小惑星由来の隕石、太陽系初期の歴史に一石を投じる. 創刊20周年特別付録「星空未来カレンダー2021-2040」/ 南天の星雲・星団 / うお座の正体 / ほどよい滲みフィルター / R18プラネタリウム / ほか, 最新版 11.0e RAW現像からコンポジットまでの自動化や画像調整の操作性向上で天体画像処理の効率を大幅にアップ, 主な現象/(10月29日:月と火星が接近/)金星(未明~明け方)、火星(夕方~未明)、木星・土星(夕方~宵)/1日:天王星が衝/11日:水星が西方最大離角/13日:細い月と金星が接近/…, 天体写真の撮影時にカメラレンズの結露を防止する電熱線式ヒーター。DC 12V電源対応。, 天体写真や日出日入、月齢などのデータに加え、その月の星空や観測ガイド、天象ハイライトなどの情報も一挙掲載した大判カレンダー。, @池袋コミュニティ・カレッジ Evidence for early asteroidal collisions prior to 4.15 Ga from basaltic eucrite phosphate U–Pb chronology. Tweet. 隕石ってなんかロマンがある。空から燃え尽きずに地上にたどり着いたものと思うと、なんかかっこいい。実はその隕石の所持数、実は日本が世界第二位なのだ。この小さな島国で世界二位…。そんなにたくさん隕石落ちてきてたかな…?あまり報道されていない気がするけれど。 緑: 1901/1950. 「天体写真画像処理講座(全4回)」受講申し込み受付中, 小惑星ベスタ由来の隕石が40億年以上前の衝突年代を示した。太陽系で大量の天体衝突があったとされる「後期重爆撃期」の年代より古い。. 隕石からみなさんは何を連想するでしょうか? 宇宙,流れ星,クレーターなどといったところでしょうか。数年に一度,隕石の落下がニュースになりますが,知っているようで知らない隕石。地球上に隕石が約25,000個もあること知ってましたか?実は隕石, 原始太陽系や宇宙の誕生に関してとても大切な情報を持っています。, とは言っても,もちろん原始太陽系の姿を探るという壮大なテーマが,1つの研究から一朝一夕に明らかになるわけではありません。いろんな角度から,地道に少しずつ可能性を探っていくことが大切になってきます(これはどこの分野でも共通ですよね)。さて,原始太陽系の姿を解き明かす中で,隕石からは,どのような情報が,どの程度,どういう解析法によって得られるのでしょうか?, 第12回目の研究室探訪は,隕石から太陽系の起源について研究されている地球惑星科学専攻の杉浦先生を訪ね,隕石にまつわるお話をお聞かせいただきました。, 三宅:太陽系の起源を探るのに,他にいろいろと方法がある中で,どうして隕石を研究対象にされたのですか?, 杉浦:元々惑星とか宇宙のことに興味があって,その辺のテーマに手をつけたいなと思っていたんだけども,どこから手をつけていいかわからなかったんです。大学院に入るときに,なんかある程度これがやりたいというテーマを指導教官に言わなければならなくて,何にしようかなと思っていろいろ悩んでいた時に,本を見てると隕石から宇宙の起源がわかるってことがちらっと書いてあって,それを見て,これにしようかと。, 杉浦:ある意味そうですね。まあ大学院の頃のテーマは, 直接に太陽系の起源ではなくて隕石の残留磁化についてだったんですが,興味としてはそういうところにあったわけですね。, 杉浦:例えば地球の岩石を調べて太陽系のできたときの姿はわからないですよね。それは地球の中にはたくさんの熱源があって,地球を溶かしたりいろんなことをしてしまうから,当時の様子を覚えてないわけです。隕石みたいな小さな天体は多少熱源を持っていても表面からどんどん熱が逃げてしまい,すぐに冷えてしまう。すると45億年前にはすでに冷えて,その後は何の変化もしていない。つまり昔の状態を維持しているので隕石から昔のことがよくわかるのです。熱源の量は体積に比例するので半径の3乗に比例しますよね。熱が逃げていくのは表面からなので半径の2乗に比例する。冷え方は半径の2乗,熱源は半径の3乗で効いてくるでしょ。だから小さな天体ほど昔のことを覚えてるわけですよ。, 三宅:そもそも太陽系の起源を探るのにどのようなアプローチの仕方がありますか? その中で隕石を用いるメリットはなんですか?, 杉浦:原始太陽系の研究には, 大体3つのアプローチがあって,まず隕石を見るのが一つだよね。二つ目は,太陽があってその周りに原始太陽系星雲というのが取り巻いていて,そういうものが時間とともにどう進化するのかということを古典力学的に解くっていう理論的なアプローチがある。最後は天文学的なアプローチで,実際に現在星が作られている星間星雲を観察して,星とその周りの惑星系が構築される様子を探るんです。例えば,星雲から発せられる赤外線などから惑星ができつつあることを示すシグナルを観測すればいいですよね。このような3つのアプローチを総合して,どうやって太陽系ができるのかっていうことを研究しているわけです。