャールは側女が後宮に辿りつくまでの日記だと嘘をつく。トランシルヴァニアから大使が派遣されてハンガリーのサポヤイがカトリックの王を望む欧州に煩わされていると訴える。, 神聖ローマ帝王カール5世はオーストリア大公フェルディナントにハンガリー王になるよう密書を送る。マルコチョールの思い人アルミンは黒死病(ペスト)だった。稀代の名医ヤセフ師でも治せないという。余命いくばくもない感染症だがマルコチョールは一晩付き添う。ヒュッレムはイザベラ逃亡の計画をギュルに命じる。イブラヒムはニギャールにレオの日記の探索を命じる。翌日マヒデブランの部屋に忍び込み、日記を発見したニギャールはイブラヒムにもヒュッレムにも献上せず庭に埋めてしまう。イブラヒムにはマヒデブランではなくヒュッレムの部屋を探索したと嘘をつく。夜中ハティジェがエディルネ宮に療養しているのをいいことに、ニギャールはイブラヒムの部屋に忍び込み、上掛けをかけ直す振りをしてイブラヒムを誘惑する。一方、トプカプ宮殿にも黒死病患者が出始めていた。ギュルの手引きで小船に乗り沖合に出たイザベラだったが、海上の船で待っていたのはイブラヒムの姿だった。, イザベラはイブラヒムに連れ戻される馬車の中でかくも強大な至高の帝国の世界皇帝の妃になりたくはないかと示唆される。またイブラヒムは関係を持ったことから、隠ぺいのためニギャールを宮殿付きに戻す。黒死病にかかったアルミンとマルコチョールは残り時間が少ないことを思い、結婚することを決意するが、イスラム法による結婚の翌朝にはアルミンは息を引き取っていた。イブラヒムはイザベラ王女の逃亡にギュルが関与したことを理由に責め、ヒュッレムを探るよう二重間諜(スパイ)を命じる。イブラヒムの言葉をひとり反芻するイザベラはスレイマンに祖国カスティーリャに送還させると言われても浮かない顔をする。ニギャールはイブラヒムに送り返された後宮で泣いてばかりで仕事をしなくなったことを理由に良縁を見つけて追放するよう言われる。ハティジェはエディルネへの転地療法から大宰相邸に戻る。, ニギャールはイブラヒムに大宰相邸での仕事から遠ざけられても後宮から追放して結婚を命じるのだけはご勘弁くださいと懇願する。レオの日記を探すギュルシャーはニギャールの部屋で見つかり騒動となる。ハティジェは寝台のそばで女人の持ち物を発見する。イザベラが逃亡に成功したと思い込み、宴を開いていたヒュッレムは母后から叱責を受ける。ダイェはニギャールが何に悩んでいるのか見当がつかずスンビュルに聞くが、スンビュルも理由が分からない。だがダイェは必死にニギャールには失態もないと庇う。ハティジェはニギャールに落とし物を渡して疑惑の目で見つめる。ギュルから相談されたヒュッレムはニギャールを問いただす。イザベラの残留を知ったヒュッレムは再びイザベラを脅すが、勝気なイザベラは逆にヒュッレムに宣戦布告し、後宮に入ることを決意してしまう。, ヒュッレムは母后からイザベラの後宮入りを宣言される。ヒュッレムはスレイマン自身の言質をもとに問いただすが、スレイマンは適切と見なしたとの一言で終わらせる。スレイマンと暮らすと放言し、改宗もしないイザベラに、自分自身、身分の違い、男女の差に悩むニギャールは一笑に付す。身分も宗教も男女の格差の違いも、身の危険さえも超えてニギャールもヒュッレムも愛する人を求めて来たのだった。ニギャールを呼んだヒュッレムは、旧宮殿(エスキサライ)行きを阻止したことを理由にイザベラの排斥に関わるよう命じるが、ニギャールはイザベラの夜伽の準備を遂行する。ミフリマーフに「お母様も王女?」と聞かれたヒュッレムは、母后、マヒデブラン、ダイェの前で皇子や皇女を産んでも奴隷は奴隷のままと答える。「勝つのは私。1人1人、排斥してやる」と言い残す。ニギャールがイザベラを黄金の道へ誘うのを見たヒュッレムは、心配するニギャールに「触るな」と言い放ち、自室でスレイマンの恋文を燃やす。アルミンを失ったマルコチョールはスメデレボ(セルビア)に一時帰郷する。グリッティはサポヤイにはハンガリー王の重責が務まらないと奏上する。ニリュフェルはヒュッレムに命令され、イザベラの馬のあぶみの調整を変え、王女は落馬する。イブラヒムに呼び出されたニギャールは王女の排除を手伝い、ヒュッレムが王女を傷つけた証拠にするよう命じられる。証拠が上がらないよう、黒死病の患者の血を吸った包帯をイザベラの落馬の傷跡に使うよう、ニギャールはヒュッレムに入れ知恵する。, 愛児を失う運命を共にしたとハティジェはギュルフェムに言う。また占星術師ヤクップに会いたいとこぼすハティジェを押しとどめようとするが、ハティジェはヤクップに会いたいとこぼす。故郷に帰ったマルコチョールは幼馴染のサーリハから思いを寄せられるが、マルコチョールは応えることができない。ニギャールは庭でイブラヒムから毒薬を渡される。マトラークチュは「スレイマン帝紀」をしたためていたが、それを知ったイブラヒムは「イブラヒム一代記」も記述するよう命じる。イザベラ排除の決行日、ニリュフェルとギュルの手筈はすでに整っていたが、ニギャールはひとりで筋書きを変え、包帯を燃やす。スンビュルはギュルに命じられた側女, ニギャールからイザベラの生存を知らされたヒュッレムは選択室に赴く。翌朝イザベラの機嫌伺いに現れたスレイマンは姿がないことに気付く。スンビュルやイブラヒムに行方を尋ねるが杳として知れない。ギュルシャーから洗濯室が怪しいと知らされたダイェはニギャールとギュルを伴い、洗濯室の扉を開けようとする。イブラヒムに呼び出されたニギャールは毒殺をヒュッレムに責められたと報告する。イブラヒムはお前のせいで台無しになったと叱りつける。母后がその様子を見ていたとは知らずに、ヒュッレムはミフリマーフに「あいつらは私に挑んだ。苛められたお母様は何をしたでしょう。スレイマンとの間に割り込む者は排除する。イザベラは消えた。次はイブラヒム。そのあとは母后さまよ。マヒデブラン、ムスタファ、全員消えたら私たちの王朝、お前と私とお兄様たちの王朝。宮殿の真の支配者は私たちなの」と言う。母后は「お前があの女を増長させた」と皇帝スレイマンに直接抗議するが取り合われない。スレイマンに呼び出されたヒュッレムは身の程を知らしめられながらも愛と慈悲をも際限なく降り注がれる。ヒュッレムは葬式菓子ヘルバを皆に賄う。それを知った母后は決意を固めた。ニリュフェルもエスマも荷物をまとめ大部屋に戻り、ヒュッレム付きの任を解かれる。イザベラの婚約者フリードリヒはハンガリー王サポヤイの王冠を盗み出し、オーストリア大公フェルディナントのもとに献上する。サポヤイはグリッティを大使に選出する。ギュルを呼び出したハティジェはヤクップに会う手筈を命じる。イザベラはベネチア船でウィーン近くの修道院に向かっていた。帝都イスタンブルに戻ったマルコチョールは小姓頭に任じられる。, ニリュフェルとエスマが任を解かれたことを知ったヒュッレムは母后に子供たちへの嫌がらせだと抗議する。帝都に戻ったマルコチョールはアルミンの墓を訪ね、酒場女のエレニカに通って憂さを晴らす。イブラヒムがアルミンを引き離す真似をしなければアルミンは死ななかったのだった。ギュルシャーはニリュフェルに口論をふっかけるが、2人を見咎めたダイェはヒュッレムから渡されたニリュフェルの短刀を取り上げる。ヒュッレムは愛馬アシュクに餌をやる。その様子を見た母后はダイェに何事かをささやく。ヤクップに会ったハティジェは権力を握れば握るほどイブラヒムの死が近づくと言われる。周りに味方がいないヒュッレムは更に愛馬アシュクを殺されてしまう。嘆き悲しんだヒュッレムは母后のもとにアシュクの命を奪った血塗れた短剣を片手に押しかける。, 「同じ宮殿にいるのはもはや無理」とヒュッレムは母后に短剣を渡す。母后はなおも「奴隷に愛などなく幻想でしかない。お前は皇族に仕え、我々の慈悲と愛にすがる側女に過ぎぬ」と身をわきまえるよう諭す。ヒュッレムは私がただの奴隷であれば躊躇なく命を奪えばいい、皇帝スレイマンからの咎めもないと公算があるのなら――と賭けに出たのだ。間一髪ハティジェが母后の居室に踏み込む。一方スレイマンは近々西欧に進軍する旨を御前会議で告げ、遠征中の帝都の責任者にチョバン宰相、総司令官にはイブラヒムを任じ、書記官ジェラールザーデに任命勅令を記させた。居室に戻ったヒュッレムはニリュフェルとエスマを呼び戻す。泣き腫らした顔をミフリマーフに問われても、憎しみをよすがにマヒデブランがムスタファに恨み言を吹き込んで育てたようになってはいけないと、二度とヒュッレムは娘である皇女に愚痴をこぼさぬよう決心する。ヒュッレムは「もはや睡眠は禁忌(ハラム)。母皇に殺されてしまう」とニリュフェルに漏らす。愛馬が殺されたことを知らされたスレイマンはマルコチョールに犯人捜査を命じる。マルコチョールはスンビュル、ギュル、ニギャールから事情聴取をし、ダイェから凶器である短刀を”鞘付き”で手渡され、ニリュフェルが短刀を持っていたと証言する。ハティジェに余計なことを吹聴したとしてイブラヒムはヤクップを殺害してしまう。ニリュフェルの自白からダイェと母后が裏で糸を引いていたことを知ったマルコチョールは母后から事情を聞きただす。, 母皇ハフサ・アイシェの言い分に気圧されたマルコチョールはニリュフェルの単独犯行であると皇帝スレイマンに報告してしまう。聡いスレイマンは母后と会話を持つが、母后は先回りして「ヒュッレムが私に濡れ衣を着せようとしたと言う。スレイマンは「後宮の平穏が保たれないのなら私が介入する」と牽制する。ニリュフェルは縛り首に処された。母后はメフメトとミフリマーフのもとを訪れるが、誰よりも本質を見抜いていたミフリマーフに「私たちが嫌い? お母様や私達が。私もあんたが嫌いよ」と言う。その頃ヒュッレムは愛憎を共にしたニリュフェルと対面していた。ハティジェはイブラヒムの得意なバイオリンの練習を続けている。ヒュッレムはついに罪をなすりつけ人を殺めた母后に「まだ犠牲が必要ですか? 私を殺せば怨嗟は終わりますか?」と問う。母后は質問には答えず「ミフリマーフをお前は洗脳している」となじるが、その実ヒュッレムはマヒデブランのように恨み言を吹き込んではいないのだった。腹立ちのあまり「子を取り上げ二度と会えないようにしてやる」と言い残して去る。1529年5月、スレイマンはブダとウィーンを主眼に遠征に赴く。ヒュッレムは孤立無援、敵にとっては排斥する千載一遇の好機であることを見抜いていたスレイマンは、遠征の別れの挨拶時に「後宮をお願いする。特にヒュッレムを」と母后に言い残す。ハンガリーはブダ王宮ではオーストリア大公フェルディナントに戴冠式が行われる。8月モハーチ平原にてオスマン帝国は大勝をあげる。神聖ローマ帝国ウィーンではフェルディナントの従兄弟フリードリヒが援軍要請を受理していた。その代わりにルター派(プロテスタント)への態度の軟化を要求する。ヒュッレムはマヒデブランが善行を積み、犠牲祭にて臣民に施しを行い、感謝の祈りが捧げられていることを知る。ヒュッレムも一番の善行であるメッカやカーバ神殿への祈りを母后に願い出るが、神殿のイスラム神官から奴隷が善行を積むなどと却下されてしまう。イブラヒムとニギャールの関係を知らぬハティジェはニギャールを大宰相邸付きへ戻す。マヒデブランは「ヒュッレムの子と仲良くしないで」とムスタファを諌める。ニギャールは異動前にレオの手記を掘り起こすが、ギュルシャーに奪われ、母后の手に渡り、ヒュッレムは詰問される。, ヒュッレムはイブラヒムがレオを毒殺した事実を伝える。何よりも常にハティジェを心配をする母后は呼吸が荒くなり、ついには倒れてしまう。スレイマンはウィーンを包囲する。ハティジェはヒュッレムにとうとう「母上に何かあったら容赦しないから」と宣戦布告するが、自らの行く末の心配ばかりしているマヒデブランを目の当たりにして辟易もする。ヒュッレムは考えを巡らせ、ダイェにスレイマンから下賜された農場の取引を持ちかける。昏睡状態だった母后はムスタファを前に目を覚まし、ヒュッレムを呼び寄せる。再び直接対決となったが、ヒュッレムは「至高の存在であるスレイマン皇帝の公正さと良心と愛に頼る」と返答する。一方ダイェに問われたニギャールは「お妃様に数々の所業はあれど、すべての行動は陛下への愛ゆえです。あれほどの愛と情熱が裏切りになるでしょうか。私は目撃者であり生き証人。コーラン(キリスト教の経典)に誓って無実です」と回答する。母后の居室に戻ったダイェはヒュッレム追放を命じられる。, マヒデブランは回復した母后のもとに入り浸りである。お互いに子を守るために、と主張するマヒデブランとヒュッレムだが、「皇子たちを何から守ると言うの? 皇統は私の家族なのよ、母たるお前が守る必要なんてない」と主張するハティジェとは裏腹に、母后はマヒデブランに「お前たち親子を見捨てはせぬ」と言質を与える。宮殿を去る前に母后と2人きりで会話する機会を得たヒュッレムは、ダイェとの取引に成功し、手帳を入手していた。勝ち誇ったように母后の前で燃やして見せる。皇帝スレイマンは冬季のウィーン包囲から帰郷を決心する。ニギャールは帝都に戻ったイブラヒムとハティジェの幸せを目の当たりにした上、イブラヒムから「一夜のあだ情けなど忘れてしまえ」と言われる。ヒュッレムは皇帝不在中にメッカやメディナに慈善事業を施そうとしたが長老イブニ・ケマルに拒絶された話をする。聖なる使命のためとしてスレイマンはヒュッレムの身分解放を宣言する。母后から身分解放を反対されヒュッレムを悪し様に言うのを耳にしたスレイマンは、「私の4人の子の母親だ」と突っぱねる。ヒュッレムは後宮に祝いの菓子を配る。イブラヒムは開いた口が塞がらない。ニギャールは自殺を図る。ヒュッレムは夜伽に応じず、もはや奴隷の身ではないので婚姻関係にない男性と寝ることはできず、「結婚しないと同衾できない。でないと不義の大罪になるから」とイスラムの掟を持ち出す。, イブラヒムはハティジェにニギャールの自殺未遂時の遺書を見せないよう奮闘する。母后はヒュッレムに「正当で適切な振る舞いです。立派だわ」と言いながら、ヒュッレムの再度の追放を決定した。行き先はベイコズで離宮ですらなく、皇子メフメトはトプカプ宮殿に留め置き、皇帝になる可能性のない皇女ミフリマーフのみ連行を許す、と。ヒュッレムはスレイマンに直談判するも「私の忍耐を試すな」と言われてしまう。マヒデブランが夜伽に指名されたと知ったヒュッレムは、皇帝の指輪を返上して手紙をマルコチョールに託す。帰り道に夜伽に上がるマヒデブランとかち合ったヒュッレムは何事かを耳元に囁く。泣き叫ぶ幼い皇子たちを後にヒュッレムはミフリマーフと旅立つ。, ハティジェは懐妊する。マルコチョールはエレニカの酒場にマトラ―クチュと共に訪れる。ミフリマーフが冷えから熱を出し、スレイマンが見舞いに来る。「私は公正でありたい。無垢な子の小さな心を傷つけたくない。己と家族にどこまで公正でいられるか?」と逡巡しながらも館を発つ。皇族の正式な結婚が成立すれば百年来の伝統を破ることになるためだ。一方、阻止するため母后はイブラヒムに共謀を持ちかける。イブラヒムはマトラークチュの酒場通いを注意し、ニギャールと結婚して身を固めるよう命令する。真夜中に宮殿へ戻るよう伝え聞いたヒュッレムは喜び勇んで馬車へ乗り込むが、森の中で襲撃に遭う。母后にヒュッレム殺害の罪を着せたくないダイェの機転により、事前にマルコチョールを動かしており、間一髪、ヒュッレムは難を逃れる。ダイェは後宮に着いた日にニギャールから聞いた「皇帝に寵愛されて子を産めば世界すら支配できる」と聞いたというヒュッレムの決心を知り、もはや後宮だけではない先を見据えるヒュッレムの愛と覚悟を知っていたのだった。, 知らせを聞いて現場に駆けつけたスレイマンは「我が家族の話だぞ。妃を見つけろ! さもなくば全員処刑だ!」と激怒する。スンビュルが母后に経過報告をするが、母后は命を下していないダイェの行動を知る。マルコチョールは鬼気迫る表情で襲撃者の残党の尋問に当たる。ヒュッレム死亡の誤報を聞いたギュルは卒倒する。イブラヒムは暗殺失敗の報を受けて動転しながらも「山賊のしわざ」「谷があるのでお妃様はもう…」とスレイマンに吹き込むが取り合われない。夜を徹しての捜索の末、スレイマンはヒュッレムを発見する。後宮に運び込まれたヒュッレムの姿を見て、イブラヒム、母后、マヒデブラン、ハティジェは運命を悟ったかのような表情を浮かべる。イブラヒムは共謀の痕跡を消す事後処理に奔走する。疑念が芽生え始めたスレイマンはイブラヒムにも内密にアヤス宰相に真相解明を命じる。一連の騒動を受けてスレイマンはある決心をする。, 1530年6月、ムスタファとメフメトの割礼式が大々的に祝われる。母后はスレイマンの寝所に側女を送り込むが送り返される。ヒュッレムは祝典中に斧槍持ちのペルチェムを通して弓兵がイブラヒムを狙うように画策するが、ハティジェの身内を失う嘆きを目の当たりにし、寸でのところで中止させる。イブラヒムによって左遷された元アナトリア軍政官ベフラム宰相はアヤス宰相に「割礼にしては盛大すぎる」と漏らす。スレイマンはイスラムの長老イブニ・ケマルに何事かを相談し、名代にイブラヒムを据えて祝典を抜け出し、ヒュッレムを呼び出す。スレイマンに誘われて着いた部屋の中には長老がおり、スンビュルを代理人とし、婚姻の儀式を執り行っていた。, 割礼式のために母后の居室に集まっていた皇族一同にむかってスレイマンはヒュッレムとの婚姻を報告する。「お前は私を殺す気か」となじり、母后は気を失う。祝典の中イブラヒムは矢を背中に射られる。ヒュッレムが斧槍持ちペルチェムを通して雇った傭兵ではなく、その残していった所有者不明の弓を使って別の者がが兵に扮して企てたものだった。イブラヒムにはヒュッレム以外にも政敵の存在することが明白になる。