父娘間の対立に娘が勝利してから約2年。大塚家具は2016年12月期決算で過去最悪の赤字に陥りました。一方、競合のニトリは17年2月期決算で30年連続の増収増益を達成。同じ家具業界で明暗が分かれた原因を2社の決算内容から探ります。 今回は日本のインテリア大手のニトリホールディングス、良品計画、大塚家具、島忠の4社にクローズアップ。有価証券報告書の数字から企業の実態、業界の実態を見ていきます。最後には志望動機として使えそうな点も紹介していますので参考にしてみてください。 家具・インテリア業界は、1991年をピークに右肩下がりの産業ですが、昨今は、ニトリや良品企画など、新しい仕組みや価値観を生み出す企業が業界をリードし、市場も活性化してきました。今後は、オンラインを上手く使う企業がこの業界で生き残れるでしょう。 の4社を有価証券報告書に記載されている事柄から比較することで、イメージではなくその企業ひいてはその業界の「事実」の確認が出来ればと思っています。, 無印も健闘していますがはるかに及ばず、売上においては1.5倍で純利益では2倍近くの差をつけられています。, 概ね各社財務はかなり健全なのですが、短期の資金繰りという面においては大塚家具が異様に手元に現金を蓄えているようです。, FCFはニトリの一人勝ちで他社と比べて文字通り桁違いの自由資金を手元に残せています。, なんとなくですが順位が下がるにつれて販売している商品単価は逆に上がっていっているように思えます。, 頭一つ抜けて販管費がかかっていない島忠と、頭一つ抜けて販管費がかかっている大塚家具が目立ちます。, 無印以外は研究開発費を計上していないので比較するのもアレなのですが、いちおう記載しておきます。, チーム力ではニトリの後塵を拝していた印象の島忠ですが、個人技となると圧倒的な強さを発揮します。, ※ この会社は「セグメント売上」の記載しかなかったので「セグメント利益」と「セグメント利益/売上」は省略します。, 特にこれといったコメントはありませんが、世間一般のイメージ通りではないでしょうか。, この会社は地域ごとでセグメント分けされていたのでそれを記載しますが、売上においては大方のイメージ通りに「日本」がメインなのですが、利益を見てみると「日本」と「東アジア」でだいたい半分ずつ稼いでいるようです。, しかもここでの利益は「純利益」ではなくて「営業利益」なので本業で大苦戦していることがわかります。, 売上を見てみても利益を見てみてもこの会社は「家具の会社」というよりは「ホームセンター用品の会社」ということがわかります。, ただ利益率は「ホームセンター用品」よりも「家具・ホームファッション」の方が高いです。, というか「ホームセンター用品」の「営業利益率:28.7%」ですら異常に高い営業利益率なのですが、「家具・ホームファッション」の「営業利益率:43.1%」は異常を通り越して異次元の超高営業利益率です。, 無印だけが海外展開に成功していて、他の3社は依然としてかなりドメスティックな会社であることがわかります。, これまで見てきた 社の順位を「利益性」「コスト」「安全性」「チーム力」「個人技」の括りで下記します。, ※ 総合点と平均が低ければ低いほど各項目について「優れている」ということになります。, 流動比率の相対的な少なさと売上における個人技の相対的な弱さ以外はこれといった弱点がなく、ニトリが安定して1位です。, 島忠は利益性の項目においてはあまり目立ちませんでしたが、個人技の強さとコスト効率の良さで挽回して2位となっています。, そして無印は各項目にそれほどバラツキはないのですが、これといった強みがそこまでないことが響いて3位という結果になっています。, 「最大手の看板を背負って働きたい」という人や「優良企業で働きたい」という人にとってはこの会社以上の会社は同じ業界内にはありません。, なので「海外で働きたい」という人にとっては会社側の需要の観点からも打って付けなのではないかと思います。, 見ての通り現状赤字のこの会社ですが、「充実した財務基盤」という本業の立て直しに必要不可欠な武器はあります。, なのでこの会社に向いている人はある種の「チャレンジ精神」や「ベンチャースピリット」を持ち、「自分の活躍で苦境の会社を立て直す!」という気概を持った人にとってはまさに打って付けの会社だと思います。, ただ最新の決算書の財務情報と損益の状況から鑑みるに、立て直しの猶予はおそらくあと3~5年くらいなので「とにかくバリバリ働いて、短期間の間に目に見える成果を出したい」という人の方が良いと思います。, 業績的にはニトリの陰に、世間のイメージ的には無印の陰に隠れてあまり目立ちませんが、数字を追っていく中でかなりの優良企業であることがわかってきました。, 事業規模では無印に及びませんが、少なくとも総合的な会社のクオリティは無印よりも上だと思います。, なので「優良企業で働きたい」という人にとってはかなりの穴場になるのではないでしょうか。, これまでまとめてきた事項は数字を元にした会社の実態ではありますが、より正確に実態を掴むためにも説明会で質問してみたり実際に社員の人に会ったりして、調べた情報とズレていないかどうかを確認してみた上で、ESや面接で使用することをおすすめします。, 「男性の就活の証明写真の撮影時に着るべきスーツはどれ?OK・NGスーツをそれぞれ紹介します!」を新規公開しました, 企業の実態を丸裸!~有価証券報告書を使った企業研究~ 「ニトリホールディングス編」, 男性の就活の証明写真の撮影時に着るべきスーツはどれ?OK・NGスーツをそれぞれ紹介します!.