でもやっぱり隕石でなければわからないことは結構あるんです。例えば隕石の主成分はコンドルールと言って,知らないかな? 隕石の中には丸い形状をしたケイ酸塩がいったん溶けてから急冷したものがいっぱいあるんだけども, こういうものをコンドルールと言います。コンドルールのようなものは物理的描像では作りだせないんです。それにコンドルールは短時間(1時間ぐらい)で作られてしまうので,天文学的観測で直接見るのは難しいのです。だからやっぱり実際にちゃんと物的証拠を見るというところが大事だろうと考えているんですよ。, 三宅:原始太陽系の姿を探る上で, そのコンドルールはどういった情報を持っているんですか?, 杉浦:隕石の主要構成成分であるコンドルールは急な加熱の後で,急に冷えてできたと考えられます。どのようなプロセスでできたかはわかっていないのですが,このプロセスは隕石が形成されたときに起こったと考えられます。この点でコンドルールは太陽系で天体がどのようにできたのかについての重要な情報を持っていると言えます。, 図2:隕石の表面の電子顕微鏡写真(表面をカットして研磨してある)。今回は太陽系初期のままの粒子が残っていることが多い石質隕石を調べている。, 三宅:そこで,隕石を選ばれたわけですね。先生は隕石の同位体(元素の原子核を形成する陽子の数が同じで,中性子の数が異なるもの)に注目されて,研究されておられるようですが,同位体から,太陽系や宇宙に関するどのようなことが,どのようにわかるのか教えていただきたいと思います。例えば,先生は窒素の同位体比から原始の太陽系が不均一であるということを示されてますよね。, 杉浦:わかりました。例えば隕石にはいろんな種類のものがありますが, 同じ種類の隕石でも, 安定同位体比が違うことがあるんですよ。同位体比が異なる理由を探ろうと,隕石内および隕石間で窒素の同位体比を比較したところ, 原始太陽系星雲の中では太陽系の原料となった結晶やその集合体が実はしっかり混ざっていなかった可能性が示されたんですよ。, 杉浦:測定としては,隕石を細かく見ていくんですね。図2は隕石をカットしてその表面を研磨してから電子顕微鏡で見た図です。図の中に円形に近い構造(太陽系の原料となった結晶等の集まりと考えられる)があるのは見えるでしょ?(反射電子顕微鏡では,質量数が重い元素の方が白く見え, 逆に軽い元素は黒く見える。この場合, 黒い部分は有機物が含まれることを示す。)この数十ミクロンの円形構造の中身を二次イオン質量分析計で分析したんです。すると,窒素の同位体比が標準的な窒素の同位体比に比べ違いがあったのです。我々の業界ではパーミル(permil:千分率(100%の一つ下))という単位で測りますが,基準となる地球大気の窒素に対する窒素15(15N)の増加分(Δ15N)が2500パーミルという値が出たので,窒素の15が3.5倍もあるということですね。, 三宅:隕石の種類によって, 窒素15の存在比にそんな大きな差が出るんですね。ということはおそらく太陽系ができた時点ですでに同位体分布に偏りがあったということになるんですか?, 杉浦:その辺は微妙ですね。この隕石の中に見られる大きな円形のものがいつ形成されたかはわかってないけれど,僕の考えとしてはこのようなものが,同位体の異常のある状態で太陽系が形成するときに太陽系に入り込んだと思っています。太陽系が形成されたときに,小さな1ミクロン以下の微少結晶は均一に混ざっていたと考えられるのですが,数十ミクロン(1ミクロン= 10-6 m, 図では30ミクロン)の大きさのものは混ざっていなかったのではと考えています。, そもそも2500パーミルというような大きな同位体比異常のある物が生じた理由としては,暗黒星雲などの温度の低い星間空間では,同位体が気相と固相との間でやりとりされて同位体比が変化するという反応が起きるせいだと思われています。, 三宅:先生は隕石から原始太陽系の形成について一つの重要な可能性を示されたわけですね。実はここにインタビューにくるまで,太陽系の起源がかなり明らかになっているというイメージを持っていたのですが,いろんな要素を検証しなければならないので,まだまだ原始太陽系の姿ははっきりしないことが多いのですね。, 杉浦:そうですね,ある種の隕石にはこういうのが入っているんだけども,別の隕石には見られないとか,まだまだいろんな不思議なことがあるので。, 三宅:窒素のような安定同位体とは異なり不安定な同位体(放射性元素と呼ばれ,時間とともに他の元素へと変化していく)を使って,よく原始太陽系で起こったいろんな出来事の年代について研究なされてますよね。この研究についてもご説明いただけますか?, 代表的なウランと鉛を利用したもので説明します。ウラン(U)と鉛(Pb)の存在比を比べてやると, ずっと昔からあるものは,ウランが鉛に壊変してしまうので,鉛がいっぱいになる。元の親核種(崩壊前の放射性同位体)になっているウランと娘核種(崩壊後の放射性同位体)となる鉛の量を比べてやると,親核種が多いほど(図3でNa>Nbと同意)新しい(Ta