またイブラヒムは庭に偶像崇拝となる彫像を置き、西洋風の暮らしをしている悪評が市中にも知れ渡っているため犯人探しは容易にはいかないだろうと踏み、懐妊中のハティジェの心痛を思い、事件を知る皆に口止めをする。ミフリマーフは母が花嫁になったことを知り、自分もマルコチョールと結婚したいと幼い頼みを口にする。気を取り戻した母后は「もはや安眠は禁忌(ハラム)となった」と嘆く。マヒデブランもまた嘆き悲しみのあまりギュルフェムに失言するが、ギュルフェムは「私の苦しみは神のみご存知よ」と言い残して去る。母后とダイェとスンビュルのやり取りにより、スンビュルは故意に陛下の命として結婚式の証人代理人になることを事前に母后に知らせなかったことが分かる。「私だって命が惜しい、風向きが変わったのでヒュッレム妃との関係を保たなければ」と言う。スレイマンとヒュッレムが初夜を迎える一方、イブラヒムは矢に塗られていた毒が全身にまわり混濁状態となる。, 自分が嫌疑をかけられると悟ったヒュッレムはダイェを呼び、「母后の仕業ではないの? 私に疑いをかけるために」という発言をわざと聞かせ、「権力も地位もほしいままの大宰相イブラヒムには味方と同じくらい敵の数もあるでしょう」と言わしめる。着想を得たヒュッレムは何事かを考え込む。アヤス宰相はベフラム宰相と後で密談するよう合意を取り付けていたが、マルコチョールの手前だったため追い返される。港から脱出しようと企てていた兄弟が捉えられ、マルコチョールの尋問を受け、アヤス宰相の名で命を狙ったことを自白する。スレイマンは医師長ヤセフに地下洞窟にあるという万病に効く温泉でイブラヒムを静養させることを提案する。マルコチョールはスレイマンにアヤス宰相の命であったことを報告するが、罪を着せるための計略かもしれないとの進言もする。イブラヒムに次ぐ地位に就くアヤス宰相はイブラヒム自身が抜擢して据えた者だからだ。スレイマンが自ら尋問に向かうと既に牢獄の中で射手は双方とも絶命していた。衛兵を問いただすと、上官である伝令長が受け取った封蝋印のあるスレイマンの勅令のためだという。アヤス宰相に鎌をかけるが乗って来ない。ヒュッレムはダイェに聖地の慈善事業について意見を求め、水路の建設がいいとの返答を得る。母后の祖国クリミア・ハンから書簡が届き、跡目争いが始まったことが奏上される。母后は姪にあたる, スンビュルはニギャールが懸命にイブラヒムを看病する様子から特別な想いを抱いていると悟る。母后の居室に罠とも知らず呼び寄せられたヒュッレムだったが、蝋燭台の反射により物陰にスレイマンが立って傍聴していることに気付く。尋問から逃れダイェと話してダイェが必死に目配せしていたことを知る。「何という憎悪を。孫の母親に無実の罪を着せようとは母上らしくもない」と、母后は窮地に立たされる。必死の思いでイブラヒムが証人であると名を上げるが、もはや母后とイブラヒムの旗色が鮮明になるばかりだった。心痛のあまり発狂しかけているハティジェは庭の彫像に関する恐ろしい夢を見る。スレイマンはアヤス宰相に問いただすが、次に謁見したベフラム宰相に疑いを抱き始め、マルコチョールに調査を命じる。動かない彫像のようになったハティジェにヒュッレムは声をかける。愛する者を失った自分が生きる力を取り戻したのは子を腕に抱いたときであり、懐妊中のハティジェももうすぐ母になるのだからしっかりしなさい、と。その様子を見たスレイマンと母后は思わず踏み込むことに躊躇いを見せる。一方ニギャールは「私の絶望的な愛をご存知ないのね。離れるのは死よりつらい」とイブラヒムにつぶやいていた。それを聞き、次第に活力を取り戻す。スンビュルからニギャールの恋の報告を受けたダイェは胸に秘める。ニギャールの結婚が急かれる中、母后は結婚後も通いの教育係としての職を約束する。ベフラム宰相がエレニカの酒場に通っていることを知ったマルコチョールは秘密調査を依頼する。, マルコチョールはアイビゲの登殿のため迎えに行く。山伏の一族の生まれで山賊のようなマルコチョールとまるで女海賊のようなアイビゲの邂逅はいたずらに満ちたものだった。ニギャールの結婚前夜、スンビュル、ギュル、料理長シェケルは連れ立ってエレニカの酒場へ繰り出す。混み合う中でマルコチョールと来ていたマトラークチュの姿を発見し、あわやのところをスンビュルが取りなす。祝賀ムードに誘われて茶目っ気を出したアイビゲは宴の隅に押しやられていたヒュッレムに自ら近づき興味を引かれたように殊更親しげに挨拶を交わす。そこへ赤い婚礼衣装のニギャールが到着し、手のひらに染め粉ヘナを塗り金貨を握らせる儀式が始まる。アヤスとベフラムを伴い、当日の朝イブラヒムは市中の繁華街を練り歩き、敵味方に健在であることを知らしめていた。ロクム売りが威勢よく声をかけて味見を願い出るが実は毒の混ぜられたロクムをまずは自ら口にするべきとベフラムが主張する。結果ロクム売りは罪人と露見するのだが最初の手筈ではベフラムが雇った男だったのだが、恩を売り被疑を避けようとしたベフラムの画策なのだった。結婚を嫌がるニギャールにダイェは「家族を持ち、子を胸に抱くのよ。ここに残っても人生の無駄。若さと美貌がどれだけ貴重か。私のように孤独な年寄りになりたい?」と自らの胸中を露呈させるがごとく諭す。結婚行列の前に居並ぶ一同。ヒュッレムは居丈高に冠を被って現れるが、まるで女性版のトルコ帽のように大きく高く薄張りの絹で作らせたものだった。順列もハティジェの次と決め込んで割り込む。ヒュッレムは「私を公正な正義の目で見てください。それさえあれば満足です。過去は水に流します」と母后にひざまずくが顧みられない。夜マトラークチュの家に着いたニギャールは驚きの展開を迎える。, マヒデブランは母后に手を打ってくださらないなら自分でヒュッレムとのことを解決すると啖呵を切る。ハティジェのお産が始まったがイブラヒムは不在である。マトラークチュに頼んで初夜を迎える前にニギャールを離縁するよう手を回していたのだ。結婚当日の夜もエレニカの酒場に通っている姿が多数目撃される。ハティジェの子は双子だった。アザーン(イスラム礼拝を呼びかける放送)と共に朝が明けスレイマンが名付けに来る。ベフラムは何やら高位の男と内緒話をしている。いわく「御前会議に潜り込め」との命令が下される。既にイブラヒムの秘密の恋を弱みとして握っているベフラムは請け合う。怒り心頭のマヒデブランはスレイマンの寝所に規則を無視して上がり込み、身分を解放するよう懇願する却下される。泣き腫らすマヒデブランを見たムスタファは制止も聞かず単身スレイマンの前に躍り出て、母とエディルネ宮殿へ行く意志を伝える。もはや風向きが変わったことをダイェ同様に認めつつあるスンビュルが経過をヒュッレムに報告する。立派に成長したムスタファにむしろ誇らし気なスレイマンだった。, 皇帝の寵に関しては誰の目にも勝敗が明らかだった。後継者争いに関してはこれから戦いが始まったばかり。時が来たら必ず呼び戻す、と母后がマヒデブランに言葉を下賜し、有力な後継者と見做されている第一皇子ムスタファと共にエディルネ宮へと発った。アイビゲとマルコチョールは中庭で乗馬をする。赤ひげ(バルバロス)の異名を持つ, ベフラムはスレイマンに奏上する直前でイブラヒムに邪魔される。しかし機転を利かせ奏上しない代わりの条件を飲んだものとして発言を変え望み通り御前会議に参加する資格を得る。イブラヒムは犯人を知るマルコチョールにもスレイマンと同様に今はまだベフラムを泳がせて黒幕を引きずり出そうとしているだけだと辛くも説明し、ニギャールの件で脅迫されたことを伏せる。ヒュッレムはダイェを呼び、母后の意図を聞き出す。母后はファトマとスンビュルを使い、ヒュッレム派を除いた側女の月額50アクチェ昇給を決行する。フィダンを筆頭に俸給が足りないことに不満を持つ側女たちはヒュッレムに直談判するが、派閥の対立構造が明白になっていく。イブラヒムは隠れ家の登記簿を取り返しベフラムを殺害する。大宰相職の罷免になりかねないスキャンダルを阻止するべく大胆な一手に出たイブラヒムの形相は一変しており、自らの手を血に染め自己中心的にまみれた権力欲と残虐性を次第に顕にしていく。イスラム教ではニギャールとの不義密通のような人徳を失った振る舞いは大変不名誉なことである。エレニカの酒場は死屍累々の有様だった。給料日当日、約束された50アクチェの昇給はなかった。母后は一度約束したにも関わらず翻したのだが、ファトマが扇動する側女たちはヒュッレムが邪魔したのだと不満を持つ。もはやヒュッレム憎しのため側女たちによる騒動を諌めもせず後宮の安寧を脅かした張本人となった母后をダイェは複雑な顔で眺めやる。マルコチョールから報告を受けたスレイマンは即座にイブラヒムを呼びつけるが、イブラヒムは黒幕に消されたのだと主張する。グリッティからアヤス宰相へとブダが包囲された旨の報告があり緊急会議となる。ヒュッレムは味方分に昇給分の補填を進み出る。母后以上の良心と規則の塊であるダイェは「本来であれば後宮追放相当の厳罰よ」と側女たちに言い含める。, 1532年3月、スレイマンは前回の冬季のウィーン包囲の反省から春を待ちブダ奪還の遠征を決行すべく、また今回の遠征にはムスタファを伴うため入隊式の手筈を整えていた。ヒュッレムは第五子, 疑心暗鬼になったヒュッレムは竜の夢を見る。後宮は母后派、マヒデブランの後宮派、ヒュッレム派に分かれていた。ヒュッレムは子守のエスマとナズル、大部屋のヒュッレム派を掌握するフィダンの他に、ギュルに命じて身辺警護に当たらせる側女を増やして警戒する。新入りのノラのような娘たちに「奉仕よりも忠誠を求める」と言い渡し組織する。スレイマンは再三和平交渉の使節を受けるがことごとく無視し、提案は戦場で吟味するものとする。母后は自分側につくようフィダンに命ずる。ヒュッレムは大部屋で側女の1人ラーレザールと言い争いになり「舌を引っこ抜くわよ」と言うが、その夜ラーレザールはフィダンから呼び出され舌を切られてしまう。だが話せないために犯人を伝えられることはなく、伝えたとしてもフィダンが元ヒュッレム派の側女であることは周知の事実なのだった。たまたま登殿していたニギャールやスンビュルも不可解な顔をする。ハティジェは側女の制圧のために「お前たちの前にいるのは皇帝の正妻で皇子たちの母よ。生意気を言うなら全員追放する」と叱責する。遠征中はスレイマンの介入もなく見せかけの和解をかなぐり捨ててついに母后とヒュッレムは直接舌戦を繰り広げる。もとより心配性のハティジェを煩わせることもないが、もはや母后は計略にダイェを通すことはない。思い余ったダイェは口を開きかけるが母后はフィダンへの処罰を命じた。腹心の側女を失ったヒュッレムは片翼をもがれた形となる。, 包囲戦を展開し20ばかりの城を次々と陥落させていくオスマン帝国軍に対し、モハーチ平原の戦いの苦渋からカール5世は正面衝突を避けようとする。もはや和平交渉は望めないのだった。後宮も同様に対立が深まっていく。クリミア・ハン位を巡り実兄と係争していたカザン・ハンの国王でありアイビゲの父サーヒブからのタタール兵3万の援軍を得て勢いを増す。ヒュッレムは命の危険を感じて自室に閉じこもっている。怯えながら毒見役を務めるナズルをニギャールもノラも複雑な顔で見やる。フィダンを失い、大部屋での求心力を失ったヒュッレム派の残りの側女たちが50アクチェの昇給分の盗難に遭う。母后派に詰め寄ったところでダイェが盗まれた給金の捜査に当たる。ニギャールもダイェにヒュッレムを陥れる計略であることを忠告する。果たして給金はムスタファの夜伽を務めたエリフの寝具から発見され追放処分が言い渡された。ギュルは洗濯室に閉じ込められる。ニギャールはマヒデブランの部屋に引き止められる。ヒュッレムの子供たちは母后の居室に呼ばれる。様子がおかしいことを察知したアイビゲはダイェに助けを求める。エリフが焼身自殺を図るとファトマが先導し騒ぎが大きくなっていく。斧槍持ちを呼びに行ったダイェは宮殿の外に足止めされる。アイビゲもついに数で押され捉えられてしまう。ヒュッレムの部屋の前で最後の攻防がなされるが、ノラはヒュッレムを振り返って不思議な笑みを浮かべる。ファトマは容赦なく燃え盛るトーチをヒュッレムの顔に近づけた。, ヒュッレムは辛くも難を逃れハティジェの大宰相邸に匿ってもらう。戦場のスレイマンにダイェの連名で手紙を認めるもイブラヒムに握り潰される。顔に大火傷を負いニギャールに手当てを受けるが回復を待たずエスマとナズルを連れ子供たちを案じ後宮へと舞い戻り「私は回復するごとに強くなる」と宣言する。ダイェの裏切りを詰問する母后だが、ダイェは「後宮の平和と秩序を保つのが私の職務。ヒュッレム妃は陛下の正妻。今回の残虐さに沈黙はできません」と返答する。母后が公正さを失ったことから少しずつ乖離が始まっていたのだ。ヒュッレムはフィダンに裏切られたことを忘れられずノラに関与の疑いを持ち叱責する。風見鶏のスンビュルはダイェの降格により昇進を期待するが、母后付き女官長兼後宮出納官はマヒデブランの腹心ギュルシャーに任命され落胆しアラビア語で何事かをつぶやく。ギュルシャーはヒュッレム派から袂を分かったノラに近づく。季節が巡りスレイマンが帰還した。出迎えの挨拶にヒュッレムの姿がない。気丈な筈のヒュッレムは輝くばかりの美貌に傷をつけられてスレイマンの目前で泣き落として見せる。スレイマンは母后に不興も顕に40年来の腹心ダイェからとの関係も失ったと言及し、ムスタファはマヒデブランに陰謀に加担せぬよう諭す。戦勝の花火が上がる中アイビゲはムスタファと会話を交わす。, ノラはムスタファの部屋の掃除を命じられたと言い繕ってエリフを失った心に入り込む。戦場で負傷したムスタファのためにマヒデブランは宴を開く。次第に無能で理不尽で横柄なギュルシャーの振る舞いが目立ち始める。スレイマンはイブラヒムに対し「私に隠し事を持っても強くなれぬ。お前はむしろ臆病になる。何の権限で私に隠した?目的は事実の隠蔽か?」ときつく叱責する。形ばかりでも歩み寄りを見せることが得策と母后の説得に当たり、晩餐会が開かれるが母后は態度を隠さない。スレイマンは静かに「決して変わらない強い意志を持つ人間もいる。変えようとすればややこしくなるだけだ」と諦念を表す。ノラはムスタファに見初められる。夜半過ぎ人目に付かない廊下でヒュッレムはノラに命令する。火事による叱責から疎遠になったものと見せかけてムスタファの懐に送り込んでいたのだった。ダイェはギュルシャーから辛い目に遭わされる。理由はしかも業突張りで利己的なものだった。ニギャールは思わず「恥知らずな。母親程もの年齢の女性を」と声を荒らげる。ニギャールを突き飛ばしたギュルシャーを思わずダイェは平手打ちしてしまう。追放の罪を言い渡される。処遇を聞いたヒュッレムはギュルシャーに「ネズミのような顔」と暴言を吐き、マヒデブランに「いつかムスタファの足枷せになるのはお前自身」と挑発する。頭に血が上り手を上げたところをスレイマンに制止され、ヒュッレムに謝罪するよう言い渡される。スレイマンは後宮に自ら介入すると請け合う。, 泣いて自室に戻ったマヒデブランを見てムスタファはスレイマンのところへ押しかけ詰め寄る。ほとんどスレイマン自身への侮辱とも取れるヒュッレムへの不当な言及に「世界帝国は女の涙などで統治はされぬ」とスレイマンは激高するが、ムスタファは反抗の態度を崩さない。マヒデブランにも釈明せず1人自室に戻るが寝台にはヒュッレムの差し向けたノラが純真無垢な眠りを貪っていた。スレイマンは約束を違えずダイェを元の役職へ戻し、追放の命令を下した母后の決定を覆す。ギュルシャーは母后付き専従に留め置かれた。ムスタファはノラと朝まで過ごし大切なイスラム教の金曜礼拝にも欠席する意を示す。金曜礼拝は皆でモスクに行き全イスラムの民が同時刻同方向(聖地の方角)へ向かって祈りを捧げる合同礼拝であり、欠席は必ず皇族や御前会議の居並ぶ閣僚の面々など皆の知るところになる。それを父親への抗議から欠席するなどと唯一神アッラーへの不敬の態度を恐れ多くも盾にした上で父親への反発を表す方法で紛うことなき神と皇帝への不遜であり、あってはならないことなのだった。マヒデブランは母后、イブラヒム、ハティジェに相談し、イブラヒムはスレイマンに対してムスタファを擁護する。アイビゲとマルコチョールは夜更けに2人きりで話す。, マトラークチュはニギャールとの偽装結婚の夜から連日酒場で目撃されている。ハティジェもイブラヒムに連日帰りが遅い理由を問う。ノラはムスタファに毎夜召される。ヒュッレムの信仰告白の勧めにより改宗の意があることをムスタファに伝えムスリムの名をエフスンと賜る。マルコチョールはマトラークチュの秘密に勘付き始める。朝になり一刻の猶予もないイブラヒムはムスタファの自室に乗り込み、ノラと共に御寝しているところに踏み込み諭す。チョバン宰相とアヤス宰相が噂する中、イブラヒムに伴われたムスタファが到着する。マトラークチュは自宅の軒先に水牛の角が吊るされているのを発見する。寝取られ男と不義密通女が住む家を意味する象徴だった。後宮出納官の地位に返り咲いたダイェは大部屋にファトマとフィダンが戻っていることを発見する。皇帝妃に火を架けた罪で斬首及びラーレザールの舌を切った罪で追放の厳罰を受けて本来では決して戻れない筈なのだった。ファトマはマヒデブラン付き、フィダンはニギャールに変わる女官となる。アイビゲの帰国が決定する。アイビゲはマルコチョールとの別れの夜に初めて美しく女らしく装った姿を見せる。底なしの優しさと激情ゆえにエフスンという一介の1人の奴隷女に入れあげる姿を目の当たりにしたマヒデブランは母后と相談してアイビゲをムスタファの正妻として迎える意を固める。, マルコチョールと想いが通じ合ったのもつかの間、アイビゲは母后からムスタファとの結婚を言い渡される。ムスタファも同様に乗り気ではない様子。イブラヒムが痛みの進む異教の神々の彫像を修復させていたかと思えば今度は自分の彫像を作らせるという。ハティジェはイスラム大帝国の皇女として生まれた矜持を賭してイブラヒムに抗議して口論となる。アイビゲから相談されたヒュッレムはムスタファにクリミア・ハン国の血縁を作ってはならないとしてアイビゲとマルコチョールの恋心に訴えかけ、エフスンがムスタファの心を捉え続けるよう援護する。市中の噂の的となり忍耐の尽きたマトラークチュからハティジェはニギャールが離縁されていたことを聞き、ダイェに事情を尋ねる。おませに成長したミフリマーフはマルコチョールとの結婚を夢見るようになる。母后はエフスンを旧宮殿(エスキサライ)に異動するよう命じる。ダイェはあらゆる苦悩や悲しみに効くという宝石メノウをニギャールに握らせる。ムスタファの縁組について聞き及んだスレイマンは久々に母后を訪れて祝福する。母后も久々に気を良くしてスレイマンにムスタファの年齢頃に起こったことを思い起こさせる。実の息子に毒殺用の長衣(カフタン)を送ったことを。スレイマンは「アイビゲとムスタファの同意がなくば結婚を許可しない」と言い残して去る。, マヒデブランとファトマが連れ立っているところにヒュッレムは「その女は私を殺そうとした。残念な方ね。あんたが黒幕だと思われかねないわよ」と嫌味を言う。ノラを追放したマヒデブランはファトマに夜伽の準備をさせるが、エフスンを呼んだつもりのムスタファは取り合わず、エフスンがエスキサライに追放されたことを知るとマヒデブランの自室に乗り込み、連れ戻すよう命令して取り戻す。ヒュッレムから庭の彫像の件を聞いたスレイマンは大宰相邸を訪れる。離縁されたニギャールの一人住まいを訪ねたダイェはイブラヒムとの密会現場を見てしまう。エフスンが第二のヒュッレムのようにムスタファの心を捉え縁談を断るのではないかと心配したマヒデブランはイブラヒムに相談するが、男女の仲の理の無さを自身も知るイブラヒムは複雑な表情を浮かべる。斧槍持ちペルチェムはヒュッレムの命でフィダンとファトマを人気のない部屋に閉じ込め顔を火で焼く。マルコチョールがエレニカの酒場へ行っていたことを知ったアイビゲは敬意を見せろと言い勢い余ってムスタファとの婚約を承諾してしまう。イブラヒムがムスタファと会っているところをバルコニーから見やったスレイマンは、かつてイブラヒムが彫像に向かい「帝都の海を抱く7つの丘で、3つの大陸で、臣民は我が彫像の前に跪く」と一人ごちていた日のことを思い返していた。ダイェは翌朝参内してきたニギャールを破廉恥と叱責する。スレイマンはイブラヒムを呼びつけ運ばせた彫像の首を前に激怒する。, イブラヒムは国璽(こくじ)を返上し約束は全て辞す覚悟を見せる。イブラヒムはニギャールに一言も漏らさず大宰相邸を後にする。御前会議はしばらくアヤス宰相が預かることとなった。ハティジェは気も狂わんばかりとなる。自室に戻ったマヒデブランは暗がりの中に顔を焼け爛れさせた異形のファトマの姿を見つける。同様のフィダンを発見したダイェは問い質すが「火遊びがどれほど危険か身に沁みたはず」と突き放す。不義密通の事情を知ったダイェは更にニギャールを宮殿詰めに戻し自宅へ帰らせない措置とした。ハティジェはスレイマンがイブラヒムの首を取る夢を見るが正夢に近く彫像の首が切り取られているのだった。夢うつつの境が分からなくなったハティジェはスレイマンのもとに押しかけて騒動を起こす。一連の騒ぎを見ていたスンビュルはイブラヒムが斬首刑に処されたと勘違いして側女の大部屋で一同を前に発表してしまい、ニギャールは卒倒する。イブラヒムは人質同然にオスマン帝国内に邸宅を与えられて生活している双子の兄ニコと父のいるゲイックリ館に到着する。, イブラヒムの帝都不在に反体制側は動き出す。アヤス宰相に接触してかつてベフラム宰相の黒幕として暗躍した人物だ。アヤス宰相は慎重に返答する。ハティジェはスレイマンから明日の婚約式に出席しなければイブラヒムの首が本当に危ないことを聞きつけると必死の形相でムスタファに捜索を依頼する。ムスタファの身辺情報を探るため潜り込ませているエフスンからヒュッレムは報告を受ける。ミフリマーフは妃の王冠を身に着けて遊戯に興じて落として壊してしまうが、隠し事を持つ才覚のあるところを見せる。ハティジェは有力な皇位継承者であるムスタファを勝手に1人で派遣したことで初めて母后とマヒデブランから叱責を受けるがイブラヒムの命が最優先と言ってのける。マトラークチュと館に到着したムスタファはイブラヒムを連れ戻すと宣言する。ミフリマーフは罪をナズルに被せる。ムスタファの夜伽を務める寸前でエフスンに出し抜かれヒュッレムに顔を焼かれて復讐の憎悪に身を焦がすファトマはエフスンがギュルの指示を仰いでいるところを目撃する。, イブラヒムがムスタファの婚約式を途中退席したことを知ったスレイマンは斧槍持ちに命じて地下牢に連行する。ファトマはフィダンを通してマヒデブランを探すが直後ギュルに捕らえられる。危機一髪ギュルはファトマの口止めに成功する。スレイマンはかつて斬首刑に処した婿を持つ、血を分けた実妹ベイハンの言葉を思い返していた。母后に相談するも「お前がイブラヒムもヒュッレムも作り出したの。一介の小姓を大宰相に抜擢して、奴隷の側女を皇帝妃に」と言われる。地下牢の中でイブラヒムは叶わぬ夢を見るが結末は絞殺というものだった。「お前を地獄へ誘う墓は森の中ではない。私の手の中にある。これは報奨であり罰である」とスレイマンは告げる。手のひらの上には返却した筈の国璽が鎮座していた。イブラヒムの帰宅を安堵と悲哀のない混ぜになった表情で迎える一同。母后は顔色が冴えない。王冠の真実を知るメフメトは罰を受けているナズルを同情の目で見つめる。ミフリマーフは機智を働かせてマルコチョールと中庭を散策する機会を得る。ヒュッレムをも出し抜く才覚を見せるミフリマーフ。「いい子ね。いつも兄弟を守ってね」と褒める言葉までもらう。口止めされ困り果てたファトマはニギャールを頼る。偶然浴場に来たギュルシャーとまたも嫌味の応酬といった因縁のやり合いが始まり「お前なんか男に手も握られない。ミイラ化した処女として死んでいく」と侮蔑する。ヒュッレムに再度凄まれたファトマは懲りずについにギュルシャーに告げ口を決意する。, ギュルシャーから聞いたマヒデブランは激怒してエフスンをムスタファの部屋から引きずり出し、ヒュッレムに突き出す。ギュルはファトマに更なる脅迫で牽制する。ヒュッレムはミフリマーフの中庭散歩にアイビゲが同行するよう差し向ける。そこにはマルコチョールがいるのだった。マヒデブランからエフスンの正体を聞いてもムスタファはにわかに信じない。ムスタファはエフスンとマヒデブランを信じるが、告げ口をしたファトマに嘘があるとする。食い下がるマヒデブランだったが聞き入れられない。イスラムの宗派に理解がない筈のイブラヒムは不在時にアヤス宰相が決裁した決定事項を覆した上に事もあろうに愚弄する。一度与えた助成金を取り上げれば不満も出る。反イブラヒム派の黒幕が代わって助成金を渡す。アヤスはスレイマンに確認を求めたところをイブラヒムに見咎められ叱責を受ける。イブラヒムを取り戻したハティジェだったが他に愛する女の影があることを感じ取っている。マヒデブランの表立って無礼な中傷に堪忍袋の尾が切れたヒュッレムは怒号を上げてしまうが、ムスタファが聞き咎めていて割って入る。「私の少年時代は母の涙の中にありました。母から離れてください。私を敵にまわしたいですか?」「私は世界皇帝の長男。この部屋の誰よりも高位かつ高貴な者です」とヒュッレムに宣戦布告してしまう。屈辱に目の縁を赤らめるヒュッレムだったが、おとなしく従う。ミフリマーフはいまだ幼少の過渡期でありながら生来の賢さ鋭さと女の勘でアイビゲの想い人がマルコチョールであることを見抜く。庭先に彫像を置いた大宰相亭の前に助成金の決定の転覆の説明を求めてムスリムが詰め掛ける。ヒュッレムから事情を聞いたスレイマンはムスタファを呼びつけ言い分を聞くがヒュッレムに謝罪を要求する。取り込み中にエフスンはマヒデブランに捕らえられる。, もはやマヒデブランが相手ではなくムスタファとの対立構造となっている。有力な後継者候補だけに表立っては行動できないことを踏みにじられた威厳と誇りにかけて肝に銘じる。本音を隠しスレイマンに「一介の門兵から大宰相に至るまで皇子の待遇には差別がある。スレイマンあなただけは違うと思っていた。私は5人のあなたの子供の母親。でもムスタファだけは別格なのよね。ただの子供に頭を下げさせるなんて。あなたへの愛と忠誠ゆえにしたことよ。ただの子供であるなら、私はその子供5人の母なのに」と涙を流しながら言い残して立ち去る。マヒデブランへの命乞いに何でもすると言ってのけたエフスンはヒュッレムの弱みを調べるよう命じられる。エフスンはヒュッレムがマルコチョールとアイビゲの恋を取り持っているという秘密を話して難を逃れる。イブラヒムは熱心なムスリムの対応に手を焼かされる。容赦なく牢に入れても市井に躍り出てイブラヒムの悪評を広めるばかりで、マトラークチュにも同胞の投獄は間違っていると言われて針のむしろ状態だ。スレイマンからは怒りに任せた采配だから付け込まれるとなじられる。アヤスにも影響が出ているほど既に反乱分子の勢力が大きくなっていた。先祖代々イスラム教徒であるマトラークチュからは思わぬ反論を受け、うまくいかない苛立ちから腹いせに牙を剥き声を荒らげる様を御前会議の一同に目撃される。マヒデブランは中庭でアイビゲとマルコチョールとムスタファとヒュッレムを発見する。ダイェは後宮の帳簿の仕事に滞りを発見してギュルシャーを出し抜く。ニギャールは再婚させられそうになる。, 尊師と呼ばれる反イブラヒム派の長はアヤス宰相にマトラークチュに近づくよう指示する。エフスンの命を助けた見返りにヒュッレムは毒薬を手渡す。夜伽の際にムスタファの食事に混ぜるよう命が下った。ジハンギルは夜半すぎにむずがって大泣きする。スレイマンは歩み寄りのためヒュッレムに首飾りをプレゼントされるが返されてしまう。スレイマンは気も無さげにマヒデブランに下賜するが、久々の贈り物を有難がって付けて練り歩くマヒデブランの胸に光る首飾りをヒュッレムは目ざとく見つける。ムスタファとエフスンは中庭を散策する。ニギャールはギュルと一芝居打って再婚を退ける。ジハンギルの病変を知らされたスレイマンは医師長ヤセフを呼びよせ診察させる。ヤセフの見立てでは脊椎の1つ1つの椎骨に異常があり背中が曲がるというものだった。ムスタファ毒殺決行の夜、エフスンは見事な首飾りをプレゼントされる。皇子と共に食事を始めるが迷いがよぎる。, ムスタファは夜中に高熱を出す。実は一口つけた後、エフスンが故意に盆をひっくり返して食事を中断させたのだった。ジハンギルの許から病床のムスタファへと駆けつける姿を見送った上、泣いて取り乱すマヒデブランを抱き止めるスレイマンの様子をヒュッレムは目の当たりにする。イブラヒムは一度は追放し、マトラークチュが幼少を過ごした教団に戻る遠因を作ったにも関わらず呼び戻す。ヒュッレムはジハンギルの病状は負担を伴う方法しか打つ手立てがないことを知る。アイビゲの一時帰国にマルコチョールが同行することになったがマヒデブランは不服だ。ムスタファは誠意を見せてアイビゲが祖国クリミア・ハンに留まれるよう手を尽くすつもりだと言う。エフスンはムスタファと寛ぐひとときに突然吐き気に襲われる。なかなか暗殺任務に応じないエフスンに業を煮やしたヒュッレムは呼びつけるが、既にエフスンは皇子ムスタファを愛するようになっており傷つけられなくなっていることを知り、あることをギュルシャーの耳にささやく決意する。, 尊師は教団指導者サーリエにイブラヒムの首をあげるよう命ずる。イブラヒムは悪びれず朝帰りをするようになり、ハティジェの詰問に弱り果てた調子で言い訳を繰り返す。エフスンは倒れてスンビュルの監視のもと医女の診察を受けるが妊娠していた。スレイマンは哀しくも決然とした様子で負担の大きい処置を拒否するヒュッレムの腕からジハンギルを受け取る。血に染まった戦勝を幾度も上げ自らも子を成してきたスレイマン、イブラヒム、ムスタファ、威風堂々のオスマン帝国の男たちも、ジハンギルに用意された医務室に足を踏み入れて形相を変えた。曲がった背骨を伸ばすために手足を四つ裂きに拘束し、滑車に力を込めて引き伸ばすための装置が置かれている。口が戦慄き祈りの言葉をつぶやかずにはいられない。目を背けたくなる光景だ。起死回生の手に出ざるを得ないヒュッレムはエフスンを使ってギュルシャーに「アイビゲとマルコチョールは駆け落ちでクリミアに向かわず帝国にももう戻らない」と信じ込ませることに成功する。スンビュルはムスタファに真っ先に側女の妊娠を伝える。後宮では皇統を正しく保つために皇帝スレイマン下の後宮においては皇子のお手付きによる子種は中絶の措置を取るのが習わしだった。ムスタファは他言一切無用の箝口令の意をスンビュルに示す。ムスタファはエフスンに夏のマニサ赴任まで秘密にして何とか産めるよう尽力すると約束する。イブラヒムとハティジェは家族旅行に出かけるが何者かに襲撃される。マトラークチュは教団に幽閉される。ジハンギルの容態を見に廊下に出たスレイマンは倒れてしまう。, 昏倒したスレイマンは父帝セリムの夢を見る。知らせを受けた後宮は静まり返る。代替わりがあれば側女は全員追放処遇になるためだ。マヒデブランはマニサ宮殿でのスレイマン皇子との若き日を回想する。海上のアイビゲとマルコチョールは船が係留され、マヒデブランから奏上されたスレイマンの追捕(ついぶ)に引っ捕らえられていた。ジハンギルの看病明けに大部屋に出たヒュッレムは異変に気づきファトマに問い質す。スレイマン卒倒を知ると重い足取りでご寝所まで赴くが気絶してしまう。マトラークチュは尊師の正体に感づいた可能性のため斬首の刑に処される直前でイブラヒムの奪還に救われる。ヒュッレムはスレイマンのムヒッビーの詩を回想する。バルコニーからあわや半身を投げ出す寸前に母后に引き止められた。イブラヒムもまた回想していた。故郷パルガからオスマン帝国に拉致されて後、12歳でエーゲ海はサルハンの牧場に奉公に出てスレイマンの目に留まったこと。マヒデブランは先走って次の玉座に就く準備をムスタファに進言し、「ヒュッレムと皇子たちに同情や慈悲は無用だ」と凄むが、ムスタファから「復讐しか見えぬか?」「彼らは私の弟たちです」と非難される。母后は密やかにイブラヒムと談話を持ち、万が一の際には”平和に”継承されるよう強く確認する。大部屋で側女たちに次代の寵姫ね、とからかわれたエフスンはつい大きな夢を語り出し、聞き咎めたヒュッレムに皆の前で叱責を受ける。イブラヒムとの談話の内容を伝えようとマヒデブランの部屋に立ち寄った母后はマヒデブランの本音を立ち聞いてしまう。「ムスタファを唯一の後継者とすべく介入暗殺する。ヒュッレムも母后ももはや関係ない。私の時代が始まるの。私が母后となり後宮を支配するのよ」, 恨みと怒りの権化となったマヒデブランは血迷い、自らを母后と称し、イブラヒムに帝座の道が開けた感謝と今後も補佐してほしい旨を伝える。イブラヒムに時期尚早と窘められるが「回復は”私達の”利にならぬ」と言う自己中心ぶりを印象づける。憔悴しきりながらもヒュッレムはハティジェの屋敷へ子供たちの安全護送を申し出を受けるが信じず噛み付きそうな剣幕で追い返す。母后から協力を要請されたハティジェがヒュッレムを説得にかかる。後ろに控えるダイェのかすかな頷きを見たヒュッレムは子供たちを預けることには同意するが、自分はスレイマンの暗殺を恐れて避難しないものと言い張る。イブラヒムはグリッティから皇帝崩御の噂の問い合わせを受ける。アヤスは尊師からイブラヒムの権力の展開図を説明される。マヒデブランは病床のスレイマンの枕元で「ヒュッレムお前はまだ殺さない。皇子たちの運命を見届けるまで」と脅迫する。アイビゲが後宮のマヒデブランのもとに連行されて来た。告発を続けるマヒデブランの前に母后が立ちはだかる。マヒデブランはもはや引かず、私の息子の婚約者だから私が追求すると主張する。母后は「いつか私に聞いたわね。ヒュッレムとお前との違いを。あの者は己の頭で行動する。でもお前にはそれが欠けている」と言い残して去る。マルコチョールは幽閉されイブラヒムの尋問を受ける。大宰相邸で顔を合わせ図らずも肩を並べてイブラヒムとヒュッレムは胸中を開いて会話する。「お前はマヒデブランの同類なの?よもや陛下の死後は自分が大帝国を支配するつもり?」と聞き、「お妃様おやめください。私は臣下でハティジェ皇女の夫であるだけでなく、最も近しい友であり同志。我が心痛を知るのは神と己のみ」と述懐する。ただし万が一の際の皇子たちの命に関する約束には承服しかねる様子であることからヒュッレムは背を向ける。イブラヒムは早朝からスレイマンのもとに馳せ参じ、目を開けた最初の証人となる。もはや母后がマヒデブランにかつてと同じ目を向けることはない。勝利の笑みを浮かべて後宮を練り歩きながらヒュッレムは参じる。, 休息を取らないスレイマンを案じながらも、万が一の際にはスレイマンの死を追って自害する覚悟を決めていたヒュッレムだけに、愛が戻った喜びはひとしお深い。皆の前でマヒデブランから暴言を受けて口論となるが、母后は初めてヒュッレムの肩を持ちマヒデブランを沈黙させる。スレイマンは「我が力が及ばぬこともある。神がそれを思い出させてくれた」とイブラヒムに漏らす。ムスタファを呼びマルコチョールへの処罰を自分で決めさせる。アイビゲはムスタファのお気に入りの側女のエフスンがマヒデブランに進言したことを聞き及び、「破談になれば皇子は自分のものになると仕組んだのか?」と激高する。エフスンは「皇子の名誉を考えました。あなた様は軽率です」とやり返す。ギュルシャーはヒュッレムが元凶だと矛先を変える。マルコチョールの申し開きは「私ごときがアイビゲ様の心に応えましたがご婚約の日にアイビゲ様も私も心をしまいました。これ以上は何もありません。あろう筈があり得ません。それでもわずかな疑念でも残る場合は首をお取りください」と見事なものだった。地下牢を訪れたマトラークチュに「陛下の目に己の末路が見えた。神に願うのは戦場で散ることだけだった」と清廉潔白の身で命を落とす無念を訴える。イブラヒムは教団の祖サーリムを捉えるが既に口封じのため舌と口が切り取られていた。スレイマンが死の淵から戻り、正義公正の目で曇りなく後宮を平定できるまでに改めた母后は、老齢と憤怒で正誤の判断を間違えていたと詫びて久方ぶりにダイェと坦懐なく語らう。後宮の平和と秩序と安寧の保全のために共に向かう意思を再確認する。イブラヒムがニギャールに睦言を与える。「皇族の家族では安らげない。無条件で愛してくれる子供と家族が欲しい」と心から真実をささやく一方で、連日の朝帰りを訝しむハティジェはついに尾行を決心する。ムスタファはマルコチョールを斬首する意を伝える。エフスンの妊娠に感づいたファトマは夜伽を邪魔された過去の因縁もありギュルシャーに告げ口する。サーリムは公開処刑なされる。ヒュッレムは自室に孫を見に来た母后に礼を述べる。, スンビュルが機転を利かせてムスタファに奏上する。ムスタファは間一髪マヒデブランの中絶処置を制止する。出産までエディルネ宮殿で匿い、マニサ赴任の際に同行させる手配とする。ダイェの返り咲きが面白くないギュルシャーはニギャールとの話を立ち聞きして、ダイェが土地の登記簿を持っていることを知るや否や家探しして目的のものを発見する。マルコチョールの斬首執行の手筈が整った。あわや一閃のところでムスタファは衛兵を止め、恩赦を与える寛容性を見せる。「マルコチョール・バリ・ベイは長年、帝国と皇族に仕えた誉れ高き軍人である。罪の代償は死に非ず。なぜなら悪意があって犯した罪ではない。よって命を助ける」と。ムスタファは帝位に相応しい判断力と勇気を持つ器であることを証明する。慈悲を受けたマルコチョールはスレイマンのもとへ騒動の謝罪に赴く。イブラヒムの目の前で潔く身分を返却し帰郷を許される姿はあたかもイブラヒムには叶わぬ夢のようだった。居室の前で小さな訪問者を受ける。幼い恋心を燃やすミフリマーフに美しい別れを告げてマルコチョールは帝都を去る。死を目前に回避した経験からスレイマンはイブラヒムに、あの日ヒュッレムが求めるもイブラヒムが応えることのできなかった望みを託す。「その日が来たら皇子たちに正しい道を示せ。あの子達の手を血で流してはならぬ」と。イブラヒムもまた「私が先に天に召されたら我が子たちをお頼み申し上げます」と。スンビュルと医女の話を立ち聞きしたギュルはヒュッレムに指示を仰ぐ。ムスタファはスレイマンと変装して市中へ赴き、親密なムードの中でマニサ赴任を早めてもらうよう頼む。ギュルシャーはダイェの裏切りの証拠である登記簿を母后に突きつけるが、逆に不興を買い女官長の職を剥奪されニギャールを逆恨みする。エフスンの旅支度が整った直後にダイェに出くわして母后に妊娠話が伝わってしまう。マヒデブランが独断でエフスンをエディルネに送る手配をしていたことを叱責し、母后は「何年も同情して損したわ。自業自得ね」と言い放つ。エフスンは厳格な規則通り中絶処置された。, 「ヒュッレムは危険。あなたに毒を盛ろうとしていた。でもできなかったの。愛していました。私を忘れないで」と言い残してエフスンは絶命する。激高したムスタファはヒュッレムに、マヒデブランはスレイマンに詰め寄るがはっきりした証拠はない。嘆き悲しむムスタファにスレイマンは「男が泣いてよい状況は2つだけだ。愛を失ったときと死ぬ前だ。だから抑えるな。泣いてよい」と肩を貸す。窮地に立たされたヒュッレムはスレイマンに釈明するが毒を飲むよう言い渡される。死にゆく者が残す言葉を聞く中でスレイマンはヒュッレムの本心を確かめる。またマヒデブランとイブラヒムが敵であるとはっきり言ったことも聞く。エフスンの葬儀が執り行われる。ニギャールは自宅に医女を呼び妊娠を知る。ギュルフェムは母后にハティジェがイブラヒムの不貞を疑っていることを話す。母后はハティジェの雇った尾行係の密偵イドリスを呼び出して今後はハティジェより自分に報告するよう言いつける。エフスンを処置した医女が追放されるところを見てギュルシャーは計略を持ちかける。イブラヒムが自宅へ運んだ金の獅子を象った玉座を見てハティジェは顔色を変える。妊娠したニギャールはダイェに相談するがダイェを見張っていた医女の知るところとなる。, 大宰相とニギャールの子を理由に脅迫する医女を平手打ちしたダイェは事故死させてしまう。各人との厳粛な別れと威厳を持って宮殿を去る。ムスタファはヒュッレムの一番の弱点を狙うため兄弟の情と絆を確かなものにしようとする。イブラヒムは西欧風に屋敷を設えさせて神聖ローマ帝国カール5世の使節を迎えている。エルサレムの王はカール5世ではなくスレイマン皇帝のみ、と言いながら、自らの指にはめた指輪の宝石は300万アクチェ(銀貨)の俸給をもらう自分が6万ドゥカ(金貨)でキリスト法王から買い取ったもの、ルビーはフランス王から戦果として得たもの、などという。書記官ジェラールザーデは遺憾な面持ちで見やっている。スレイマンは倒れた日に父帝セリムと夢の中で会った浜辺を散策している。また別の日にイブラヒムと海辺に出て地中海を掌握する構想を話し合ったときのことを思い返している。スレイマンの感傷とは大局的に、その頃イブラヒムは使節に向かって「尊きオスマン帝国は私が支配している」と出過ぎた発言をする。ジェラールザーデも書記しながら思わずイブラヒムを見返してしまう。「私がすることは何であれ不滅である。すべての権力が私の手中にあるからだ。尊き陛下の命令さえ、私の承認がなければ適用されることはない」と言いながら、とうとう皇族のみに許される手の甲への接吻の挨拶を強要する。己自身の権力欲が行動理由となるのではなく帝国と皇統の未来のためかどうかなのだがイブラヒムには根本的かつ決定的に間違えているところがあるのだった。ダイェの後任の出納官にニギャールが推挙される。ニギャールを憎悪の目で見つめるギュルシャー。まずは東の制圧に向かうため、スレイマンはオーストリア使節との会談の結果、協定に背かぬ限りは恒久的平和を保証すると宣言する。ダイェは宮殿から運び出した財産を山賊に襲われて失ってしまう。ニギャールの家に逃げ込む。母后は尾行していた密偵イドリスからイブラヒムの不貞相手がニギャールであることを聞かされる。, イブラヒムとニギャールの不義密通を知った母后は気が気でない。天地をも揺るがす悪行にイブラヒムの罷免がもしあればハティジェの繊細な神経では耐えられそうにもないからだ。ダイェも失ったばかりの母后の心臓に負担がかかる。母后付き女官長兼後宮出納官ニギャールが母后の居室に足を踏み入れるや否や鬼の形相で平手打ちを食らわすが、更に腹に子がいることに気付く。報告にはなかったことだ。頭がよく逃げ道を探すのも言い訳も上手いニギャールは昇進に妬んだ者の中傷だと言い張る。懐で蛇を育てていた悔しさから思わず倒れそうになるもスンビュルに命じてニギャールを牢屋に閉じ込める。一方スレイマンとムスタファ、ヒュッレムと皇子たちは郊外の狩りの館に剣術訓練に出かけている。ムスタファが息子たちに親しく振舞う度にヒュッレムは歯噛みしそうになるが「私はあなたとは違う。手を血で汚しはしない。弟なら尚更だ」と言われる。ニギャールの拘束を知ったマヒデブランに詰問を受けるが、ニギャールはダイェの襲撃事件を話して難なく交わす。やはりギュルシャーの仕業だった。アゼルバイジャン軍政官からペルシャに圧されたとの報告がある。西から東への政局の転換期に, ニギャールとマトラークチュの話からダイェは母后がニギャールのせいで倒れたことを知る。ギュルシャーは斧槍持ちメフトゥンからダイェ襲撃の分前を受け取る。怖いもの知らずのファトマは立ち聞きで事情を知る。西欧遠征中に反乱を起こした東の制圧にすぐにでも立たなければならない政局の中、イブラヒムは財務長官イスケンデルに予算を請求するが半額しか許可されず、腹立ち紛れに「身銭を切って賄え。土地財産など幾らでもできよう。お前は帝国一の金持ちだろ」と侮蔑の命令をする。罪を問われ財産を全て失っても母后に一目会いたいダイェはスンビュルとニギャールの手引で宮殿に潜入するがマヒデブランに見つかって追い出されてしまう。一方ヒュッレムはダイェ復帰のためハティジェとスレイマンに訴えかける。イブラヒムはマトラークチュからイドリスが密告者であることを知る。スレイマンはムスタファに「あの瞳こそ我が鏡であり良心。比類なきご両眼を拝する度、己と我が父の姿を見る」と述懐する。母后と生きてきた年月はあまりにも長く今は母后の他に誰も若き日の父帝の有り様を知る者はない。一方マヒデブランはファトマから聞き及び、「長年同じ間違いを繰り返してきて尻拭いはこの私がしてきた」とギュルシャーを激しく叱責して解任する。イブラヒムは密偵イドリスの口を封じる。ニギャールは匿うと言われるが母后の雲隠れの可能性を考え宮殿に出納官として戻る。, 母后の意識が戻った。ニギャールは顔色を変えるが、母后は身体の筋肉が一切動かせない状態となっており口が利けなくなっていた。イブラヒムはアゼルバイジャンに赴き不在。イスケンデルはオーストリア使節との会談の記録を見て顔色を変える。スレイマンは後宮をマヒデブランに、恩赦を与えられたダイェには母后の世話に専念する意を示す。マヒデブランはギュルシャーを遠ざけたため出納官は引き続きニギャールを任命する。ファトマはムスタファのお気に入りになってみせると豪語する。早速後宮改革に乗り出したマヒデブランは側女を一新するため全員エスキサライ(旧宮殿)に送り、ギュルを監禁し、ヒュッレムの子守エスマを治療院付きに配置換えすると発表するが、ハティジェが介入して越権行為だと叱責する。イスケンデルはイブラヒムの不遜な発言「尊きオスマン帝国は私が支配している」との記録をスレイマンに奏上する。ヒュッレムはイスケンデルの訴えを立ち聞きして何事かを考えながら去る。ギュルはマヒデブランに取引を持ちかけられる。, ヒュッレムはマヒデブランと接触したギュルの目を矯めつ眇めつ見る。マヒデブランの条件はヒュッレムの動向を毎日知らせることだった。ニギャールの腹が膨らみ始める。ヒュッレムは現状の打開策としてマニサ赴任を早める着想を得てヒュッレムは離宮にイスケンデルを呼び寄せる。後宮の中には通常の男性は入れないからだ。マヒデブランは側女たちに高級な贈り物を重ねる。反乱の首領シェリフ・ハンの首をあげてイブラヒムが戻る。残るはタフマースブのみ。権限は共有できても絶対帝政の唯一の象徴である玉座は共有できない。イスケンデルの報告した件についてイブラヒムの説明をスレイマンは受けるが、王朝を脅かす不遜な振舞いを決して長く忘れることはないのだった。イスケンデルとヒュッレムが政局について密談を交わす中で、マヒデブランが天井知らずの浪費をしている件を財務長官として介入するよう頼むことも忘れない。一方イブラヒムは書紀の写しを持ってスレイマンに密告した者がイスケンデルであることを突き止める。ファトマは側女たちの前でギュルシャーを殴り倒す。喧嘩はファトマの圧勝で頭に来たギュルシャーは斧槍持ちメルトゥンにファトマの暗殺を依頼するが失敗し、逆にマヒデブランに呼び出され罵倒され、罰としてメルトゥンとの結婚追放を命じられる。残虐で金に汚く一夫多妻制では幸せになりようもなくギュルシャーは思わず死んだほうがましと嘆く。ギュルは泣いているギュルシャーを発見する。ムスタファのマニサ赴任が決まるがマヒデブランは同行しないと高らかに宣言する。ギュルシャーはファトマの他にも宿敵であるニギャールの後をつけてイブラヒムへの妊娠報告を立ち聞きする。, マヒデブランに見限られ、宿敵ファトマとニギャールへの憎悪と無念を胸に起死回生の情報を得たギュルシャーは差し出せるものがあれば庇護するとのヒュッレムの発言を思い出す。ヒュッレムはイスケンデルと再び密談を持つ。ギュルがマヒデブランに進言して、ギュルシャーは即座にエスキサライ(旧宮殿)に送られる手筈となり、スンビュルがギュルシャーを拘束している前で、宿敵のファトマとニギャールに嘲笑される。ギュルがギュルシャーが至急ヒュッレムの面会を求めていたことを伝えなかった一方で、少しずつ大人の真似事をして頭角を現しつつあるミフリマーフがヒュッレムにメフメト専用の部屋を用意するよう助言する。スンビュルが閉じ込めたのは治療院だったため、ギュルシャーは医女を通して伝言を頼む。ギュルは愚かにもニギャールに医女が使者に発ったことを伝えてしまう。ニギャールはイブラヒムに走り書きを渡らせ、ギュルシャーを誘拐させる。イブラヒムはイスケンデルに横領で財をなしたと暴言する。イスケンデルは「蓄財は役職に依るものではなく家系に由来するもの。禁忌(ハラム)は犯さない。私は先祖代々のイスラム教徒です」と言い返すが、イブラヒムは度を失って皆の前でイスケンデルを締め上げて「地獄への道は歩きやすい」と脅迫する。なお天国と地獄はキリスト教独特の概念でありイスラム教には存在しない。マヒデブランはメフメトの部屋を封鎖し、反対したニギャールに横領の罪を告発して解雇する。チョバン宰相がスレイマンにイスケンデルの解雇が決定した旨を報告する。, 母后の部屋に一同が会する中、マヒデブランは母后が崩御したら後宮の支配者は自分だと発言する。メフメトの部屋の取り上げに抗議するヒュッレムの訴えを聞いたハティジェはメフメトの部屋を用意したと機転を利かせて発言する。皇統の皇子に何よりも敬意を払っているためである。密かに好意を抱いているニギャールの濡れ衣の追放を決定したマヒデブランに反感を持ったギュルは情報の横流しをやめてマヒデブラン排斥を懇願する。夜伽に差し出された娘の誘導役をフィダンから取り上げたファトマは階段から転がして落とす。ギュルは情報の横流しで得た信頼で偽話をフィダンに信じ込ませ、母后の部屋まで案内する。ヒュッレムの部屋にハティジェとダイェが呼び寄せられるが、ヒュッレムは呼んだ覚えがないと主張し、母后が1人御寝されていることが気になり皆で急いで戻ることになる。そこには見張りの娘を殴り倒して絞殺用の長い紐を手にしたフィダンの姿があったのだった。激高するハティジェはフィダンを牢屋に閉じ込める。頭を冷やすにつれムスタファを考えマヒデブランをマニサ同行に同意させる。だが同行をスレイマンに奏上させる直前でマヒデブランが発言を変えてダイェを再任すると言う。実はニギャールから事情を聞いたイブラヒムが手を回したのだった。ニギャールの所業にあんまりだとギュルは訴えるがあなたのためだと言い返す。イブラヒムはヒュッレムに「手下は総入替えしたほうがいい足並みが揃っていない」と謎の言葉を残して去る。ニギャールがイブラヒムの手駒であることに気がついたヒュッレムは「私は”一度裏切れば何度でもやる”と言った。お前は否定した。でもまた裏切ったのね。裏切りの代償は払わせるから覚悟して」とニギャールに詰め寄る。その夜ヒュッレムは行商人を装った女から伝言を受け取る。翌朝、斧槍持ちのペルチェムに確認して離宮に向かう。そこには行方不明になっていたギュルシャーの暴行されて変わり果てた姿が待っていた。, イブラヒムとニギャールに半殺しの目に遭いながらも一命を取り留めたギュルシャーは宮殿でヒュッレム付きになることを引き換えにイブラヒムの首が飛ぶ重大な情報を渡すという。マヒデブランの厄介者で疫病神のような女官で、浅薄で威張るだけが取り柄だが忠誠心には疑いようもないギュルシャー。しかしこのような姿で現れたことは明白に罠であるべくもない。ヒュッレムはニギャールの子の父がイブラヒムであるという重大な情報を得る。一方イブラヒムはイスケンデルを私怨から排除したくてたまらないことをスレイマンに見透かされる。ギュルフェムはマヒデブランの浪費に忠告する。ファトマはムスタファのお手付きになかなかなれないことを悩んでいる。ハティジェはニギャールとイブラヒムによって暴かれた母后を巻き込んだ計略に怒ってヒュッレムとは口も利かない。マヒデブランはスレイマンの夜伽に新しく入ったロシア人の側女を選ぶ。スンビュルはこれまでうまく立ち回りヒュッレムの決定的な敵にはならず褒め言葉は口にするがギュルのような手足に成り代わるような働きはしなて来なかった。だがムスタファの出立を控えてか珍しくヒュッレムにすり寄ってくる。ヒュッレムは「お前は私の味方か? 敵か?」と率直に尋ねるが、「私ごときがお妃様の敵などと」と当たり障りのない返答だ。スンビュルの望みが後宮に長く留まり願わくば高い権力を振るうことと見抜いたヒュッレムは「私と共に後宮の未来の一部になるか?」と訊き、ついにスンビュルを配下に置くことに成功する。ヒュッレムがニギャールの尾行のために雇った男は確かにイブラヒムとニギャールが密会しているところを目撃する。後宮の騒ぎが収まらずマヒデブランの浪費が続くことからスレイマンは誰に対しても公正で心優しいギュルフェムを任命する。スレイマンは市中に暮らしている乳兄弟のヤフヤを尋ねる。, 東方遠征で節約が必要なときに一皇子の赴任に年間予算を遥かに超える浪費をするとはとギュルフェムはマヒデブランに苦言を呈すが、身の程を知れ、余計な口を挟むなと高飛車な態度を取られる。スレイマンはヤフヤに母后の夢の見立てを頼みに来たのだが思わしくないものだった。帰りがけに困窮した市民を助けて礼としてメノウを受け取る。悩みや苦痛を取り去る宝石だ。ヒュッレムはニギャールの家を訪ね、旅支度をしているのを目撃する。かつてヒュッレムの顔を火で焼き、暴力的で怖いもの知らずのファトマはいつか皇帝妃になる夢を抱き、ムスタファに用意した側女を治療院送りにしているが自身は顧みられず焦眉の急で画策している。早くお手付きにならなければマニサ赴任に側女として参加できないからだ。ニギャールは出産する家に移動する途中で何者かに襲撃される。ギュルフェムに頼めないマヒデブランは財務長官イスケンデルを呼び出すが追加予算は承認されない。イブラヒムの名を出し食い下がるが手元に資金そのものがないという。ヒュッレムから依頼されているイスケンデルは巧妙にユダヤ人両替商への借金を勧める。イブラヒムは市中の自分の悪評を口にしている詩人フィガーニーを拘束するが、信仰告白を迫られる。軟禁されたニギャールは思わぬ人物との対面に向き合っていた。自分の告げ口により闇に葬り去ったはずのギュルシャーだった。全てを知ったヒュッレムは身体を動かせない母后を前に、実は母后はとうに知っているとも知らず、イブラヒムとハティジェの不貞関係を吹き込む。スレイマンが手に握らせていたメノウは母后の手のひらの中で漆黒に染まっていく。, ヒュッレムがハティジェに真実を直接伝えようと大宰相邸を訪れたところでイブラヒム本人が割り込み、母后が亡くなったと告げる。宮殿中が黒い喪服で染まり、荘厳な葬式が営まれた。ギュルフェムがマヒデブランに代理職としての後宮の全権をそのまま引き継ぐようにと賜ったスレイマンの下命を伝える。マヒデブランは相変わらずの贅沢三昧である。ダイェはスレイマンの引き止めにも関わらず、ギュルシャーにより土地財産を失っていても、宮殿の外のとある農場の片隅で重労働をしている。市中でスンビュルと会うが威厳を持って理由を話したがらない。ファトマはムスタファの寝所に連夜通っている。ニギャールは元の自分の家に監禁されている。アヤス宰相はフィガーニーを訪れて尊師の名を割るように勧める。ニギャールは逃亡を図るが失敗する。マヒデブランは母后の部屋に移住する準備をする。, イブラヒムはフィガーニーが名を出した尊師への仲介者セイフィなる男を追う。ヒュッレムはギュルフェムにマヒデブランの母后への部屋への移動は尊き母后の思い出を汚す不敬行為だと印象づける。ファトマはマニサ宮へムスタファを1人で赴任させればヒュッレムがまた毒殺を仕掛けるやもしれないとマヒデブランに進言して自分を一行に加えるよう示唆するが、手放すつもりのなかったフィダンを出納官として行かせると言われる。ダイェは母后の形見の見事なルビーとダイアモンドのネックレスを農場の下女に奪われるが取り返す。マヒデブランは皆に知られぬよう真夜中にユダヤ人両替商のラケルを自室に迎えている。だが実はヒュッレムがイスケンデルを通して紹介した女商人なのだった。ダイェは夢の中で母后崩御の元凶であるニギャールの顔を見る。ヒュッレムはスレイマンにメフメトの部屋を何ヶ月も待たされているのに何故自分はすぐに母后の部屋に移るのだとこぼす。フィガーニーは見せしめとして市中の広場で公開絞首刑となる。イブラヒムはマトラークチュから尊師の場所が判明したとの報告を受ける。スンビュルはダイェを農場に訪ねるが「母后様の死は自分のせいだ、お力になれなかった」との無念を口にするばかり。全財産を喜捨しており進み望んでいた暮らしをしているのだった。母后の葬式に帝都を訪問中のハティジェの姉ベイハンはスレイマンにフェルハト宰相を処刑されたときのことを回想する。ヒュッレムと共に大宰相邸を訪れたスレイマンと話し、日にち薬で少しは楽になったが心に刻まれたことは消えないと訴える。ヒュッレムはナズルに命じてハティジェの宝石箱に書き付けの手紙を忍ばせる。マヒデブランは母后の部屋を上階の隅まで全て大掛かりに改変することに夢中になっている。主権建築官に伝えて専用の浴場の制作も命ずる。ハティジェは一同の談話の間を抜け出し、自室に戻り投書に気づき読む。不貞関係にある女の家の住所が記されていた。ダイェはスンビュルと会った夜更けに縊死を図る。最後の貴重品である母后の首飾りは農場の下女に取られぬよう、市中の物乞いに与えていた。, 朝になりハティジェは記されていた住所を訪ねる。そこには追放されたはずのニギャールが大きな腹をして立っていた。ギュルフェムはスレイマンの意向により母后の居室の改修の停止を命じる。スレイマンはムスタファと棒術の対戦をしながら父帝セリムの「もはや無邪気ではいられぬ」という言葉を思い返していた。イブラヒムとマトラークチュは尊師のいるという教団の一角に向かっていた。そこには前大宰相ピリー・メフメトの息子アラウディンが鎮座していた。イブラヒムと対峙するがアラウディンは自決を選ぶ。その頃アヤスはイスケンデルと話している。尊師と思われていたアラウディンは実は尊師の存在を秘すために犠牲となった者で、真の尊師とはイスケンデルのことなのだった。ヒュッレムはスンビュルを通してイスケンデルからユダヤ人両替商ラケルに接触を取ってもらう。マニサ赴任を翌日に控えた前日の夜、ファトマはムスタファと過ごす。当日の朝マヒデブランはイブラヒムを訪ね金の無心をする。とうとう後宮の年間運営予算の数倍に膨れ上がっていた。イスラム金融では金の貸付に利息を取ってはいけないことがコーランで決まっているので金を借りることはできず、その分ユダヤ教徒の営む金融は利息が高いのだった。イブラヒムは数日中に女を消すので待つように言い渡す。, ハティジェはイブラヒムとともに尊師討伐から戻ったマトラ―クチュを捕まえて詰問する。マトラークチュは自分が父親だと主張するが、もし嘘なのであればお前も共謀者ね、とハティジェに言われる。イブラヒムはグリッティーがハンガリー玉座を目指して拘束され殺害された旨をスレイマンに伝えるが、スレイマンは「王位に執着した者の末路だな。己の出自を忘れ王朝を夢見た者の行末は戒めにせねば。イブラヒム宰相(パシャ)」と言う。スレイマンは常であればパルガ人と呼ぶ。明らかに当てこすりなのだった。イブラヒムは腹いせに「大宰相に口を出す者、暗殺を企てる者は震え上がるがいい」とイスケンデルに言う。後宮ではムスタファの出立の挨拶が行われる。ヒュッレムを呼び出したハティジェは真相を求める。ヒュッレムは証人としてギュルシャーを招聘する。スレイマンはムスタファとの別れに「貧困は最大の豊かさだ。最も恐ろしいものはおごりである。最も尊いものは高潔な人格だ」「愚か者やケチな者を仲間にするな。彼らは助けが必要なときに傍観するだけだ。利口でも悪人を仲間にするな。彼らは多少のものと引き換えに簡単に裏切る。嘘つき者を仲間にするな。彼らは蜃気楼のように言葉で遠くのものを近くに見せて操ってくる」と言って送り出す。マトラークチュはイブラヒムにハティジェに露見したことを伝える。鉢合わせたヒュッレムに「手下は総入れ替えするべきね」とやり返される。ユダヤ人両替商ラケルはマヒデブランに追い返される。つまみ出されそうになったラケルはギュルフェムの名を連呼する。追い詰められたマヒデブランはギュルフェムの妨害をファトマに命ずる。同じく追い詰められたイブラヒムはハティジェの前でニギャールとの不貞を告白する。, 「あなたの職務は我が家族への奉仕。私こそ至高の帝国よ」と言われたときに愛は壊れたのだとイブラヒムは述懐する。ハティジェは姉ベイハンに支えられながら泣き通す。スンビュルがギュルフェムの救助に間に合い医務室に運ぶ。スレイマンは誰何(すいか)するがギュルフェムは答えない。「何様のつもりでマヒデブランを脅迫するか」と言われたと事実のみを答える。スレイマンはマヒデブランを呼び「お前に後宮を任せたとき予感はあったが機会を一度だけ与えたかったのだ」と後宮の全権者解任を言い渡す。意気消沈して廊下に出たところでイブラヒムを見つけ取りなしを頼もうとするが、こちらも気もそぞろの様子で頼りにならない。「長年のお世話に疲れました」と言われてしまう。自分の不貞の露見にも、手駒であるはずのマヒデブランの度重なる失態にも、辟易していたのだった。ヒュッレムには「何年も前に話した。私がお前を蹴落とすと。お前はやれるものならやってみろと言った。今もお前は奴隷。だが私は自由な女」と言われる。元はと言えばイブラヒムが奴隷市場で買い求め皇帝に献上した女がヒュッレムなのだった。とうとう後宮の全権を掌握して勝利の笑みを浮かべるヒュッレム。皇帝の正妻、絶世の美女、押しも押されぬ5人の皇統の母、かつて自分と子供たちに誓った通り、屈服させられひざまずかされ、隷属の証に裾に接吻させられた者をついに皆ひれ伏せさせたのだ。「後宮が何だ。私は世界を支配するのだ」, 波間に一命を取り留めたペルシャ人らしき女が漂っている。海賊出身のフズル・ハイレッディンは女の若さと美貌を見てムスリムでないことを確かめると部下に保護を命じる。イスラム教徒を奴隷にすることはできないからだ。その頃トプカプ宮ではヒュッレムが全権掌握の祝賀として身銭を切って大盤振る舞いする一方で、ハティジェがイブラヒムと離縁する噂が飛び交っていた。ヒュッレムはスンビュルに政治高官の情報を集めさせ、手付けを配り、外交団に接触するよう命じる。ハティジェは意を決してスレイマンに話に参内する。イブラヒムは逃げ去るように東方遠征への出陣を命じる。地下牢にいるニギャールはイブラヒムの使者の接触を得る。マニサのフィダンはムスタファの夜伽の準備をする。メフメトは元ムスタファの個室を与えられる。, セルジューク朝の時代からペルシャはずっとオスマン帝国が西欧を向くと反乱に立ち上がる。今は首領タフマースブが反旗を翻している。同じイスラム教文化圏を武力でもって制圧することにイスケンデルは乗り気ではない。イブラヒムは血と死を求めるかのように戦いに身を投じていく。側近のマトラークチュやチョバンも心配している。主馬頭の主要な仕事は国中の伝達包囲網を把握することである。リュステムは戦場のイスケンデルからの文をヒュッレムに手渡す。そこにはリュステムは信頼に足る有能な男であるとの推薦が書かれていた。スレイマンは御前会議にてアヤス宰相に地中海を掌握するフズルの到着を盛大に用意するよう命じる。フズルはスレイマンに地中海の要所アルジェ(現在のアフリカ大陸のアルジェリア)の鍵と奴隷女を献上する。ヒュッレムは母后の部屋を得るべく奔走し、到着した奴隷女を検分し、美人は自分付きにするよう手を回す。ハティジェは自分の結婚を割いた一端にヒュッレムを逆恨みして自分と同様にスレイマンとヒュッレムの間に女を割り込ませるべく策を練る。また自分が育った厳格な規則を遵守していた後宮に戻すためにギュルフェムに引退を勧告する。, ムスタファは順調に軍政官としての仕事をこなすがマヒデブランの苦境を伝え聞く。ヒュッレムはスレイマンの乳母アフィフェが後宮出納官の任命されたことを知り、荷物をまとめ母后の部屋へ移住を決行する。抗議に乗り込んだハティジェの暴言に怒り「ご立派な皇女様より平凡な女官がいいだなんてプライドが傷つきますわね。大宰相の地位が惜しくて離れないだけですものね」とやり返す。愛よりプライドよりヒュッレムへの復讐の憎悪が勝ったハティジェはイブラヒムとの離縁を撤回する。ヒュッレムはミフリマーフの狩りの館への旅行に同行する。戦場のイブラヒムへスレイマンから死を意識した日の鎧が届けられる。だがイブラヒムの無鉄砲は収まらず配下の君侯まで叱責のために殺害する始末。イスケンデルはアゼルバイジャン軍政官ウスマーと接触する。ウスマーはかつてイブラヒムからシェリフ・ハンの首を上げなければお前の首を取ると脅迫されていた男だった。, ヒュッレムはイスケンデルへの伝令をリュステムに依頼する。完璧な筈のリュステムだが、ふいに乗馬中のミフリマーフが怪我をしてしまう。責めを問われる途中でミフリマーフが遮り機転を利かせる。母后の部屋のことで口論になっている件についても、お母様の部屋が欲しかったの、と言い張り、目の中に入れても痛くないほど可愛がっている小さな皇女のためにスレイマンは矛を収める。イブラヒムは戦時下に, イブラヒムの元にフズルが訪れて語り合う。征服すべきアフリカなどの大洋側の新世界のことや世界一の美女ジュリア・ゴンザーガのことまで気が合い、現在のオスマン帝国での身分を遥かに超えた野心を隠して行動していることをお互いに鋭く感じ取る。フズリが地中海から救出したペルシャ人の女, 暗殺失敗したイスケンデルはウラマーを使ってイブラヒムの信頼する者を騙って偽の情報を掴ませて進軍方向を変えようと目論む。出産が終わったニギャールは赤子は死産だったと聞かされる。スレイマンはムスタファを出征させず皇帝代理に据えて帝都を守らせる。スンビュルはヒュッレムに命じられて宴に参加する側女を確認しようとするが、アフィフェに阻止される。かくして宴ではアラビア風の魅力を持つフィルーゼがスレイマンに見初められる。, 赤子は娘だったと聞かされたニギャールは「お前のように切れ長の目で鼻の愛らしい女の子がいい」と睦言を聞いた日のことを思い返しながら自殺未遂を起こす。バグダッドに進軍予定だったところへ進軍方向を揺らがしかねない有力情報が届く。イスケンデルが周到に用意した偽の情報なのだった。イスケンデルはまた帝都のスレイマンにイブラヒムがペルシャに新王国を樹立する構想を抱いているとの告発文を届ける。大ペルシャ国家の設立に心を惹かれるイブラヒムは7万の軍勢を率いて急遽タブリーズ(ペルシャ)への進軍を決定する。フィルーゼは夜伽に祖国の伝説の鳥ブーティマールの髪飾りで美しく装う。ムスタファはヘレナの家が絨毯職工をしており、悪徳商人の不当に安い買付額で買い叩れ、法官もグルになって見て見ぬ振りしていることを知る。スレイマンはイブラヒムの元から戻った海軍提督フズルにペルシャ新国家設立の是非を問うが、フズリは強大な権力すぎるため致命的になる危険も伴うと返答する。, ギュルシャーは夜伽の側女がミフリマーフ付きだとの情報を得る。だがどの側女であるかを聞き出す前にファトマに邪魔される。ミフリマーフの部屋に行くも間違えてナディアと勘違いする。ムスタファは素朴なヘレナに惹かれ、ヘレナも少しずつ想いを返すようになる。ジハンギルが再び夜中に泣き出すようになり弱り果てたところにフィルーゼが解決策として軟膏の調合を提案する。ヒュッレムはフィルーゼに治療院への出入りを許可する。バグダッドのサファーヴィー朝の王(シャー)タフマースブは進軍がこちらに来なかったことから好機と見做す。弟サームと湖を渡り一気に首都タブリーズに移動して合流し、一気にイブラヒムを叩き潰す作戦に出る。, 皇帝代理となったムスタファがトプカプ宮殿に戻る。リュステムはニギャールを捕らえヒュッレムの前に連行する。スレイマンは出征前の挨拶を交わして出立する。タブリーズを陥落させたイブラヒムは書記官ジェラールザーデの前で「セラスケル・"スルタン"・イブラヒムが命じる――」と名乗りを上げて一同を驚かせる。総司令官であり”皇帝の”イブラヒム、という意味なのだった。イスケンデルは遺憾な面持ちで見やる。スレイマンはアヤスとリュステムを伴い戦勝祈願のため、オスマン中央南部のコンヤにある旋舞セマーで知られるイスラム教神秘主義メヴレヴィー教団の総本山を訪れる。なんと言っても今回の東方遠征は同じイスラム教徒同士の戦いであるためだ。イブラヒムもタブリーズの略奪を”スルタン”の名において禁じる。, ファトマはムスタファがヘレナに恋い焦がれていることも知らず喜び迎え出る。夜伽を務めた女への嫉妬に焼け付くような痛みを覚えながら、ヒュッレムは遠征中に始末する決心を固めている。翌朝、側女の大部屋にナディアの首吊り死体が吊るされているのを側女たちが発見して大騒ぎとなる。フィルーゼは自分の身代わりとなったナディアを愕然と眺める。スレイマンは伝令からイブラヒムが”スルタン”を名乗っていることを知る。ヒュッレムはナディアに手を下しただけでは飽き足らず、ハティジェを苦しめるためにニギャールと宮殿に戻す。フズルはチュニス(現在のチュニジア)攻略の前にムスタファに面会を求める。, アフィフェはハティジェに命じられてニギャールの引き渡しを要求する。ニギャールはスンビュルにヒュッレムの忠実な下僕になった理由を尋ねる。ギュルシャーがアフィフェに口答えしている場面に出くわしたヒュッレムは謝罪させる。地中海への航海に戻ったフズルは手下にジュリア・ゴンザーガの拉致を命令する。地中海だけでは飽き足らず、アフリカなどの新世界側の大洋を、ペルシャ新王国のスルタンになっているはずのイブラヒムと共に暴れまわるための条件として世界一の美女の献上が条件として提示されたからだ。スレイマンはイブラヒムと合流する。イスケンデルはここぞとばかりスレイマンに奏上するが逆に讒言と取られて叱責を受ける。ヒュッレムはスレイマンからの恋文を受け取るが、それはヒュッレム宛てではなかった。だが宛名の女の名はハティジェによって塗りつぶされていた。タフマースブはスレイマンに和平を申し出るが、返答は交戦か降伏の要求で「獅子の不在時に狩りをする狐を勇敢だと思うな」と痛烈に当てこすられていた。東方遠征が一段落したところでスレイマンはイブラヒムの不貞についに対峙する。, ハティジェから離縁は回避されたことを知ったイブラヒムはマトラークチュに嬉しい以上に悲しいとの素直な胸中を打ち明ける。ギュルシャーは単独行動が起こして失態したことをアフィフェに知られたヒュッレムは激怒する。戦場のリュステムはハティジェの密使による手紙を発見して破り捨てる。イブラヒムはバグダッドでも勝利を上げるも軍資金と人名が失われた汚名を補佐官イスケンデルに着せ告発する。スレイマンは裁判を提案する。名誉挽回しようとハティジェとフィルーゼの話を立ち聞きしたギュルシャーは例の女がフィルーゼであることを知り投獄される。ニギャールは監禁状態が逆転したかようなギュルシャーをいとも簡単に手玉に取る。イブラヒムはイスケンデルと共謀していたウラマーに不利な証言を強要する。イスケンデルは極刑を免れ得ないことを感じリュステムに最後の意思を伝える。ウラマーと財務局書紀アリに手を回して証言を変えさせた不平等裁判だった。裁判の結果、無実のイスケンデルが絞首刑となる。処刑の様子をスレイマンは厳しい顔つきで眺めていた。スレイマンがリュステムと忌憚なく話す様子を見たイブラヒムは初めてリュステムを意識する。その夜スレイマンは枕元に立ったのはイスケンデルの夢を見て飛び起きる。実は激しい気持ちを隠し通して「私に無実の男を殺させたな、イブラヒム。お前も同じ道を辿るがいい」と燃えるような憤怒を胸中に秘めていたのだった。側近くに控えていたリュステムもまたそれを知る。, 命を助けて逃がす条件としてハティジェの暗殺を強要されたギュルシャーは愚かにも決行してしまう。ハティジェに馬乗りになったところでニギャールが背後から近づいてギュルシャーを口封じに始末する。助け出されたハティジェと窮地に立たされたヒュッレムの双方が、ニギャールのほうを振り向きながら退出する。マヒデブランにもギュルシャーの最後に思うことがあるためか「お前はギュルシャーより惨めに死ぬ」と吐き捨てるように言われる。後宮はスレイマンとイブラヒムの凱旋が伝えられ浮足立つ。ミフリマーフは美しく成長していた。ファトマはムスタファの子を解任していた。ニギャールはこのときを待っていた。ヒュッレムが秘密に気付いたらお前を消すとフィル―ゼを焚き付ける。, ミフリマーフは中庭の散策中にタシュルジャルと出会う。メフメトはイェニチェリへの入隊式を希望する。ハティジェはニギャールの処遇を決める。再度結婚させるというもので、ムスタファの子を宿したファトマに「結婚できるだけ有り難く思わなきゃ」と嘲笑されて頭に来たニギャールは嫌味とも脅迫とも取れる言葉をかけて去る。マニサでは村娘ヘレナが父親の借金の片に悪徳商人アッバスと婚約させられそうになっていた。ヘレナは本当の名も身分も行方も知れないムスタファのことを思わずにはいられない。メフメトの入隊式が麗々しく執り行われる。, フィルーゼはミフリマーフがタシュルジャルに惹かれていることを知り、橋渡し役を買って出る。皇帝代理の役目を終え、メフメトの入隊式も済み、ムスタファとマヒデブランがマニサへ戻る日が近づいている。メフメトも地方赴任を望む。後宮に戻るなりハティジェとヒュッレムの小競り合いや諍いに疲れたスレイマンはフィルーゼを召す。夜伽のあったことを知るヒュッレムは嫉妬の業火に苛まれる。思い出すのは「もう若く美しい婦人ではないわ」とのハティジェの言葉。容色の衰えが気になり始める。マヒデブランとの別れの言葉にも自然と愁傷さがにじみ出る。タシュルジャルはムスタファと共にマニサに発つ。メフメトの成人に伴い、夜伽の側女を選ぶにあたってヒュッレムはフィルーゼこそ例の女だと知る。あまりの仕打ちに決然としてスレイマンの部屋に踏み込むが、ヒュッレムは卒倒してしまう。スンビュルはニギャールが長年知っていたことに気づき話を聞くが、例によって煙を巻くような弁解と真実と嘘を織り交ぜた話の上手さで、誤解を正解と思わせて面従腹背巧みに操っていたことを知る。, 常であれば美貌を生かしてスレイマンの腕の中で涙ながらに訴えるのはヒュッレムの筈であった。ご寝所に上がるなり気絶したヒュッレムの様に後宮の異変を感じ取ったスレイマンはアフィフェを呼び出して「後宮を保てと言ったはずだ。理由が何であれ醜悪な計略に加担するな」と初めてきつく叱責する。リュステムはスレイマンにイスケンデル派である自分はいずれイブラヒムから粛清の憂き目に遭うと奏上する。イブラヒムに確認するが「帝国の大宰相を侮辱し、陰口を叩く者は不要です。私は陛下の絶対的代理人なのですから」との弁だった。ミフリマーフと共にいたフィルーゼを見たヒュッレムは思わず声を上げる。フィルーゼはスレイマンの寝所で涙ながらに窮状を訴える。イブラヒムとハティジェは狩りの館に旅行に行き心を近付ける。イスタンブールの法官エブッスードが市中の視察に出る。, 事態を知ったミフリマーフはフィルーゼの個室を訪れる。ヒュッレムが嘆き悲しむ姿を初めて見たミフリマーフは「陛下の側女として何をしても構わない。だがお前は私たちの懐に入り名乗り出ず欺いた。その失態だけで私には十分」と述べる。厳かな気品に満ちた姿にフィルーゼは縮こまる。スレイマンは自室でトルコ石(フィルーゼ)の宝石装飾に注力している。イブラヒムはフィルーゼを呼び後見役を申し出る。ジハンギルはフィルーゼを恋しがる。ヒュッレムとリュステムはフィルーゼの排除に関する共謀をする。2人の結託を恐れるイブラヒムはリュステム排斥が既に失敗しているため、せめて中央政権から遠ざけるべくテケ県軍政官への昇進を言い渡す。スレイマンはチョバンに命じてイブラヒムが任命及び解任を行った抄録をまとめ上げさせる。スレイマンに奏上する機会を得たチョバンはイスタンブールの法官が悪徳裁判を行っていると付け加える。マニサに戻ったムスタファはヘレナと再会する。イブラヒムは政争による罷免は素早く行動する割に、大切なイスラム法に則った遵守がなされているかどうかについては後回しで調査が滞っていることを知ったスレイマンは自ら調査に乗り出す。, ムスタファはヘレナの父から婚約が決まっていることを聞かされる。ムスタファが村娘に夢中になっていることを知ったマヒデブランは反対の声を上げる。スレイマンとフィルーゼが中庭を散策していることを知ったミフリマーフは2人の間に入り、娘である自分との時間を作ってくれるよう父帝の約束を取り付ける。イブラヒムがリュステムの命を狙っていることを知ったニギャールは真夜中にリュステムの家を訪ねて結託を持ちかける。イブラヒムはハティジェとの仲直り晩餐会でメフメトにフズルからの献上物であるティツィアーノによるジュリア・ゴンザーガの絵を贈る。イブラヒムの抱擁の中ではハティジェはイブラヒムとニギャールの娘の面影を思い浮かべる。スレイマンは身分を隠してエブッスードの裁判傍聴に出かける。まさしく不貞行為についての裁きだった。見事な判決を聞いたスレイマンはエブッスードの見事な自宅の庭を訪れる。花も人も適量な水や正義がなければ枯れてしまうとの言葉に胸を打たれたスレイマンは、現在の帝国の法律を調べて足りないものを明らかにするよう頼む。, スレイマンとイブラヒムは法改正の方向性を話し合う。ヒュッレムはスレイマンと子供たちの狩りの館への旅行に同行を許されなかったことを知る。それを知ったミフリマーフも旅行を取りやめる。ムスタファに返り見られないファトマはフィダンに愚痴を言う。ヒュッレムはフィルーゼを呼び出し絞首台の前に立たせて首を締めるがすぐに解放し、お互いにスレイマンの心を失ったほうが猛毒をあおって死ぬ、という賭けを取り付ける。ヘレナはついに悪徳商人よりはましであろうムスタファ皇子の後宮に正体を知らぬまま入るがフィダンやファトマの冷たい視線にさらされる。ギリシャ系で純朴で貧しい娘ながら身分も知らずに愛した真っ直ぐな情熱をムスタファ皇子に向けるのだった。ファトマはマヒデブランにまで泣き言を言う。, ヒュッレムは後宮がハティジェ主導のもとアフィフェが総力を上げてフィルーゼを扱ってきたことについて、アフィフェに「お前のどこが公正? それはどんな正義?」と抗議する。「ハティジェ皇女、イブラヒム大宰相、母后、マヒデブラン、皆が私を冷血、魔女、妖術使い、毒婦、と呼び、何度殺されかけたか分からない。追放され処罰も受け、それでも皆が私への仕打ちには口をつぐみ誰一人語らない。フィルーゼはその皆を味方に付けた。皆が結束してあの者を守り、私の懐に忍び込ませ、私を笑い者にした。これがお前の公正なの? アフィフェ」と語り、アフィフェは目をそむけてしまう。マトラークチュが歴史戦記を書いていることを知り、イブラヒムは自分の遠征記の執筆も依頼する。スレイマンは狩りの館でメフメトと真剣で手合わせをする。ヒュッレムは以前スンビュルに頼んでいた、国内外の要人についての調査結果を受け取る。ヘレナはムスタファに他に妃がおり、しかも解任していることを知る。ミフリマーフは, 神聖な木曜の家族の日にフィルーゼを寝所に上げ、自分は帰されたことからヒュッレムはフィルーゼとの賭けに負けたと思い込む。かつてマヒデブランが木曜に上がろうとも手も触れられることもなく過ごされていた日。自分がいつしかマヒデブランから奪った日。自分の血のつながった家族は一体にどこにいるのだろう? ルテニアで死んでしまった者たちだろうか? 絶望から頭の冠を外しバルコニーで猛毒をあおろうとした瞬間、アフィフェの手が伸びて毒を奪い、命を救われ、あのあとフィルーゼは部屋に帰され夜伽はなかったと聞かされる。アフィフェは命を賭けたヒュッレムの誠実こめた強い愛情と神聖な木曜に準ずる信仰心を知り、真のお妃様であると信じるに足ると知ったのだった。マヒデブランはタシュルジャルにムスタファの側近として戒める。ヒュッレムはスレイマンに宗教寄進(ワクフ)として政府高官の妻を集め金銭的物質的ではなく精神的な協力による救貧院の建立を希望する。スンビュルは子守係の跡をつけてニギャールの子が生きていることを知る。ニギャールはイブラヒムとハティジェにリュステムとの結婚を希望する。ヒュッレムはイブラヒムにニギャールとの子の居場所を知っていることを匂わせる。, スレイマンはご寝所にジハンギルを呼び寄せてフィルーゼと3人で過ごす。ミフリマーフがジハンギルを寝かしつけのため連れ戻しに来る。イブラヒムはギュルフェムに詰問して子の墓の場所を聞き出すが、果たして墓には何も埋まっていないのだった。スンビュルは子の名前がカデル(運命)だと知る。夜も遅く初めてヒュッレムはイブラヒムから呼び出される。カデルを渡す代わりにフィルーゼを追放する取引をする。ムスタファは村と両親を恋しがるヘレナを後宮の外に連れ出す。純朴な両親には野心などはなく、ただ外聞と名誉のためヘレナとの結婚を希望される。ヘレナは貧しい暮らしながらも奴隷でなくオスマン帝国の自由市民なのだった。許し合い元鞘に収まったのもつかの間、イブラヒムはハティジェにいたいけもない幼子を連れ去るとは人間のすることか? と怒号を浴びせてしまう。イブラヒムは執拗にスンビュルも尋問する。メフメトは母が次々と降りかかる問題に対処する間にミフリマーフ付きの側女クララに入れあげている。ミフリマーフの理解を得ようとフィルーゼは躍起になる。ファトマは皇子がいるからといってマヒデブランが後から来たヒュッレムに出し抜かれたように安心できないと言ってフィダンに窘められる。, ヒュッレム主催の政府高官の妻たちの茶話会が開催される。反対票はなく皆からの賛成を取り付ける。スレイマンはエブッスードとジェラルザーデに法改正の検討委員会の結成させる。ニギャールはリュステムと再婚する。イブラヒムとハティジェはカデルとフィルーゼの交換条件について利害が対立している。ムスタファはマニサの市中で引きずり回されている女を助ける。既に髪は処罰のため短く刈り込まれているその女は、, 大宰相邸から娘が熱を出した知らせを受けてハティジェは癒しの手を持つフィルーゼを所望する。イブラヒムは大宰相邸の馬車をやるが行き先はボスポラス海峡の船上であり、中にはスンビュルが待っていた。取引成立とみなしたヒュッレムは大宰相邸にカデルを届ける手配をする。イブラヒムはその晩、世界でただ一人自分に属する家族カデルと共寝する。マニサに行くわずかな乖離の時間も今のメフメトには惜しい。クララにヌルバハル(光る春)と名付ける。翌朝すがすがしい気分で目覚めたヒュッレムは側女の大部屋にフィルーゼがいるのを発見する。イブラヒムはヒュッレムとの密約を破ったのだった。, スレイマン一行はマニサに到着する。イブラヒムはエブッスードの庭で詩人と死生観についての話をする。イブラヒムが敬愛するダンテ・アリギエーリ作「神曲」の中で「地獄への道は善意の石が敷かれている」との格言を引きながら傲慢な態度を示唆するが、イブラヒムは気分を害したように背を向けて去っていった。その夜は気の合うフズルとイタリア及びローマ征服に向けて語り合うことにする(イブラヒムの故郷パルガは現在のイタリアにある)。フズルは約束したジュリア・ゴンザーガについて「かの有名な公爵夫人を攫おうと攻撃するとローマ法王が勘違いして逃げちまって」と陽気に冗談を飛ばす。マニサではムスタファの息子に皇帝スレイマンと同じ名が与えられ衝撃が走る。ミフリマーフは中庭でタシュルジャルと密会する。アフィフェはフィルーゼに「ヒュッレムと張り合うな。あの夜止めなきゃ死んでいた。何も見ていなかった。お子たちも、有り余るほどの財産や地位さえも。頭から吹き飛んでいらした。過去の行いを正当化はできない。それでもあのような愛の前には誰もが頭を垂れるべきだ。ちょうど陛下でさえもそうあられるように」と説き伏せようとする。ヒュッレムはヘレナに嫌がらせしていたファトマを諌める。スレイマンは結婚の許可を願い出るムスタファに「お前は私の正義の代理人。奴隷でも戦利品でもない娘を拉致したのか。我が皇子たるものの振舞いか? 皇族の威信に傷がつく」と激怒する。一方、オスマン帝都のイブラヒムはフランス大使を前に「陛下は私に全権を託された。戦争も和平も私次第だ。最も危険な猛獣、獅子であろうと力ではなく知性で調教できる。猛獣使いはまず餌で手懐け習慣化させる。獅子とは君主であり、猛獣使いは宰相だ。私も尊きオスマン帝国の主を真実と正義の棒により躾ている」との衝撃的な発言をしていた。, スレイマンは2人の皇子ムスタファとメフメトに、イブラヒムとのマニサでの若き日々の話をする。目には楽しげな光が宿り息子たちに伝えることにもまた喜びを感じているようだった。イブラヒムはフランス大使を前に書記官ジェラールザーデの目がときたま鋭く光るような際どい発言を続けている。通商協定を提案する大使に「協定はしよう。だが我々はこれを協定とは呼ばない。我々からの下賜だからだ」と言い放つ。ムスタファはメフメトが狩りの館でスレイマンから聞いた、玉座を照らす一筋の光、それがメフメトだった――との夢の話を思い返していた。散策を続ける2人の背後の木立の陰から矢を射掛けた者がいるのを見てメフメトはとっさにムスタファを庇って負傷する。一方、帝都ではマトラークチュがニギャールをカデルのもとに案内する。フィルーゼが退屈しのぎに乗馬に出かけるが落馬する。リュステムが介抱しつつ首をへし折ろうとしたところ、首筋にタトゥーで刻まれた紋章を発見する。, スレイマンはムスタファの関与を疑っている。リュステムはニギャールが娘に会ったことを知り、母親と別れた日を回想する。ディアナはマヒデブラン妃に心酔しており、悪く言うナズルを平手打ちする。エブッスードは不肖の息子に手を焼かされている。スレイマンはムスタファの師にヘレナとの結婚を阻止するよう言いおいて帝都への帰途に着く。フィルーゼ存命を知ったヒュッレムはスンビュルから事情を聞き出し、リュステムを呼び出す。マヒデブランはムスタファの結婚について説得する。, スレイマンはハティジェを呼び出してイブラヒムの隠し子についてヒュッレムの所為にするのではなくイブラヒムと解決するよう言い渡す。リュステムが軍政官として赴任するのではなく妻ニギャールがカデルの世話をするために帝都に留まっていることが面白くない。リュステムはヒュッレムにサファーヴィー朝の王族を意味する紋章を見せ、危険を犯さずともフィルーゼを追い出せると請け合う。スレイマンはフランス大使の直接の拝謁を許し、フランスとの友好を宣言する。ローマのカール5世を亡き者にする同盟が申し出られるが、手のひらを返される可能性を鑑みて却下する。フズルの攻略したチュニスとアルジェが奪還されたことを引き合いに食い下がるが、カール5世がスレイマンの東方遠征の不在を狙った意気地の無さを避難して交わす。フランス大使は引き下がり通商協定の下賜への感謝と政治同盟は秘する盟約を述べる。ヒュッレムはフィルーゼを投獄する。怒り心頭のスレイマンはヒュッレムの居室に足を運ぶが、ヒュッレムはフィルーゼを引っ立てて「後宮に乗り込んだ目的を話せ」と命令する。スレイマンにサファーヴィー王朝の間諜である旨を暴露する。イブラヒムを呼び出し、レイ出身のアッシリア(現在のイラク)人だと思っていたとの弁解を受けるが、厳然として身元とこれまでの隠密行動の解明を命じる。タフマースブの一族をイブラヒムが隠れて連れ帰り後宮へ忍び込ませた疑惑を捨てきれないのだった。東方遠征のあいだ諜報活動をしていたのか、ジハンギルの薬と称して治療院から薬を調合してスレイマンの寝所で使用していたのか、杳として判明しない。ヒュッレムはハティジェに「私を消すために皇族の未来を危機に晒した」と詰め寄る。ハティジェはイブラヒムに苦境を訴える。イブラヒムは私がこの手で斬首すると答える。フィルーゼ黙秘を続けてスレイマン本人のみに釈明すると主張する。いわく「私はフィルーゼ・ベギュム・ハン。名前は私の愛と同じく偽っていおりません。タフマースブの姪で、父はタフマースブに殺された。切り札として利用された」と釈明する。「キリスト教とだと嘘をつきましたが、後宮の規定ではイスラム教徒は側女になれない。結婚しない限りは」と結婚を迫る。, スレイマンはフィルーゼの涙ながらの愛の告白を聞く。ハティジェは再び懐で蛇を育てていた憤怒を顕にする。イブラヒムはフィルーゼがタフマースブの従姉で、父がサームを支持したため追われたと話す。ファトマは皇子スレイマンをマヒデブランの腕に抱かせる。マヒデブランはフィダンに命じてファトマを追い詰めてヘレナを追放するようけしかける。企みが成功しそうになりながらディアナに暴かれる。実はマヒデブランの意図通りであったが忠実さゆえに正しく暴露したディアナを疎んじ始める。マヒデブランはイブラヒムに説得を頼む。ヒュッレムは愛を賭けて猛毒を片手にスレイマンがフィルーゼを後宮に残し正式な結婚をするかどうかを息を飲んで待つ。スレイマンの決定は「私の庇護を求める者は誰であれ敵(ペルシャ王朝のこと)の手には渡さぬ」と言葉を下賜し、アマスヤの館を渡すが生涯二度と会わぬというものだった。トプカプ宮殿を去るフィルーゼにヒュッレムは「お前の言う"真実の"愛は私の渡した毒薬を飲むほどの勇気を与えない」と言う。ヒュッレムはリュステムにペルシャから迎えが来るよう手配する。, ヒュッレムから渡された猛毒を手にフィルーゼを乗せた馬車がアマスヤへの道を辿る。途中で馬車が止められ、血が流されることもなく迎えが来たことを知る。ペルシャからの使者はフィルーゼをヒュメイラ・ハートン("女官"の意)と呼び、不仲と騙ったはずのタフマースブが心配していること、また本物のフィルーゼが別にいること、スレイマンの前で王族と偽ったのは結婚を迫るためであり、王族印を付けられていたのは間諜のためであり、そして真の王族ではないことから命も奪われず、騙った愛もおそらく真実ではなかったことが判明する。被り物のベールが落ちて顔が男たちの前で顕になる。一方、ローマでは法王が交代する。イブラヒムは新法王が先代法王ほどの支援をフランスに対してしないと忠言する。カール5世(神聖ローマ帝国)とフランソワ1世(フランソワ)の仲裁を担い、オスマン帝国への抵抗勢力を拡大し、再び十字軍遠征を組織するとの見方を示す。ただし法王には12万ドゥカ(金貨)ほどの財力しかないと足元を見て、スレイマンはキリスト教世界の分裂を目論見、ルターのバチカンへの抵抗活動を指示する。またヒュッレムの宗教寄進(ワクフ)に200万アクチェ(銀貨)の直領地を加えるよう御前会議で決定する。なお、この時点でのイブラヒムの俸給は300万アクチェである。ヒュッレムはエブッスードと離宮で会談を持ち、宗教寄進の助力を請い、モスク、救貧院、イスラム学院、コーラン学校、病院を含むモスク複合施設を建設するべきとの助言を得る。ヒュッレムはリュステムにタシュルジャルを見張るよう命じる。イブラヒムはブルサでムスタファと密会する。結婚の件を説得するためだった。しかしスレイマンにはエディルネ行きの許可を願い出たのであり嘘をついていることをヒュッレムがスレイマンに奏上する。「あなたを玉座から引きずり下ろす画策では?」と。リュステムはテケ赴任を前にニギャールに家中の財産を盗まれる。, ニギャールは娘を誘拐して逃げていた。イブラヒムは不在で、マトラークチュがリュステムに知らせる。スレイマンはブルサから戻ったイブラヒムを詰問する。イブラヒムは次第にスレイマンとの間に流れ始める不協和音を感じ取る。ヒュッレムが言葉巧みに誘導しているのだった。ヒュッレムはアヤスに近づく。イブラヒムはヒュッレムに蛇が小さいうちに潰さなかったのでいまや7つの頭を持つ竜になった、今こそ抹殺するべきだと脅迫とも取れる言葉を投げかける。ニギャールはボスポラス海峡の渡し船を手配する男に声をかけて生まれ故郷のスリナ(現在のルーマニア)へ渡る算段をする。ムスタファはイブラヒムの説得により考えを改めてヘレナと話をする。ヘレナは結婚せず村に帰ることとなる。ヒュッレムはミフリマーフ付き宦官ズムルトを締め上げてタシュルジャルとの仲を取り持っていたことを知る。スレイマンは玉座に座ったムスタファに命を奪われる夢を見る。, イブラヒムはニギャールの足跡を追い娘エスマヌルを取り戻す。「お前に娘と会わせぬ選択肢もあった、その返礼がこれか」と怒号を飛ばす。ヒュッレムはマニサへ忍び込ませた側女からムスタファが結婚を諦めたとの報告を受ける。ハティジェはメフメトの地方赴任を言い出すが時期尚早と言われる。イブラヒムはメフメトが地方赴任を望むようフズルと共に進言する。ミフリマーフは晩餐にも意気消沈している。ハティジェはミフリマーフに近づく。ヒュッレムは離宮でアヤスと密会する。ムスタファとイブラヒムの謀反の疑いが拭い去れず心痛が続くスレイマンは嵐の夢を見て倒れてしまう。, ヒュッレムは昏睡状態のスレイマンを発見する。医師から毒を長い間盛られていたと聞かされたイブラヒムは顔色を変える。フィルーゼが長年に渡り投薬していた可能性に思い当たる。アフィフェは息子でスレイマンとは乳兄弟でもあるヤフヤを呼び寄せるよう提案する。嫌疑を向けられていることを感じ取ったイブラヒムはヤフヤを即刻参内させる手配にまわり、夜を徹してマニサのムスタファのもとへ参上し、「オスマン帝国があなたをお待ち申し上げております」と奏上する。リュステムはヒュッレムにお子たちの命を救う道を確保すると約束する。ヒュッレムはメフメトと運命を待つ。翌朝マヒデブランはスレイマンの不調を聞く。幸い一命を取り留めたスレイマンは毒の調査をイブラヒムではなくアヤスに命じる。スレイマンはその理由をイブラヒムに「誰もお前に疑いを残さぬようにアヤスに命じたのだ」と言う。, マニサ宮に行商人(史実ではエステル・ハンダリ?)が参内する。密書を携えマニサの者と連絡を取っている。フィダンは調査を命じられる。エブッスードは断食月(ラマダン)に従うべき規則を書き出す。エブッスードの息子アフメトは暴力事件を起こして投獄される。それを知ったイブラヒムはパルガ生まれの子供でも偉大なる帝国の大宰相職にあるのにお前の息子は酒場で放蕩三昧だと侮辱する。ヒュッレムはスレイマンからメフメトの赴任が決まったことを聞かされる。スレイマンは命を救った乳兄弟ヤフヤの住まいを訪ねて夢の話をする。ヤフヤは重大な決断の岐路に立たされてお心を煩わせていらっしゃいますと言い当てる。調査から外されたイブラヒムはマトラークチュからフィルーゼがアマスヤに向かわずにペルシャの使者に迎えられたことを聞かされる。スレイマンは取りなしに参上したイブラヒムに「私が可能性で動けば皆が苦しむことになるだろう」と言う。回復してからのスレイマンは長らくヒュッレムを顧みなかった態度を改め優しく接する。ヒュッレムはスレイマンの数ヶ月に渡る被毒を許せずイブラヒムをとある館の建設現場に呼び出す。, ヒュッレムはイブラヒムと話し合いを持つ。ヒュッレムが去った後、イブラヒムは十数人の刺客に襲われる。1人2人斬り伏せ剣戟が舞う。辛くもイブラヒムは逃れる。一方マニサ宮では密偵探しが続いていた。タシュルジャルが手紙を燃やすところを見られ疑いの目を向けられる。ミフリマーフと連絡を取っているのだが言い出すことができない。マヒデブランは恋文は燃やすものではないと詰問を続ける。ファトマは皇子スレイマンを心配するあまり夜も眠れなくなる。ディアナが罠にかかり投獄されるが、ディアナを糾弾したギュリザールも疑われる。タシュルジャルからの頼りを待つミフリマーフの前でヌルバハルが失神する。医女の見立てでメフメトの子を身ごもっていることが分かる。ハティジェは断食明けに姉, ディアナ投獄中にも関わらずムスタファの命が狙われ、ギュリザールは追放される。メフメトはイブラヒムと過日フズルと造船所を見に行ったことにかこつけて海を見に連れ出される。それを知ったヒュッレムは命を狙った報復にメフメトが狙われると直感し顔色を変える。ヒュッレムはリュステムにメフメト捜索を依頼する。果たして崖下にメフメトの衣を纏った斧槍持ちペルチェムが倒れていた。エブッスードはスレイマンに「この世で最も大切なことは正義の天秤を保つこと、だが親しい者が疑われると人はまっすぐに天秤を持つことができなくなる」と奏上する。ヒュッレムはメフメトが心配になり地方赴任を遅らせるよう懇願する。, 断食月が始まる。善行を積むためヒュッレムも寄進を進める。エブッスードの妻とアヤス夫人にも協力を仰ぐ。マヒデブランとムスタファはマニサの騒動をイブラヒムに相談すべくタシュルジャルを帝都に派遣する。イブラヒムはギュリザールをスレイマンの前に突き出すとヒュッレムを脅す。ヒュッレムは朝までに女を殺すようリュステムに命ずる。リュステムはイブラヒムに暗殺者を始末されたことを知るが、機転を利かせて女の家族を捕らえ、馬車で護送されてくるギュリザールに見せる。家族の命を狙われたギュリザールはヒュッレムの密偵である証言を変え、タフマースブの使者の名を挙げ、イブラヒムがヒュッレム妃の名を言わせようと強要したと言い残してバルコニーから身投げする。ヒュッレムは女の家族が生涯食い扶持に困らぬよう手配する。イブラヒムはリュステムの出身を豚飼いの息子でクロアチアのブトミルの奴隷だと言うが、リュステムは一点だけ訂正する。「私は奴隷や徴用された改修者ではなく9歳で自分の意志を以って帝国に来た」と。, スレイマンは断食月に空腹のため気が荒ぶり立つ民を思い、市中の売買、衛生管理、取締りが法に準拠してなされるようエブッスードに監視を厳命する。イブラヒムでは外国人通商の権益を守る側に徹するからだった。蚊帳の外に置かれたイブラヒムは腹いせに御前会議にてエブッスードの不肖の息子アフメトの当てこすりを口にする。スレイマンとヒュッレムは最初の日没後の断食明けの晩餐(イフタール)を大宰相邸で過ごす。イブラヒムは400万アクチェへの俸給増額を願い出るが却下される。マニサでは皇子スレイマンが天然痘に罹患する。宮殿に出入りする者からの感染か陰謀かを嘆き悲しみながら審議する。ヒュッレムは宗教寄進を進める中、シェムセッディン夫人から贈られたイスラム教の聖典コーランをアヤスからイブラヒムに渡るよう手配する。イブラヒムはコーランの贈り物を拒絶し、夜間の特別礼拝(タラウィー)を欠席する。, ハティジェの招聘により皇女シャー・フーバンが到着する。幼少からハティジェとは気性が合わないと言われるシャーは先にトプカプ宮殿に参内する。リュステムはアヤ・ソフィア・モスク夜間の特別礼拝でイブラヒムに民衆の声を届けるよう命令する。逆上したイブラヒムは明日処刑すると喚く。翌朝、大宰相邸は怒れる民が押しかける。スレイマンは斬首はお前の一存ではなく裁判で決定すると言い渡す。マニサ宮では皇子スレイマンが夭折する。, ニギャールは娘との別れを嘆き悲しむ。イブラヒムはいつか必ず娘と再会できると請けあって安心させる。ハティジェとシャーとヒュッレムは晩餐のイフタールを共にする。ハティジェは裁判の必要性はないとスレイマンに訴えるが退けられる。ミフリマーフはメフメトの説得を続ける。エブッスード法官の裁判の見事さに傍聴していたスレイマンはある決心をする。悲しみに沈むマニサに側女のアイシェが懐妊したと伝えられる。ヒュッレムはアヤスと密談を持つ。アヤスはジェラールザーデに議事録の調査を命じる。ミフリマーフはヌルバハルの堕胎処置を知ったキラズに口止めをする。アイシェが皇子スレイマンを殺したと信じるファトマは深夜の襲撃に出る。アヤスはスレイマンに議事録を奏上する。, 「最も危険な猛獣であろうと力ではなく知性で調教できる」「猛獣使いはまず餌で手懐け、それを習慣化させるのだ」「獅子とは君主であり、猛獣使いは宰相である」「尊き帝国は私が支配している」との議事録にスレイマンは衝撃を受ける。日没後の食事(イフタール)を政府高官を呼びイブラヒムの大宰相邸で共に晩餐するとの招きにも気もそぞろな様子である。まるで我が傀儡であるかの傲岸で不遜な発言の数々に心痛の日々が続く。ミフリマーフは容赦なくキラズをトラブゾン宮に追放する。トプカプ宮殿に雪が降って側女たちも大喜びである。イブラヒム邸での晩餐にはスレイマンは欠席する。フランス大使がマキャベリ「君主論」の贈り物を献上する。フズルが悪魔の書と言われているとの風評を伝える。スレイマンは決意を抱えてエブッスードの家を訪ねて自分の勅令にイスラム法にかけても背かず死刑を執行するための知恵を仰ぐ。メフメトはミフリマーフが中絶をヌルバハルに強要したことを知る。, イブラヒムはシャーの訪問を受ける。過去イブラヒムとシャーは想いを通じ合っていた時期があったのだった。スレイマンはイブラヒムのバイオリンの音を所望する。ヒュッレムはヌルバハルの処置を知る。ヒュッレムはミフリマーフに秘密を持つなと嗜める。側女ニサからヌルバハルが追放されたことを聞いたメフメトはミフリマーフに声を荒らげる。エブッスードはスレイマンに知恵を授ける。コーランには預言者は眠りは死の兄弟であると書いた一節があるとのことで、眠る時に死に、目覚める時に生き返る、要はスレイマンが睡眠中であれば己の勅令にも背かず自分の決断として死刑を執行することができるというものだった。イブラヒムはシャーの夫である, スレイマンは憂いを振り払うがごとく速駆けに出る。森を馬で駆け抜け海を眺め、無実のイスケンデルを思い、イスケンデルの財産を没収して我がものとしたイブラヒムを思う。年の近いミフリマーフとエスマハンは仲を深める。スレイマンはヒュッレムを呼びイブラヒムと晩餐の会を持つ。スレイマンは若き日に鷹匠だったイブラヒムの姿を思う。イブラヒムは遅い晩餐だったことからトプカプ宮殿で夜を過ごすこととなる。悪魔の書「君主論」を床に就きながら読む。スレイマンは眠れぬ夜を過ごす。夜更けに黒服の死刑執行人が就寝しているイブラヒムを絞首する。ハティジェは真夜中に姉ベイハンの訪問を受ける。翌朝、目覚めたハティジェはイブラヒムの棺を目にする。, イブラヒムが庭の偶像に囲まれて横たわっている。スレイマンはルトフィーやカスムを含む御前会議を開くとアヤスに命じ、アヤスが大宰相職に任命された。ルトフィーはルメリ軍政官に異動となる。シャーはメルジャンからイブラヒムの死去を伝えられる。ハティジェは半狂乱でスレイマンに食って掛かる。側女、女官、宦官たちも勢揃いしている中でヒュッレムに暴言を吐く。マトラークチュはスレイマンにも知られぬ場所にイブラヒムを埋葬するよう命じられる。ヒュッレムはリュステムを帝都イスタンブールに召還できるよう画策する。アヤスと会談し、リュステムを御前会議に推挙するよう命じる。スレイマンは睡眠が禁忌(ハラム)になったかのように感じて一人苦しむ。, リュステムは一年前のイスケンデル処刑の日とイブラヒム処刑の日が同日であるとの指摘をする。日を決めるに当たっては思いつきなのではなくしばらく以前から決意を秘めていたのではないかと拝察する。ニギャールはマトラークチュのもとを訪れる。マトラークチュはニギャールと共に墓参りをする。マヒデブランとムスタファが帝都に戻る。マヒデブランとギュルフェムとハティジェはヒュッレムへの復讐を誓い合う。断食明けの皇帝挨拶の席にハティジェの姿はない。ルトフィーとリュステムのどちらが新しく御前会議に入閣する宰相になるか固唾を呑んで両陣営が緊張する中、ルトフィーの名が発表される。, リュステムと共に帝都に戻ったニギャールはハティジェに近づき「墓さえ作らせなかった者たちが大宰相の子供を生かしておくと思いますか?」と言葉巧みに誘導する。その実、自分だけはマトラークチュに聞いて墓の場所を知っているのだった。ヒュッレムはルトフィー宰相就任の祝いにかこつけてシャーの真意を確かめに訪れる。ハティジェはヒュッレムもシャーもハゲワシのようだとマヒデブランにこぼす。ムスタファはアヤスに忠告と見せかけて脅迫する。帝都より遥か山中にマルコチョールの姿があり十字軍の盾を持った兵士を切り伏せる。ギュルフェムはエスキサライ(旧宮殿)から優秀な女官を連れてきたと言ってマヒデブランに忠実なファーリエをトプカプ宮殿に務めさせる。ヒュッレムはイブラヒムの喪に沈む後宮で断食明けの祝宴を催して皇女陣を挑発する。地方赴任を再三申し出るメフメトはムスタファの横槍によりスレイマンにまずは遠征に出てから地方赴任を考えようと言われる。マヒデブランはミフリマーフとの恋を諦めるようタシュルジャルを説き伏せる。タシュルジャルはマトラークチュとエレニカの酒場で酌み交わす。, 挑発に昂然と反発を現すハティジェは「下劣な女」とヒュッレムを罵る。ミフリマーフは決意を秘めた瞳で「お言葉に注意を」と対抗する。頭の良いシャーはスレイマンを動かせた。ハティジェがヒュッレムを側女たちの前で侮辱し続ける中、スレイマンが宴を訪れる。大宰相邸にてシャーは初めて「感情的に振る舞っていいことがあった?」とハティジェ、マヒデブラン、ギュルフェム、ベイハン側に立ち嗜める立場を表した。マヒデブランの意に従い、タシュルジャルはミフリマーフを諦める。ニギャールはイブラヒムの墓に語りかける。後を尾行したシャーはイブラヒムの墓の場所を知る。シャーは言葉巧みにニギャールの復讐の矛先をヒュッレムに向ける。ニギャールが去った後、シャーは一人イブラヒムの墓に誓う。シャーはマヒデブランをマニサに戻す。アヤスを呼び出したヒュッレムはリュステムの御前会議入りについてテケ県軍政官からディヤルバクル州軍政官に昇進させるのが先決だと言われる。マルコチョールが帝都入りする。エブッスードのもとを訪れたスレイマンは暗い胸の内を慰められるような思いをしていた。, 帝都に任務のため到着したマルコチョールとマトラークチュは馴染みの酒場で忌憚なく語り合う。シャーはリュステムを離宮に呼び出して面会を持つ。ニギャールが後宮に上がりヒュッレムへリュステムへの疑いを植え付ける。ハティジェは私的なイブラヒムの追悼の儀を大宰相邸で催す。後宮に潜入したファーリエはマヒデブランの密命で入浴中のヒュッレムのもとへ短刀を片手に向かう。異変を感じ取ったスンビュルが外から扉を叩く音で形勢不利と見て取り、お妃様の命を守るためだったと嘘をつき手柄を褒めて遣わされる。アフィフェはファーリエに目を光らせる。メフメトとエスマハンが近づく。, 中庭の開放的な空気の中ミフリマーフは数年ぶりにマルコチョールと再会する。幼い頃はマルコチョールと結婚するのだと口にしていた相手だった。メルジャンから報告を受けたシャーはハティジェに大人しくしているよう言い渡す。さもなくばムスタファにも疑いがかかるのだった。シャーはギュルフェムとファーリエを呼び出して事情を聞き出し、今後は自分に仕えるよう言い渡す。アフィフェはエスキサライに送り返すよう主張するがヒュッレムは退ける。ヒュッレムはファーリエに自分に仕えるよう大金を渡す。その頃バチカン法王はオスマン帝国のイタリア遠征への対処の心構えを説いていた。御前会議ではベネチアを攻撃対象とするか否かを焦点に話し合いが持たれる。バチカンはモルダヴィア(現在のロシアの西側の東欧との境にあった国)大使が訪れる。ヒュッレムはミフリマーフのタシュルジャルとの恋の手引をしたズムルトの追放を決定する。ハティジェはマニサに追放となる。, 思惑が交錯する中、パルガ出身のイブラヒムの生涯の夢だったイタリア遠征に向けて始動する。マルコチョールを従えたスレイマンは外国人に通商を与えている市中観察に赴く。バチカンが差し向けたモルダヴィア大使の手先が凶刃を振るおうとした瞬間マルコチョールが捉える。後宮ではシャーがヒュッレムの用意した新居ではなくハティジェの屋敷に移ると言い出す。マルコチョールの誠心の重臣ぶりを再確認したスレイマンは近侍として帝都に留任させる。セリムとバヤジトは喧嘩が絶えない。殊に今回のイタリア遠征にはメフメトとセリムを伴い、ムスタファとバヤジトを残留するとの沙汰が下ったからだった。ヒュッレムは皇子たちを諌める。シャーはニギャールに時期を待つように言い渡す。ヒュッレムのもとへリュステムの手配したマニサの厩舎の馬番ハリルが重大な告発を携えて参内する。ヒュッレムは血相を抱えて帝都の責任者チョバンを呼び出してムスタファが挙兵して帝都に進軍したと報告する。, 皇子たちの命を守るためミフリマーフと案じるヒュッレムはバヤジトの思わぬ勇敢な一言に救われる。スンビュルはアフィフェに急ぎ知らせる。スレイマンは遠征先で奇襲に遭い、メフメトとセリムの安否も分からないという。チョバンを呼び出したシャーはムスタファの進軍を止める手紙を書くよう説得される。ミフリマーフは弟たちの命を守るためシャーに援助を請う。バヤジトは安全を考慮してヒュッレムしか知らぬ筈の場所へ護送されるが途中で襲撃される。ニギャールはヒュッレムにリュステムは自分の利益が一番の男だと吹き込み、ムスタファが玉座に就けば他の皇子が殺されるため、先んじて王座に皇子の一人を就けるよう勧める。スレイマンの無事が確認された中、バヤジトが行方不明になる。捜索の末にある小屋にたどり着いたヒュッレムはシャーから全て自分の仕組んだ狂言だと聞かされる。一瞬で破滅が訪れるので教訓を得るように、と言われ、ヒュッレムは激高してとうとう立場を表明したシャーに戦線布告する。一方リュステムはマトラークチュとイブラヒムを巡り対立していた。, ミフリマーフは母ヒュッレムにシャーの魂胆を見抜けなかったと謝罪する。シャーはスレイマン不在中にヒュッレムがいずれかの皇子に玉座占領宣言を勧告すると踏んでいたのだった。ニギャールは役目を担ったものの予想通りの結果だったとシャーに奏上する。ニギャールが敵であると判明したヒュッレムとスンビュルは話し合う。アフィフェは単身シャーの館に乗り込み計略への遺憾の意を表する。シャーはヒュッレムは悪行三昧だが私は品行方正で私の関与を兄が信じる筈がないと言い切る。マニサのハティジェとマヒデブランは占い師サーリハを呼び寄せる。シャーに元大宰相邸を乗っ取られたと知ったハティジェは激怒し帝都へ帰る。その手紙にはシャーこそがイブラヒムの死に関与した者だとあったからだ。戦場のセリムは兵士処刑を見て嘔吐する。スレイマンにフズルからベネチアの裏切りが伝えられる。あまつさえオトラント(現在の南イタリア)にも艦隊を以って参戦するため上陸したとのことでアヤスが叱責される。シャーの館を訪れたハティジェは昔シャーがイブラヒムに宛てた手紙を手にする。, ハティジェはシャーが昔イブラヒムと恋仲にあったことを知った。シャーに元自分の館からトプカプ宮殿に移るよう言い争う。ハティジェは宮殿の地下から自分のものを屋敷に戻すようアフィフェに言いつける。ハティジェから非難されたシャーは怒り心頭でヒュッレムに「奴隷として連れて来られたのだから奴隷として死ね。スルタンは称号ではなく血だ。お前には流れていない」と暴言する。一方、大艦隊を率いたフズルはバチカンのローマ法王、カール5世、フェルディナント、中立だった筈のベネチア、逃げ回っていたはずの十字軍、全キリスト教世界が一丸となってイタリアに集結したことに敵を一掃する機会であると熱り立っていた。シャーの意向でメルジャンが陣頭指揮を執り作戦が展開される。ファーリエが主犯格でニギャールはスンビュルを足止めする役だったが、スンビュルからシャーがイブラヒムと熱愛関係にあったことを聞かされる。ハティジェはミフリマーフを引き止める。ファーリエはナズルを捕らえ地下牢に拘束する。メルジャンが尋問し、ナズルはハティジェにシャーの手紙について証言させられる。ハティジェは皇統の血族を長年世話してきたナズルの死について責任がヒュッレムにあるとなじるが、手を下したのはシャーなのだった。ヒュッレムへの憎しみから考えを変え、シャーに屋敷を渡したまま宮殿に留まる決意をする。マニサ宮にジェノバの女商人, ガブリエラはマヒデブランに外国人通商の保護を求める。ムスタファは法官に事情を聞きただす。ハティジェの計らいで占い師サーリハが女官としてトプカプ宮殿に参上する。長期戦になる見通しだったスレイマンからヒュッレムに恋文が届けられる。スレイマンはベネチアが手のひらを返したためコルフ包囲が冬季に差し掛かりそうなことから引き上げを決意する。帰還の挨拶にはハティジェも出席してスレイマンを喜ばせた。シャーの屋敷にルトフィーが戻る。ハティジェはサーリハに怪しげな薬を煎じさせる。ヒュッレムから事情を聞かされたとしてもスレイマンが自分の側を信じるものと思っていたシャーだったが、スレイマンはムスタファの挙兵を一番の問題として激怒していることに気付かされる。皇子を玉座に座らせる計略だったと説明しても同じことがムスタファにも言えるだけで説明の意味をなさないのだった。, スレイマンはエブッスードを帝都イスタンブールの法官からルメリ軍法官へ昇進させる。ヒュッレムはニギャールからミフリマーフとマルコチョールが離宮で密会をしていると聞かされるが、そこに待っていたのはハティジェだった。ヒュッレムはサーリハに羽交い締めにされ薬を嗅がされ気を失う。気がついたときには記憶を失って自室に寝かされており身体には発疹が出始めていた。シャーはハティジェが単独行動を始めたことに気づき詰問するがはぐらかされる。シャーはメルジャンにヒュッレムの監視を命令する。シャーはニギャールを呼び出しハティジェの行動について訪ねるがニギャールは自分がハティジェとヒュッレムを引き合わせたにも関わらず知らぬ振りをする。スンビュルとアフィフェは記憶を失う直前のヒュッレムがニギャールの訪問を受けていたことを突き止める。シャーは夜にルトフィーと部屋で語り合うが共寝はせず自室に帰るよう言い渡す。スンビュルがニギャールをヒュッレムの前に突き出すがいつもの如くしらばくれるばかりだった。, 舞台は奴隷兵(カプクル)イブラヒムの声と共に幕を開ける。断食月のある春の夜に謀殺された無念さと死して煉獄に落ちた苦しみを訴える。ヒュッレムは占星術師に帝国の後継者を占わせる。アマスヤに赴任中のムスタファはある日帝都に呼び戻される。セリムとバヤジトも呼び戻され、ジハンギルの成人の帯刀式の儀のためだけでなく近く玉座に一番近い県と言われるマニサに赴任する皇子の名が発表されるからこその招聘と噂される。大宰相となったリュステムのもとを訪れたフズルは大宰相職を象徴する赤の長衣(カフタン)は言わば炎の衣だと言う。ミフリマーフが侍女長となったギュルバハルを呼びヒュッレムを探させるが宮殿内に姿が見当たらない。ルメイサの娘ネルギスシャーを連れたムスタファが帰途する道上に歩兵常備軍(イェニチェリ)が激励の列をなして見送る。リュステムもアジズから報告を受ける。ヒュッレムはマヒデブランの計略により殺害されたメフメトを思い出す。スレイマンはメフメトを思い、エブッスードとマトラークチュ以外の者と会わぬ日々が続いていた。, フズルはムスタファを自分の艦船に誘う。エブッスードはリュステムにイスラム長老と宗教的見解(ファトワー)が合わないとこぼす。スレイマンはジハンギルに獅子の指輪を贈る。帯刀式のマヒデブランはヒュッレムに「お前の罪を背負った可哀相なジハンギル皇子」と暴言を吐き「私の血は王朝で染まっていないわ。悪人を見たければ鏡を見なさい」と言われる報いを受ける。リュステムはスレイマンにイェニチェリが敬愛するムスタファを数千の兵を持って出迎えたと言う。セリムの, ミフリマーフの屋敷にて内輪の晩餐会が催される。セリムが棒術の疲労を理由に自室へ下がるとバヤジトが口を開く。ミフリマーフとリュステムにはバヤジトが有力と見られていた。国庫の手当の少なさを理由にバヤジトは50万アクチェ(銀貨)の補填を願い出る。セリムは傍聴していた女官から資金困窮の内輪話を入手する。チェチーリアは真夜中に父が殺されたときの夢を見て飛び起き自殺を謀るがミフリマーフの屋敷から戻る途中のセリムにより介抱される。ヒュッレムは「知恵がなければ美しさなど無価値」と言う。, 皇子選出の聖断が一段落してスレイマンとヒュッレムは久しぶりに語らい合う。気がかりが晴れてあえてヒュッレム失踪の暗雲が重く垂れ込めた時期の離別の苦しみを吐露する。マヒデブランはヒュッレムがセリムを推挙した真意など誰にも分からないという。リュステムはヒュッレムにセリムでは勢いが衰えると忠言するがヒュッレムは狙われるのはむしろ皇子たちではなく自分だと言う。チェチーリアは一計を講じてセリムの湯浴みに居合わせるが一顧だにされない。アマスヤへ急ぎ帰るムスタファ一行を木立の陰から下見する黒衣の男が二人隠れ潜んでいる。ムスタファの護衛が何事かを頷くと、夜明けと共に身なりの粗末な男共が一斉に襲撃を開始する。しかし黒衣の男二人で掃討される。襲撃者が一人捕らえられアマスヤの商人カスムの命令だったと白状する。だが実際はリュステムとヒュッレムにより仕組まれた罠でヒュッレムは失敗に激高する。陰の守護者がいるようだとリュステムは弁解としてフズルの名を挙げるがヒュッレムは納得しない。懐妊中のルメイサがムスタファを庇って身代わりになったのだった。一方チェチーリアはセリムのマニサ赴任の後宮に入るべくスンビュルに心付けを見せ取引するが侍女だったヴァレリアに出し抜かれる。エブッスードがスレイマンに現金による宗教寄進(ワクフ)の廃止の弊害を語る。セリムとバヤジトが早駆けの勝負をして行方不明となるがバヤジトがセリムを助ける。口論となった二人の皇子は血相を抱えて駆けつけたスレイマンに違う説明をする。, チェチーリアは稽古場から持ち去った紙と鉛筆で夜に後宮の屋根に登り星を素描する。アフィフェは衛兵に命じて連れ戻す。牢屋に禁固される直前にヒュッレム妃の行く末を星々から教わったので伝えて欲しいと叫び残す。スレイマンがバヤジトに「誰かに過ちを唆し更に追い打ちをかけるのであれば、その誘導した過ちはお前自身のものだ。怒りで我が身を滅ぼす性分を直せ」と叱る。翌朝アフィフェがチェチーリアをヒュッレムの目前に連れ出す。チェチーリアはヒュッレムという炎を読み解く。マニサではマヒデブランがメフメトを謀殺した自分の罪を被ってルメイサと孫皇子が死んだのではないかと嘆き沈む。ムスタファは剣を手に勇猛にカスムと渡り合い、リュステムの従者アジズが依頼者との自白を得る。カスムを生かしておくも口封じに殺害されたことからムスタファはアマスヤ宮殿内部に反逆者がいることを知る。リュステムがムスタファの師から受け取ったとされる、ペルシャ人の庇護者カスムとの確執を書いた手紙がスレイマンに奏上される。ムスタファは慎重の上に慎重を重ねてフズルが差し向けたという黒衣の伝令二人の身元を照会する。マニサ赴任を明日に控えて浮き立つヴァレリアをよそ目にチェチーリアは落ち着かない。ヒュッレムに直接訴え忠誠を誓う代わりにヌールバーヌー(光り輝く女)の名を賜り、ヴァレリアの代わりにマニサ後宮へ上がることとなる。, ヒュッレムが自室のバルコニーで倒れる。医女の診断は閉経による更年期障害だった。もはや皇帝の皇子を産むことはできない。ヒュッレムはスンビュルとファーリエと医女に箝口令を敷く。, 後宮ではファトマ主催の宴が催され、ヒュッレムとミフリマーフが招待される。側女たちも勢揃いの中、ファトマにより更年期障害を暴露されたヒュッレムは一人部屋で号泣する。ミフリマーフは「楽しみのため女心を弄ぶとは」と公然とファトマを避難する。スレイマンはフェネリザーデを直接召喚して事情を聞く。その夜フーリジハンの奏でるバイオリンの音を聴いたスレイマンはイブラヒムとの思い出の記憶に圧倒される。閉経を迎えた女は美貌を持つ若い女に敵わないとしたファトマはスレイマンにギュルフェム推薦の側女を夜伽の献上品として用意する。, 皇子は痩せた女はお好みではない、と言われながらも葡萄酒を片手に、単身夜伽に乗り込んだヌールバーヌーは全て忘れさせるとの約束の一夜を過ごす。フーリジハンはファトマから手渡されたイブラヒムの日記を毎夜繰る。誇り高いヒュッレムは閉経の事実を公開されて側女を献上しない訳にはいかなかった。女人としての感情を抑えヴァレリアを選び赤い衣を着せて夜伽に参らせ、過ぎ去った残酷で美しい時間を思い慟哭する。ファトマはメレキから昨夜女人がご寝所に送られたことを聞く。ヒュッレムは「盲人は見えず。誇り高き者は見ず」の故郷のことわざを胸に、己の自惚れや虚栄心に負けないことを誓う。バヤジトはキュタフヤにすぐには戻らない意をジハンギルに明かす。ヌールバーヌーが朝食の手配をする間にセリムは苛立ちから鏡を割り豹変する。ジャンフェダーにお悩みを知らなければ忘れさせてあげられないと懇願するが事情はカザンフェルしか知らないと言われる。アトマジャが非正規騎兵(アクンジュ)ヤヴズをフズルに紹介する。ミフリュニーサはフズルのもとに帰らずアマスヤのムスタファの後宮近くの農家に住むことを決意する。アトマジャはイェニチェリの長官アリに重大な任務を伝令する。警備隊長は命が狙われているとリュステムに伝令する。ごひいきの部屋に通されたヌールバーヌーはディルシャーと同室と知る。ファトマはヴァレリアを訪れてヒュッレムの施した避妊処置を知ると、ナーゼニン(上品かつ優美の意)の名を与えて今後は処置しないよう言い渡す。, スレイマンはバヤジトの荒い気性を気に病む。神聖な合同金曜礼拝を前にマトラークチュとジハンギルはバヤジトに反省の色をスレイマンに見せるよう促す。リュステムは屋敷の警護確認に余念がない。ムスタファはミフリュニーサと木剣で手合わせする。ファトマはフーリジハンを焚き付けてバヤジトとの恋を後援し、ナーゼニンをスレイマンのご寝所に送り込む。スレイマンはムスタファ暗殺の件で内心引責をリュステムに負わせているため不協和音が漂っている。命の危険から再三イェニチェリの長官アリを罷免するようヒュッレムを説得しかかるが許可が降りず不安を拭い去れない。民衆にムスタファやバヤジトより愛されていないのではないかと自信をなくす中、カザンフェルがセリムを市中のモスクへ金曜礼拝に行くよう説得する。果たしてそこには敬愛を表して民衆が集まっていた。マニサ宮に戻ると一年分の食糧が寄付されており、セリムは民に慕われていることを確信して自信を取り戻す。だがそれらは全てカザンフェルに命じてヌールバーヌーが手配させたものだった。安堵するカザンフェルの前に市中で殺された商人アフメトの妻が現れる。リュステムは長官アリの大宰相就任祝いの宴の招待を受ける。スンビュルは市中の女生地商人ジェヴヘルと出会う。スンビュルからバヤジトとフーリジハンが市中で買い物をしていた報告を受けたヒュッレムは、激怒してバヤジトの欠点をあげつらってしまう。, 皇子の赴任先で宗教寄進(ワクフ)を行うのは皇子の母の務めである。マヒデブランは宴を開いて支援者を探す。リュステムはイェニチェリの兵舎で長官アリの歓待を受けるが我慢の限界に達する。バヤジトはスレイマンに赴任先のキュタフヤに出立の挨拶をする。マトラークチュがリュステムとアリの諍いをスレイマンに奏上する。会議で独断にてアリを罷免しようとするリュステムにフズルが意見する。リュステムはスレイマンの叱責を受ける。アマスヤではミフリュニーサが農場の改装に出た途中に怪しい動きをしている警備隊長を発見するが逆に見つかってしまう。危ういところをアトマジャとヤヴズに救われる。ムスタファが警備隊長を生かして利用する命令に背いたとして慌てるが、警備隊長が持っていた文を手渡し、役目を無事に終えたと報告する。ヒュッレムがリュステムを取りなす奔走に追われる中、ナーゼニンがファトマに何事かを奏上する。マニサではヌールバーヌーがセリムの夜伽に上がり、全てを忘れさせるとの約束を果たしに参上する。ヌールバーヌーはベネチアの舞踏会では皆が仮面に顔を隠し、男も女も共に踊ると話してセリムを楽しませる。スレイマンとヒュッレムが朝食を共にする中、ナーゼニンが懐妊を伝える。リュステムは腹心のアジズを亡くし、代わりに格闘家を倒して名を上げ、ザール(伝説の勇者)とも噂される, ○史実では、この年、民衆を虐げたなどとして、海軍提督ジャフェル・アーが処刑される(第2話)。, ○この年、ベネチア元首の子アルヴィーゼ・グリッティが、大宰相イブラヒムおよび皇帝スレイマンと初めて会見する, ○この年、大宰相イブラヒム・パシャが、フランス大使ジャン・ド・ラ・フォレと、フランス商人の特権を保証する条約を結んだとされる, 2019年5月23日 - 7月22日に再放映(平日の深夜26時-28時に2話連続放映), シーズン1: (配信開始日は不詳)-2019年8月31日まで、全48話が同時に配信されている。, Muhteşem Yüzyıl Vol.1 (Orijinal Dizi Müzikleri)(2013年), Muhteşem Yüzyıl, Vol.2 (Orijinal Dizi Müzikleri)(2014年).